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太田光代×吉田豪 『〜ハーブとアロマの午後&カンタンおつまみで乾杯!〜』


阿佐ヶ谷ロフトAにて開催された太田光代のイベント『〜ハーブとアロマの午後&カンタンおつまみで乾杯!〜』に参加してきました。インタビュアーとして吉田豪が登壇。太田光代とはご存知、事務所タイタンの社長であり、爆笑問題太田光の妻。このイベント、建前上は社長が展開している「Witch Moon」というお店のハーブティーの話をという事なのですが、やはり客のお目当ては爆笑問題に関する話題。そこはさすが吉田豪は、巧妙に話題を誘導していく。いくつか印象的だったエピソードを紹介したい。



先日放送された『情熱大陸』の爆笑問題回は、太田光田中裕二に分け2週に渡って放送された。見ごたえで言えば、芸人としての苦悩をさらけ出した太田回の方が断然上なのだが、野球をして遊んでいるだけの田中回が視聴率で上回ってしまった。しかし、この結果を社長は予想していたという。曰く、田中裕二の気楽に見られる感じは強い。ここから話は田中裕二という存在の不可思議さにグループしていく。9年連れ添った奥さんが浮気のすえ妊娠が発覚し、離婚。「さすがに落ち込んでいるだろう」と太田夫妻は田中を慰安旅行に誘う。色々積もる話もあろうだろうと思いきや、当の本人は何事もなかったようにはしゃぎまわり「麻雀やろうよ!」「あっちの温泉入ろうぜ!」と飄々としていたそうな。この一切の痛みを伴わず、すべてのことを楽しむ資質こそ、田中裕二の天才性である。田中裕二、天使説を唱えたい。こんなエピソードもある。番組収録中、太田がいつものように熱弁を奮っていると、隣で田中は目頭を熱くしていることがある。社長が「何で泣いてるのよ?」と聞くと、「いやぁ、いいこと言うなぁと思って」と答える。20年以上相方としてやってきてながらも、太田の喋りをテレビの視聴者のように見られる、その田中の眼差し。まさに天使ではありませんか。仕事で干されてコンビニバイト生活が続いていた時も、「草野球をする時間がたくさん取れて楽しい」と毎日を満喫していたらしい。もう、ちょっと怖い。



離婚した田中に、社長は「老後は、うちと田中の3人で暮らす覚悟」という言葉を残している。

俺らは田中のために働いてるのかもな

とも太田は語っている。そう、これは天使たちを巡る"絆"のお話だ。太田と田中は本当に仲がいい。社長曰く、いつもイチャイチャしていて、ふざけてキスをしている事もあるのだそう。そして飛び出た

なんで田中にキスして私にしないのよ!

という社長のパンチライン。まったく、なんてかわいい3人の天使なのだ。



太田夫妻のエピソードも素晴らしかった。お馴染みの「アーリン」という呼び方について。これは「ダーリン」と呼ぶと太田がビクっとしてしまう為、濁音を抜いてみたらしい。元々は「ピーちゃん」だったのだけど、みんなが呼び出したで変えた。2人だけの呼び方が欲しいから。ちなみに、太田の社長への口説き文句は

僕は君をファーストレディにしてあげるよ

だったらしい。結婚20周年を祝い食事をした際、社長は待ち合わせ場所にウェディング姿で現れたらしい。「どう?きれい?」と聞く社長に太田はただただ苦笑いでうなずく。映像がありありと浮かんでくる素敵なエピソードである。



奥さまは社長―爆笑問題・太田光と私 (文春文庫)

奥さまは社長―爆笑問題・太田光と私 (文春文庫)

トークショーがあまりにおもしろかったので社長の著作を購入。これがまた本当に萌えエピソードの塊だったので、必読である。あとがきは太田光。社長の働きっぷりを称え、こう記している。

妻はでかいのと小さいのと間抜けなデコボココンビの運転手と秘書兼マネージャーを連れてあちこち飛び回っている、その姿はルークとC-3POR2-D2のよう

それに対し社長は「レイア姫じゃないのね」と怒っていたのだが、C-3POR2-D2?それはそのまま爆笑問題の2人のルックではないか。そうか、太田光代爆笑問題の芸能界での奮闘は、『STAR WARS』であったのか。