青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

ドムドムバーガーというブルース

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<A面>
ドムドムバーガー、その響きだけで胸がトクンとなってしまう。あの空間こそ、私たちの”かつて”という気がする。1970年に出店した「ドムドムバーガー ダイエー原町田店」が日本で最初のハンバーガーショップである。これは『トリビアの泉』といったテレビ番組でもたびたび紹介されており、わりと有名なお話。そう、始まりはマクドナルドではないのだ。Wikipediaによれば、マクドナルドの日本でのチェーン展開はダイエーとの間で進められていたが、主導権を握る為の資本比率で揉め、ご破算に。そこで、ダイエー日本マクドナルドに先駆け、独自に展開し始めたのがドムドムバーガーなのだそうだ。つまり、ドムドムバーガーは日本のハンバーガーショップのパイオニアであり、マクドナルドの”ありえたかもしれない姿”なわけだ。1980年、ダイエーウェンディーズフランチャイズ契約を結んだことで店舗数が縮小(多くのドムドムウェンディーズに転換された)、90年代以降は親会社であるダイエーの業績悪化。店舗数は目に見えるように減っていき、私たちの日常からドムドムは消えた。しかし、ドムドムは死んだわけではない。公式HPによれば、現在50店舗を運営している。完全に消え去るでなく、僅かながらに現存しているという健気さも、心情に訴えかけてくるではないか。都内で生き残っているのは、3店舗。イオン赤羽北本通り店、ダイエー小平店、マルエツ大泉学園店・・・どう贔屓目に見ても、インスタ映えはしないであろう土地ばかりだ。どこもアクセスがおそろしく悪い。タイミング良く、大泉学園を訪れる機会があったので、少し足を延ばして「ドムドムバーガーマルエツ大泉学園店」に寄ることにしてみた。実に20数年ぶりのドムドム体験である。


マルエツ大泉学園店は西武池袋線大泉学園駅から徒歩30分以上はかかる。ちなみに、かつて『水曜日のダウンタウン』で「東京都練馬区大泉学園町6丁目 陸の孤島説」というの説が放送されたが、マルエツ大泉学園店はそのお隣の大泉学園町5丁目である。ダイエー系列のスーパーであるマルエツの入口に併設されていた。
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外観だけで少し涙腺に訴えかけるものがある。記憶の中のドムドムバーガーと変わっていないのだ。今年9月、ドムドムバーガーの経営権はダイエー子会社のオレンジフードコートより新会社であるドムドムフードサービスに譲渡され、ロゴ、制服、メニューなどを整備していくとのニュースを読んだ。しかし、このマルエツ大泉学園店の看板はまだ旧ロゴのままだ。と言っても、旧ロゴと新ロゴの違いは、マスコットキャラクター「どむぞうくん」が円に囲まれているかいないかだけなのだが(トップ画像を参照)。
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スタンド看板のオレンジと黄色の配色も泣かせる。このどむぞうくんの良さが、ドムドムの魅力の6割を背負っていると言っていい。ポップでキュートでありながら、押しつけがましい所がなくクール。どむぞうくんを胸に抱けば、あんなにも怖いルックのピエロがトップランカーとして君臨しているファストフード界の異様性が際立つというものであろう。


店内に入ると、タイムスリップしたような感覚に陥ること間違いなし。とにかく、くだびれている。内装も照明も鮮やかさとはほど遠く、どことなくブルージー。土曜の昼下がりだが、客入りは5割ほど。そして、客層はほとんどが高齢者である。若者の姿は見当たらない。だからというわけではないだろうが、メニュー表は大きく明瞭で、それがまた実に野暮ったい。接客もまったく洗練されていない。作り置きはほぼしていないようで、どの客も注文してから5~10分は待たされている。全然ファストフードじゃない。当然、熱々の出来立が楽しめるのだろうと思いきや、注文したハンバーガーは3個中2個が冷めていた。おそらく、ひどく非効率なマニュアルで運用されているに違いない。けど、もうそこがいい!ダメな子ほどかわいいのです。注文したバーガーはビックドム、お好み焼きバーガー、甘辛チキンバーガー。どれも、ドムドムを代表するバーガーだろう。ビックドムとお好み焼きバーガーは、原点復帰で今年の9月から復活したメニューとのこと。とりわけ、お好み焼きバーガーはその強い個性から根強いファンが多い。
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新メニューもなかなか際立っている。根菜鶏つくねバーガー、手作り厚焼きたまごバーガー・・・どれもおそろしく調理に時間がかかりそうである。しかし、方向性は間違っていない気がする。断トツでオススメなのはやはり甘辛チキンバーガーだろう。店内を観察していても、客の6~7割はこの甘辛チキンバーガーを注文していた。基本的にどのメニューも、駄菓子のようなチープさが売りのドムドムだが、この甘辛チキンバーガーは本格派だ。プリっとジューシーなチキンと照り焼き系のソースの相性が絶品。元も子もない言い方をしてしまえば、モスバーガーレベルのクオリティを発揮した商品である。
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ちなみに、どのバーガーも潰れていて、ルックはひどく悪い。サイドメニューのマストとして、スイートポテトパイとバーターコーンを挙げておきたい。スイートポテトパイが期間限定メニューであなく定番商品なのもうれしい。サンデー系も老婦人に人気のようで、ハンバーガーセットができあがるのを、アイスを舐めながら待っているババア(愛と感謝込めて)を2人見かけた。あぁ、ブルージー。前述したように、今年の9月よりドムドムは心機一転を図っている。メニューは原点回帰しているようだが、店舗のデザインやマニュアルは、時代に伴った見直しが入っていく可能性はある。”昭和のドムドム”を体験できるのは、今が最後のチャンスなのかもしれない。




<B面>
私が足繫くドムドムバーガーに通っていたのは小学生の頃だ。「ドムドムバーガーってガンダムに出てくるドムと何か関係あるのかなぁ」、当時の私が抱いていた疑問に、今の私であればグーグル検索であっという間に応えることができる。

ドムドムハンバーガーの名前の由来は、旧運営会社であり、かつオレンジフードコートの親会社であるダイエーの企業理念「良い品をどんどん安く」のどんどんを取ったもの。しかし、「どんどん(DONDON)」は商標登録されていたため、ドムドムハンバーガー(DOMDOM)となった
Wikipediaより>

関係ないのはわかっていたが、まったく予想外の由来であった。”どんどん”が空いてなかったから”ドムドム”に、その思考の経路こそ知りたいと思うのだが、そういう情報はまだネットでは拾うことができない。この時代もまたノスタルジーの対象になっていくのだろうか。幼稚園から小学校へ。それまでの羊水に守られるような日々を終え、社会の不条理に晒されていく、始まりの季節だ。小学校に入学すると、父から「柔道か剣道かどちらか選べ」と突然突き付けられた。古い人間だったので、「男子、強くあるべし」みたいな思想が強かったのだろう。確かに当時の私は、忍び寄るサッカーブームにも目をくれず、部屋でパトカーの絵を描くか、カードダスをうっとりと眺めているかの、文化系まっしぐらのナードであった。当然、どちらも1ミリもやりたくない。今でもはっきり覚えているのだが、父は「剣道は刀を使う武道、柔道はドラゴンボールみたいなやつだ」と説明した。もしかしたら、『ドラゴンボール』好きの私を柔道に誘導したかったのかもしれないが、「そんな痛そうなもの絶対に嫌だ」と消去法で剣道を選択した。とは言え、剣での殴り合いもまったく興味がない。週1回の習い事ではあるが、それはひどく憂鬱なものであった。閉所恐怖症であったらしい私は面をつけると、あまりの息苦しさから泣きながら竹刀を振り、スパルタの師範の指導に耐え忍ぶ日々。そんな中での唯一の救いは、道場に向かう前、もしくは稽古後に食べるドムドムバーガーであった。お気に入りはスイートポテトパイとフライドポテトの組み合わせ。芋と芋の甘さとしょっぱさのコントラスト。人生は思い通りにはならない、そんな季節の始まりにドムドムバーガーはあった。あれから20年、やっぱり人生は不条理で、それでもなんとか生きていく為に大切なものをたくさんかき集め、ここに記してきた。それらの始まりはすべてドムドムバーガーだったのである。すべての道はドムドムバーガーから始まる。よければ今度、みんなでドムドムバーガーに集まりませんか。

宮藤官九郎『監獄のお姫さま』8話

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宮藤官九郎が描くテレビドラマはいつだって、社会からはみ出した者たちを描く。その”はみだし”は土地、学歴、年収、恋愛経験といった普遍的なコンプレックスに起因するものはもちろんだが、とりわけプロデューサー磯山晶と組むTBS制作クドカンドラマが常に主役に据えてきたのは、人は誰もが罪を抱えて生きているのだと言わんばかりに、執拗に犯罪者であった。『池袋ウエストゲートパーク』(2000)ではカラーギャング、『木更津キャッツアイ』(2002)では泥棒、『タイガー&ドラゴン』(2005)ではヤクザ、『流星の絆』(2008)では詐欺グループ、『うぬぼれ刑事』(2010)では犯罪者に恋する刑事、『ごめんね青春!』(2014)では放火魔・・・そして、この『監獄のお姫さま』(2017)ではとうとう受刑者だ。そんなはみ出し者たちが、ルールや倫理のようなものを大幅にはみ出しながら、それでも懸命に”血の通った人間”であろうとする姿を捉える、それがクドカンドラマである。しかし、宮藤官九郎はおおいに”照れる”作家だ。真っ当な人情話を描くことへの照れ隠しのようにして、大量のギャグやギミックをまき散らす。その照れは、2000年代においてシニカルでクールな若者の表現に思えたが、宮藤官九郎も47歳。おじさんとなり、おばさんのドラマを書いている。中年になっても健在である照れは、ときに物語の筋運びをどこまでもまどろっこしく、面倒くさいものにしている。『監獄のお姫さま』においては、いくらなんでも「爆笑ヨーグルト姫事件」の真相というやつを引っ張り過ぎだろうという気がしないでもない。ここで、「あー面倒くせぇ」という『池袋ウエストゲートパーク』という長瀬智也の台詞をリフレインさせたいのだけども、だがしかし、そのもどかしいばかりの遠回りの話法は、「この複雑に入り組んだ世界で物語ること」への宮藤官九郎の誠実さのようにも感じる。そんな簡単に答えが出せないからこそ、物語は存在するのだ。


今回取り上げる8話は、宮藤官九郎の”照れ”がもたらす話法が、とびきり炸裂している回だ。

あんたが”いやなやつ”じゃないってことは
馬場カヨが”いいやつ”だってことは
これ読んですごいわかった
馬場カヨのことはね・・・うん
嫌いじゃない

先生(満島ひかり)による、否定を織り交ぜたまどろっこしい愛の告白。*1 これくらい遠回りしてこそ、はじめて気持ちは伝わる。先生に限らず、誰もこんがらがっている。『監獄のお姫さま』という作品のキーフレーズである「更生するぞ、こーせー」という合言葉は、実は「復讐するぞ」の受刑者達の間での隠語であった。本音はいつも喋る言葉と反対のところにある。

今だけよ 雑魚がいきがって正義とか言ってられるのも今だけ!
自分がかわいいの、結局
<中略>
忘れるよ・・・娑婆に出たら
冷めるよ 我に返るよ
所詮は他人事だもん
自分がかわいい 自分が大事
みんなそう、あんたもそう! 
それが人間!

長谷川さんはここにいる私が好きなの
69番の私が好きなの
出たら冷めるの 忘れるの 我に返るの
それが人間

であるから、若井ふたばと馬場かよ(小泉今日子)がそれぞれ別の場所で別の相手に話したこれらの言葉にもまた、「冷めないでくれ 我に返らないでくれ 血の通った人間であってくれ」という祈りが込められているのだ。


血の通った人間同士の関係は、家族めいたものを形成する。馬場かよと姫(夏帆)の間に母娘関係、そして、先生と馬場かよの間に、反転した母娘関係が結ばれる。

若井:私 はじめてなんだ
   こんなふうに受刑者と打ち解けるの
   好きじゃないの
   ヤツら 勝手に線引くでしょ
   犯罪者の気持ちなんか分かんないくせに
   こっち来ないでって態度、目つき
   逆差別っていうかさ、何様?裏切るし
   だから期待もしない
   でもね、あんたは違ったね
馬場:ずうずうしいんですよね
若井:そう、ずうずうしいの 犯罪者のくせに

犯罪者・馬場カヨの“ずうずうしさ”が肯定されることで、2人は強く結びついた。だとすれば、1話でふたばの発したあの台詞も違った響きを持つだろう。

ずうずうしいんですよ犯罪者って
時間巻き戻せると思ってるんです
刑務所のことタイムマシンか何かだと思ってるんです
出てきたら犯した罪までチャラになると思ってるんです

過ちを犯しても、元には戻れる。そして、イリーガルな復讐を通してだって、更正(コーセー)はできる。ずさんな計画の記された「復習ノート」を、「復習→復讐」と校正(コーセー)したのは他ならぬ若井ふたばである。残り2話しかありませんが、次回以降の展開が待たれます。



<余談>
監獄のお姫さま、観てないんですか?書かないんですか?」と何人からか聞かれたので、今更ですが、書いてみました。8話にも『カルテット』的なものが蠢いていましたが、あえて触れていませんのであしからず。『監獄のお姫さま』、個人的には6話くらいからグッとおもしろくなってきました。のぶりん(塚本高史)がどちらの時間軸にもガッツリ絡み出してからだ。クドカンによる永遠の男子・塚本高史。やっぱり、男の子を書く時のほうが断然活き活きしているのである。それは板橋五郎(伊勢谷友介)もそうで、今のところどこまでもクズ男ではるのだけども、なんというか人間としての輪郭がクッキリしていて、魅力的だ。満島ひかりはずっと抜群だったが、この8話にして、やっと満島ひかりが演じる意味があった、というところまで"先生"というキャラクターが生きてきた。

*1:こどものおもちゃ』の羽山だ

最近のこと(2017/11/27~)

月半ばに体調を崩してしまい、11月はほとんどブログを更新できなかった。ブログを開始してかれこれ7年ほど経つのですが(驚)、ここまで書かなかったのは初めての経験で、ちょっと焦ってしまった。どう書けばいいのか、わからなくなるのだ。文章というものは、継続していないと、気力的にも技術的にもすぐに書けなくなっていく、そう実感した次第です。せっかくなので、病気の話でも書き記しておこう。最初は腹筋が痛む・・・という感じだったのだけども、翌日から右脇腹から背中にかけての強烈な違和感と駆け巡るような悪寒が止まらなくなる。しばらく放っておいたのだが、1週間経っても収まらないので、とりあえずネットで検索。なんでも、風邪以外での悪寒はやばいらしく、内臓の難病ばかりがヒットする。しかも、右側の内臓は違和感を覚えるころにはもう手遅れらしい。万が一だとは思いつつも、やはり最悪の想定というものはせずにはいられない。「めちゃめちゃ大事」という空耳が聞こえる。早く病院に行って、異変の真相を明らかにしたいけども、明らかになる事実を受け取るのも辛い、というジレンマに苛まれ、結局病院に足を運ぶのは土曜日になってしまった。そもそも平日に病院に行くのは難しい。内科で診察を受けると、すぐさま皮膚科に回され、診断結果は帯状疱疹でした。「あぁ、よかった」と思うのも束の間、帯状疱疹もなかなか辛いのだ。診断されるや違和感は確かな痛みに変わり、疱疹も発生。衣類が擦れるだけで痛い。1週間で7000円というやたら高値な抗ウィルス剤を処方されるも、飲み始めるのが遅かったのかなかなか効かず。結局、そこから1週間以上、神経痛と悪寒に悩まされました。原因はストレスや過労。心当たりがあるようなないような感じで、とにかく安静にしているしかないらしい。炬燵に入りながら、ひたすら本を読み、テレビを観て、ラジオを聞いて、シュウマイ食べて、ゲームをしていた。こう書くと、夢のような生活だが、いざやってみると意外と楽しくない。大好きなはずの行為が、すべて堕落と結びついてしまう。結局のところ、生活というのはメリハリがめちゃめちゃ大事なのだ。


坂元裕二の新作ドラマ『anone』が1月から始まるとのうれしい報が。広瀬すず主演で日テレ制作、『Mother』『Woman』に続く、田中裕子3部作であるらしい。現在までに発表されている脇を固める役者は、小林聡美瑛太阿部サダヲ・・・と坂元組と是枝組が混ざり合ったようなキャスティングだ。YOUにもぜひ出演して欲しい。「脚本:坂元裕二 演出:是枝裕和」という連続テレビドラマが放送される日を夢見よう。来るべき1月に向けて、坂元裕二の過去のアーカイブスを観直し中。病床に伏していたので、とにかくたくさん観た。『東京ラブストーリー』『ラストクリスマス』『Mother』『それでも、生きてゆく』『Woman』 『最高の離婚 Special 2014』・・・時間には余裕があったので『西遊記』『トップキャスター』あたりの作品も久しぶりに目を通しているのですが、やっぱり同じ人が書いている感じがしない。

西遊記DVD-BOX

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トップキャスター DVD-BOX

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過去のインタビューに目を通してみると、時代の流れに迎合して、視聴者にわかりやすいドラマを書いていこうと意識をチェンジしていた時期の作品であるらしい。事実、この2作は視聴率がかなり良い。この頃の作品をアメリカンタイプのドラマとして、それ以前のトレンディドラマや『Mother』以降の作品を”落語”のようなドラマとしているのが、興味深かった。


映画も少しだけ観た。『ブレードランナー ファイナルカット』と『マイティ―・ソー』『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』をhuluで鑑賞。しかし、『ブレードランナー2049』も『マイティ・ソー バトルロイヤル』もまだ観られていない。なんでも、ロキさんが大活躍しているらしいではないか。『ハリーポッター』シリーズのセブルス・スネイプ先生(アラン・リックマン)が亡き今、ロキたんだけが我々の希望だ。ときに、クリス・ヘムズワースは改めて超セクシーである。次のアベンジャーズは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の面々も合流するらしいが、クリス・ヘムズワースクリス・プラットが同じ画面に収まったら、なんかもう大変なことになってしまいそう。余談ですが、何週か前の『ドキュメント72時間』のシェアハウス回(傑作)に登場した、各地の映画館で『ブレードランナー ファイナルカット』を観て回っているお姉さんがとても素敵だった。「何やってるんでしょうね」と自嘲的に笑いながらも、そこには誇り高きものが漂っていた。ときに、近所のTSUTAYAが年内で閉店してしまうらしい。私自身、配信サービスを導入して以降、来店頻度はグッとどころじゃなく減ったのだけども、レンタルビデオ屋が街から無くなってしまうのはこの上なく寂しい。どうせ観やしないDVDを3本借りる恋人未満のカップルや、お泊り会の映画を選ぶテンションの上がり切った学生たち、手書きのリストを参照しながら古い名画を手にとっていく若者・・・そういう風景込みでレンタルビデオ屋というカルチャーであった。「家でNetflix、観ない?」という誘い文句はスマート過ぎて味気ないではないか。てか、そんな誘い方しているやつ本当にいるのか!?いるなら、帯状疱疹にかかり、苦しめ。



さて、体調の整った先週から振り返りたい。月曜日。来年で解散してしまうらしいチャットモンチーの音源を聞き直していた。『chatmonchy has come』がリリースされたのが大学入学の年、3rdアルバム『告白』がその4年後ということで、チャットモンチーの音楽はキャンパスライフの思い出と密接だ。特に書くようなエピソードはないのだけども。「恋の煙」のカップリングに「湯気」が、「女子たちに明日はない」に「バスロマンス」が収録されていたあたりが、バンドとして脂が乗り切っている感じで、最高にかっこよかった。

恋の煙

恋の煙

女子たちに明日はない

女子たちに明日はない

オルタナ感の強い「ヒラヒラヒラク秘密ノ扉」とかロッカバラッド「染まるよ」といったシングルも好きだし、2人編成になってからのアルバムもナイスなのだけども、やっぱりあの時期に想いを馳せてしまう。当時のカルチャー好きには、奥田民生になりたいボーイよりも、えっちゃんの彼氏になりたいボーイが溢れていた。
youtu.be
あと、Spinning Coinの1stアルバム『Permo』もよく聞いている。ネオアコだけが慰めてくれる心の痛みってのはある。
PERMO [LP] (180 GRAM, 4-PAGE LYRIC/ARTWORK INSERT) [12 inch Analog]

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お風呂で『打撃の神髄 榎本喜八伝』を読み終える。プロ野球黎明期のレジェンド達の逸話はそれだけで楽しいが、榎本喜八のバッティング理論が、西部劇や宇宙、そして万物の創成者である神へと拡散していく出鱈目具合が最高。同時進行で描かれる、プロ選手としての全盛期を終え、下り坂に向かっていく悲哀もたまらなかった。キャサリン・ダン『異形の愛』と津原泰水「五色の舟」(『11 eleven』に収録の短編)なども、やっと読み終えた。
異形の愛

異形の愛

11 eleven

11 eleven

すべて、ロロ『父母姉僕弟君』に影響を及ぼした本ということで手にとったのだけども、とにかく素晴らしかった。あの作品の下に、こんな情景が蠢いていたのか、という意味でもロロファンにオススメ。あと、江戸川乱歩の『孤島の鬼』ファンにもぜひ。南海キャンディーズの山里さんが『孤島の鬼』をバイブルとしていたはず。



火曜日。全快を祝して、サウナへ。カプセルホテル「池袋プラザ」のサウナで気持ちよくなった。久しぶりだったので、1セット目でクラクラしてしまった。「池袋プラザ」はラブホテルや風俗店が密接しているエリアにある。外観もラブホテルに見えなくはないし、快楽に溺れていることは確かなので、何となくうしろめたい気持ちにさせられるお店である。しかし、いかにも男性専用感を漂わせながらも、女性客の利用も可能。同じ池袋の「タイムズスパ レスタ」に比べれば、とてつもなく場末感があり、くたびれてはいるが、サウナも水風呂も悪くない。いい汗がかけ、シャキっと冷える。休憩室は漫画が充実。食堂で生姜焼き定食を食べて、リクライニングシートに寝そべって、テレビで流れている音楽特番を眺めた。本当におもしろくない番組だな、と思いつつも欅坂46aikoが観られたのでよかったです。
hiko1985.hatenablog.com
2017年を代表する『夫のちんぽが入らない』が実写化とのこと。妄想キャスティングしてしまう。安藤サクラ/黒田大輔みたいなルックもありと思うのだけども、てれびのスキマさん案の門脇麦/柳楽優弥も最高。学生時代のシーンもあるので、若い役者の方がいいのか。ちんぽ役にはぜひともラブレターズ塚本直毅にお願いしたい。



水曜日。仕事後に友人と「やきとん 木々家」で飲む。『フリースタイルダンジョン』の感想戦と『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』の進捗報告。ちなみに、ゼルダはやっと四神獣を一体解放したところです。早く多様な食材をゲットして、カレーやお菓子などを作れるようになりたいものです。とにかくおもしろくて、時間が許されるなら永遠にやっていたい。気づいたら、すぐ時間が経つので、気をつけたい。絶品のハムカツとレバーをつまみに飲んだノンアルコールビールですっかりできあがったので、2時間ほどカラオケに行った。2人なのに20人くらいは入れそうなパーティールームに案内される。18人分の不在が切ない気持ちを駆り立てました。あの日クールだったMCたちはもう今じゃどこにも見当たらず、目の前にはウンコを煮詰めたような男が1人。32歳独身のウンコが原曲キーで歌う中村一義「永遠なるもの」、それはもう絶品でした。ご馳走さまです。



木曜日。本屋に行き、西村ツチカの単行本2冊と売野機子ルポルタージュ』3巻を購入。

西村ツチカ短編集 アイスバーン (ビッグコミックススペシャル)

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北極百貨店のコンシェルジュさん 1 (ビッグコミックススペシャル)

北極百貨店のコンシェルジュさん 1 (ビッグコミックススペシャル)

ルポルタージュ』の3巻、本当に素晴らしいので必読です。掲載誌で打ち切りらしいけども、書下ろしで単行本は出して欲しい。漫画と言えば、この日公開されたショルダー肩美『オープンブレインコネクテッドオール』が傑作。
omocoro.jp
本物の天才である。これが伏線回収ってやつか。そして、鈴木プロデューサーのスタジオジブリ再始動宣言。

気がつくとぼくは、その絵コンテが繰り広げる世界に夢中になっていた
内容を読んで、ぼくは宮さんが引退を撤回する理由がよくわかった。『風立ちぬ』では終われない。宮さんお面目躍如は、やはり“冒険活劇ファンタジー”だった

いつもの鈴木マジックに違いないと、話半分で聞きつつも、本当ならばこんなに楽しみなことはない。『君たちはどう生きるか』というタイトルの活劇。ラスト1本とは言わずに2本、3本と観たいので、寿命を5年ほど宮崎駿に捧げたい。もしくは『ミュータントタートルズ』のシュレッダーみたいに脳みそだけで生かしたい。宮崎駿のインタビュー本なども読み漁っていて、更には宮崎駿が多大な影響を受けたというロバート・ウェストールやロアルド・ダールといった児童書作家の作品を読んでいる。

禁じられた約束 (Westall collection)

禁じられた約束 (Westall collection)

おばけ桃が行く (ロアルド・ダールコレクション 1)

おばけ桃が行く (ロアルド・ダールコレクション 1)

優れた児童書というのは読んでいるとずっと涙目になってしまうものです。『アメトーーク』の「岡山盛り上げよう芸人」がおもしろかった。千鳥と大泉洋が互いにウケを意識し合っている感じがドキドキした。大泉洋のゲラ芸は至高。あと、この的確なおもしろさの女の人誰だ、と思ったらMEGUMI(aka百合の花の咲く場所)だった。テレビ出まくっているイメージないのに、バラエティの腕が衰えていない。


金曜日。Marker StarlingのMANTLER名義のセルフカバーが最高なので、MANTLERの日本限定の編集盤を購入した。

Fortune Smiled Again

Fortune Smiled Again

あと、Father John Mistyの来日公演チケットも購入。『マスター・オブ・ゼロ』じゃ、Father John Mistyのライブチケット1枚あれば、高嶺の花の女もデートに誘えるみたいな描かれ方だったけども、日本では発売から1ヵ月以上経ってもボタン一つで簡単に買えてしまった。
youtu.be
小沢健二の新曲「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」の歌詞にぶっ飛んだ。あれがどうメロデイに乗るのか楽しみでなりません。『ミュージックステーション』で椎名林檎が「大人の掟」を英語で歌っていた。『カルテット』のロケ地巡り、したい。『ロンドンハーツ』のカズレーザー弟子入りドッキリが凄くよかった。カズ師匠のあらゆる物事の取り組み方、真摯過ぎて胸打たれる。



土曜日。妹の結婚式があった。事前に母から「本当にありきたりで平凡なゼクシィみたいな式だと思うけど、あんたつまんなそうな顔とかすんじゃないわよ」とたしなめられる。母の中では私は今でも鋭利な刃物なのだろうか。現在の私は、すべてのことに感謝してるっつーの、宇宙の力に導かれてるっつーの、と思いつつ、いざ式に行ったら、シンプルにうんざりしている自分に戦慄しました。これはまずい、泣かねばと、妹の小さい頃の映像をイメージしてヴァイブスを高めたりしていたのですけど、途中から「昨日食べたチキンカツ美味しかったニキねー」と全然関係ない思考が挿入されてしまって、そこからはもうずっと揚げ物のこと考えてしまったな。妹本人はおろか両親すら泣いてなくて、「これが”血”か」と納得しました。「おばあちゃんにも見せてあげたかったな」と亡くなった祖母を思って、少し泣いたというエピソードで私めの好感度を上げておきます。三四郎の小宮さんが「おばあちゃんが大好き過ぎて、一人暮らしできない」と言っていたの、最高。



日曜日。いつもより少し早起きして、午前中から「さやの湯処」へ。土日は混んでいて敬遠していたのだけども、昼前であれば快適に過ごせた。サウナと水風呂に関しては、平均的なスーパー銭湯なのだけども、濃い目の温泉と天井の高さが好き。その天井からいい感じに差し込む陽光に目を細めながら身体を休める幸せ。そして、「さやの湯処」とセットになっているのは「吉祥軒」である。
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雑誌に紹介されたらしく、土日は店の外まで行列ができているのだけども、並んでも食べる価値がこの店にはある。豚肉がなくなってしまったとのことで、鶏肉でニンニクの芽との炒め物を作ってもらった。そして、海老炒飯に叉焼麺。次は絶対に担々麵に挑戦したい。あと、ここは麻婆豆腐もむちゃんこ美味いのでぜひ。帰宅して、『M-1グランプリ』の敗者復活戦をテレビで。ハライチの応援に熱が入ってしまった。予選の時より断然おもしろく感じた。澤部さんはやはり最高の木偶だ。しかし、スーパーマラドーナが復活は納得。むしろ、彼らがなんで10組から漏れているのか疑問だ。天竺鼠セルライトスパもおもしろかった。西の勢いが凄くて、東は元気がない。東の最後の希望はモグライダーではないだろうか。決勝の舞台に出たら、むちゃくちゃウケるか、信じられないほどスベるかのどっちかだろう。バラエティ番組とかで正体(おもしろさ)がバレ切る前に決勝出て欲しい。ところで、ペプシコーラの桃太郎のCMの新作、怖くないですか? 戦時中の戦意高揚を促す宣伝のようで、おぞましい。私の中のCMスター小栗旬にあんなものをやらせないで欲しい。もはや戦争前夜でもないのか。『M-1グランプリ』決勝でも、戦争やら北朝鮮ネタやらが3つ、4つあって、「穏やかじゃないねぇ」となった。そんな中、「こんな戦争は嫌だ、どんな?」というハラちゃんの大喜利ボケに、「どんな戦争も嫌じゃ!」とつっこんだ川瀬名人が優勝ということでよろしいでしょうか。あと、ジャルジャルが優勝。興奮で顔がカッカして、涙目になった。ウーチャカに怒られてしまいますが、福徳の剥き出しの感情もグッときました。いや、ジャルジャルならいいか。ジャルジャルが賞レースに出ていること自体が(しかも結果を残している)、嘘みたいな話なのだ。『M-1グランプリ』は復活してからずっとおもしろい。まさかのとろサーモンの優勝も最高だ。Netflix『火花』再評価にも繋がってくれー。
hiko1985.hatenablog.com
今回の『M-1グランプリ』を林遣都波岡一喜が一緒に観ていたというエピソードに泣く。あほんだら、おめでとう。

売野機子『ルポルタージュ』3巻

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この3巻にして、売野機子の『ルポルタージュ』という作品は特別な領域に突入したように思う。まず、簡単にあらすじを説明しておこう。作品の舞台は2033年、そう遠くない未来の日本。90年代の恋愛ドラマブームの影響で恋愛結婚をした世代は、不仲・DV・セックスレス・・・深刻な離婚率に悩まされていた。そんな時代の流れの中で、「”恋愛”は煩わしく、心を傷つけるもの」として、排除されるようになった。恋愛をしたことのない独身男女は70%を超え、マッチングシステムで収入や関心を条件に、合理的にパートナーを探し出し、堅実な家庭を築く、”飛ばし結婚“というスタイルが主流となっていく。「非・恋愛時代」の突入である。そんな中、シェアハウスで共同生活を送りながら、恋愛を込まずに契約結婚の相手を探した出すというコミューンが誕生する。物語は、「誰も恋愛にこだわらなくなった時代」の象徴であった非・恋愛コミューンがテロの襲撃に合うところから始まる。その事件を追い、テロ被害者の人物ルポルタージュを執筆していく青枝聖・絵野沢理茗という新聞記者の2人組が主人公。コミューンに所属していたテロ被害者の人生の軌跡を通して、多用な愛情の在り方が炙り出されていく。すなわち、今作は愛の報告書”ルポルタージュ”とも言える。


まず青枝聖が恋に落ちる。何の理由もなく、ただ視線(売野機子の描く"瞳"の尋常ならざる情報量がこの漫画の最大の魅力と言っていいだろう)と香りが混じりあうだけで、ごく簡単に。それでいて、決定的に。いくつかの被害者のルポルタージュの中で、非・恋愛時代においてもそれでも宿る愛情についての描写が続き、やはり人間は心の底では”恋”を訴求しているのだという展開が2巻まで続く。恋愛は確かにひどく困難でやっかい、でも、だからこそすべからく尊い。正直なところ、その目を見張る導入からすると、「まぁ、そう書くしかないよな・・・」というような筆致だ。しかし、前述の通り3巻からがグッと凄い。まず、テロ事件の犯人像が浮き彫りになっていく。作劇のセオリーというものに沿うならば、この犯人こそが主人公に据えられてもおかしくはないだろう。例えば、生きていく上でのたいせつな感情を失った「非・恋愛コミューン」を爆破し、恋愛至上主義を謳う革命家。物語のヒーローに実に似つかわしいではないか。しかし、『ルポルタージュ』においては、テロの犯人像はこう描かれる。誰かを愛したい/愛されたいと切望しながらも、どうしても恋愛の輪(=人の輪)にに加わることのできない孤独な若者。そして、被害にあった「非・恋愛コミューン」の参加たちは、お洒落でコミュニケーション能力の高い所謂”リア充”として描かれている。この反転が、放たれた銃弾に生々しいリアリティを生み、読む者の心を切実に掻きむしる。


更に強烈なのは絵野沢理茗というキャラクターの描き方であろう。飛ばし結婚の両親を持つ最初の世代の人間であり、”愛”という感情への理解に苦しんでいる。慕っている先輩が目の前で男性に恋に落ち、その実存を変容させていくことで、焦燥感が募っていく。自分自身の中に無理矢理に愛を発生させようと、青枝聖への恋愛感情を偽装していく。社内で青野の唇を奪うなど、その行動はどんどんエスカレートし、理性を失っていく様は何やら悲劇めいたものを予感させる。しかし、物語は彼女を”天使”として救済してしまう。いや、この物語に登場する全ての人物が天使である。恋愛感情を持たない代わりに、花の種、石ころ、鳥の羽根・・・あらゆる対象に愛を注ぐ藤啓斗、一面の雪景色に仰向けになり羽根を生やす青野聖、貧困層の若者の生活を支援するNPO法人の活動を行う國村葉・・・それは劇中のキャラクターが演説するように、「ジャン・コクトーの定義するところの天使」である。あらゆる境界線を行き来し、性差すら曖昧で分裂症君な、無邪気な精神を持つ自由人としての天使*1。つまり、未分化状態の感情を天使としての自由さと捉え、肯定してみせる。

決めなくていいのでは?と
誰に恋しているとか してないとか
その相手は聖先輩かもしれないし そうじゃないかもしれない
いつか誰かを好きになるかもしれない
それは男性かもしれないし 女性なのかもしれないし
そのどちらでもないのかもしれない
でも今はまだ
分からないままでいいんじゃないかって
ずっと分からないままでもいいなじゃないかって思うんです

あいまいなものがあいまいなままでいいように、という自由さへの切実な祈り。それを実践していくタフさ、心のありようは、観る者すべての心を勇気づけていくまさに「非・恋愛時代」前夜の今に最も切実に響くラブストーリーの誕生だ。

とにかく、むちゃくちゃかっこいい漫画なのだ。何やら連載誌での打ち切りといった情報も流れているが、未完のまま終わってしまうだなんて、許されることではないのです。その結末を見届けさせて欲しい。

*1:しかし、彼らは堕天使にもなりえる

最近のこと(2017/11/01~)

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Marker Starlingの新しい音源『Anchors&Ampersands』から。セルフカバー&カバー(ネッド・ドヒニーなど)をコンパイルした編集盤のような感じで、アルバムとしての緊張感のようなものには欠けるのですが、スムースでナイスなポップソングが詰まっている。

Anchors & Ampersands [12 inch Analog]

Anchors & Ampersands [12 inch Analog]

11月はこれとスピッツばかり聞いています。ときに、ブログの更新がまったく捗らない。「最近のこと」も書きそびれ過ぎていて、もう何から書き記せばいいかわからなくなっている。何やら体調が悪いのだ。先週末くらいから、右下の脇腹から背中にかけて痛みと違和感があって、悪寒がやたらと走る。盲腸かな、と思うも痛みが激しくならないので、違うっぽい。大袈裟なのかもしれないけども、「もしかしたら難病かも・・・」って思いながら生活するのは、凄くハードだ。早めに病院に行かなくては。肋骨あたりにヒビとか神経痛とかでありますように。



11月はまず『72時間ホンネテレビ』があった。文化の日を含む3連休のほとんどをそれに費やしてしまったが、後悔はない。この番組についてのエントリーが今までになく褒められた。大気中に浮かんだSMAPファンの想いみたいなものをかき集めて書いたような文章だと思うので、ファンの方々に喜んでもらえたのが何よりでした。『72時間ホンネテレビ』を観るまで、Twitterのトレンド機能を意識したことがなかったのけど、たまにチェックするようになった。つい先日、「箕輪厚介の弱点」というワードがトレンド入りしていて驚いた。中学1年の時のクラスメイト、それも私の後ろの席に座っていた男ではないか。中学に入学するも、持ち前の人見知りで、5月を過ぎてもクラスの誰とも会話をしない私に、「鉛筆貸してよ」と後ろから声をかけてきたのが箕輪だった。後で聞いたところによると、私があまりにクラスから浮いていてかわいそうなので、鉛筆は持っていたけど、あえて借りてくれたのだそうだ。そんな真意は露知らず、「鉛筆借りるセオリーは隣の席だろ」と心の中で悪態をつく思春期の私の心のガードは箕輪はいとも簡単に突破してきたのだ。今思えば、考え方も趣向も驚くほど異なる2人であったが、「おもしろい」と思うポイントが一緒だったので、意外と馬が合った。「松本恵は超絶かわいい」という共通認識が2人の距離を近づけたように思う。あれから20年、いつの間にか松本恵は松本莉緒に改名しホットヨガインストラクターに、箕輪厚介はカリスマ編集者として時代の寵児となっているらしい。ちなみに「箕輪厚介の弱点」は妻だそうだ。今は疎遠みたいな書き方をしてしまったが、実は結婚式にも出ている。そんで、妻がむちゃくちゃ美人でむかついたので、疎遠です。



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ストレンジャー・シングス』のシーズン2を完走した。はぁー最高だ。強度が段違いだ。シンプルに会話を交わすだけの何気ないシーンにもいちいちグッときてしまう。『ストレンジャー・シングス 大解剖』も途中まで観た。子役たちのかわいさもさることながら、監督・脚本のザ・ダファー兄弟の強烈なキュートネスにやられた。彼らこそ、ナードの星だ。ときに、ジョナサンの悲しい顔が好きだ。しかし、演じるチャーリー・ヒートンは、隠し子がいるわ、覚せい剤でアメリカ入国拒否されるわ、のなかなかの男らしい。いつだって、ルーザーに肩入れしてしまうので、シーズン2以降はスティーブ派に移り変わりそうである。スティーブ&ダスティンがシーズン2最大の収穫であるのは間違いなし。ダスティンのベスト3お菓子である、3 Musketeersのチョコレートバー、食べてみたい。最高にキュートなお顔のウィルを演じたノア・シュナップはスピルバーグの『ブリッジ・オブ・スパイ』でトム・ハンクスの息子役を演じていたらしいが、まったく記憶にない。一際成長が早いように思えるマイク役のフィン・ヴォルフハルトは『IT イット "それ"が見えたら、終わり。』でも抜群の存在感を発揮していた。怪人ピエロは対峙する人間の恐れるものを具現化し、その恐怖を食らう。ある者は死んだ弟、ある者は感染病患者、ある者は性的イメージ・・・と多岐にわたるのだけど、フィン演じるリッチーの怖いものがピエロなの釈然としない。ピエロは誰もが潜在的に恐怖を抱く対象なんじゃないのか。『IT イット "それ"が見えたら、終わり。』には釈然としないポイントが多すぎて、いまいちのめり込めなかった。最初の排水溝に忍んでいるペニーワイズと、映写機に侵入するペニーワイズが好き。充分おもしろいのだけども、『ストレンジャー・シングス』ありきの企画だと考えると、全然牙城に迫ってない。尺が短すぎて、あの数の子ども達に何の思い入れも抱けなかった。アメリカのスクールカーストもの映画を観ていると、上位と下位のフィジカル格差が凄まじすぎて、イジメてるのは上級生なのかしら?といつも混乱する。映画をまったく観にいけていなくて、唯一Netflixノア・バームバック『マイヤーウィッツ家の人』を観た。豪華かつ円熟の役者のアンサンブルに酔う。脚本も繊細でとても好みな映画だった。



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シアターサンモールで観た、ロロの『父母姉僕弟君』の再演もまたとびりき素晴らしくて、うれしかった。1月の『マジカル肉じゃがファミリーツアー』も楽しみ。五反田団っぽいタイトルだな、と思ったら五反田団の宮部純子が客演するらしい。そして、北川麗(中野成樹+フランケンズ)が久しぶりにロロに客演。2012年の『LOVE02』以来では。北川麗のアイコは本当に素晴らしかった。横浜KAATでロロを観られるの、グッときちゃうな。『父母姉僕弟君』は柴埼友香も観たらしい。長嶋有にも観て欲しい。あと、カジヒデキも観に行ったそうな。まさに「ヒデキ、カンゲキ!」と頭に浮かんだのだが、誰にも伝えずグッとこらえた。演劇を観たことのない友人たちにも薦めまくったが、軒並み気に入ってもらえてよかった。しかし、みな口を揃えて、「野球のとこがよくわからなかった」と言う。返す言葉がない。元阪神タイガース桧山進次郎の生涯打率が2割6分で、生涯安打が1263本なのはおろか、みんな桧山その人を知らないらしい。桧山の認知度ってどれくらいなのだろう。それこそ2割6分くらいなのか。三浦くんがオススメしていた『打撃の神髄-榎本喜八伝-』という本を読んでみようと思う。

打撃の神髄-榎本喜八伝

打撃の神髄-榎本喜八伝

野球と言えば、日本シリーズのサファテは凄かった。メジャーのピッチャーって本当にあれより凄いのか。あの角度と速さと重さのストレート、誰が打てるんだ、となった。筒香に打って欲しかったな。ヤクルトに、ソフトバンクから山田大樹が無償トレードで加入。村中も奮起して、左腕が充実して欲しいものです。そして、宮本ヘッドコーチの鬼しごきキャンプに、広島カープから石井琢と河田の両コーチが参加。宮本慎也石井琢朗が並んでスワローズのユニフォーム着ているの、現実とは思えぬ光景です。FAは参加しないらしいので、青木かバーネットが戻ってきてくれぬものか。




ロロを観るために新宿駅から御苑方面に歩いていたら、長い行列のできた餃子屋さんがあった。自分もあの列の中の1人だったら、どんなにいいだろうと思ったが、餃子は並んで食べるものではないという気もする。行列ができるような名店の餃子が100とする。とてつもなく美味い。しかし、埼玉の誇るチェーン店「ぎょうざの満州」のダブル餃子定食はどうだろう。95の数値を叩き出しているではないか。そう、餃子はだいたい美味い。下限に目を向けても80くらいなのです。すでに各方面で話題かと思いますが、大阪王将の冷凍食品「ぷるもち水餃子」があなどれない。
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冷凍食品とは思えない食感に出会えます。ポン酢を入れたスプーンですくって食べ、肉汁とポン酢のハーモニーを楽しもう。あとセブンイレブンの新作サンドイッチ「アボガド&チキン(ハニーマスタード)」にハマっている。いつも50円引きの棚にあるのだけど、売れてないのだろうか。食べ物の話で言えば、池袋の名店「美松」でついに玉子焼きを食べた。並ぶし、そこそこ値は張るけども、味は抜群に美味しいし、器も美しい。玉子焼きは甘いのしょっぱいの、さらに甘いのは醤油か砂糖か、とか色々選べる。この日はサバの塩焼き定食にした。



先日、法事があって、親戚で集まった。いとこがサウナーだった。地方のサウナも巡っているらしい。また別のいとこは、レトルトカレーにはまっていて、箱のパッケージを切り抜いてコレクションしていると言っていた。私も10代の頃、缶コーヒーのコレクションという不毛なことに走っている時期があった。つくづくオタク気質な血筋である。神楽坂の中華屋で食事だったので、「紀の善」のあんみつを買って帰った。これ以上の贅沢はのぞまない。と言えば、乃木坂46の「他の星から」ですが、11/7と8の2日間、東京ドームライブ行ってきました。
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正直、コンサート演出はピンとこなかったのだけど、2日間とも花道に近めの席だったので、楽しめました。伊藤万理華を生で拝める最後のチャンスだろうと思い、ずっとその姿を追い続けてしまった。まりっかのダンスは本当に素晴らしい。まりっか率いる「生まれたまま」が聞けてよかった。コンサートとしては、中盤の「他の星から」「でこぴん」「あらかじめ語られるロマンス」の三連打にノックアウト。3期生はやはり大園桃子の存在感が段違いだった。否応なしに人を惹きつける能力みたいなものが備わっている。紅白歌合戦は「インフルエンサー」なのかもしれないけども、「逃げ水」でお願いしたい。2日間ともまったく同じセットリストだったのだけど、2日目は最後に「きっかけ」を披露してくれて、感激した。伊藤万理華さんと桜井玲香さんが腕を組んで花道を歩いてくる姿。永遠に焼き付けました。ドームともなると、やはり終演後の退場が凄まじい。この日の誘導係の癖が凄くて、スピーカーで「この先の広場はとても人が歩き進める状況ではありません!おしくらまんじゅう大会です!」って叫んでいた。おしくらまんじゅうだけでもなかなかなのに、大会をつけるなんてかわいいではないか。2日目はライブ前に「スパラクーア」で英気を養った。リニューアルされ、サウナが4種に。セルフロウリュウできる「コメア」なるサウナ小屋が新設。温くて使い物にならなかったが、ここが改善されて、ウェルビー栄の森のサウナみたいになってくれたら、最高だな。



実は任天堂switchをついに買ってしまった。PS2以来のゲーム機購入。

『マリオオデッセイ』と『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』をチマチマと進めているのだけど、あまりにおもしろすぎて、気が付いたら数時間たってしまうので、自省しながらプレイしています。ゲームが下手過ぎて、猪を狩るのに1時間くらいかかったんですけど。というか、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』難しくないですか。どちらもゲームの自由度が桁違いで一生クリアできる気がしません。