青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

ドラマ25『サ道』

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ディープリラックスと美しき世界への圧倒的感謝。タナカカツキによる決定的バイブル『サ道』にて言語化されたサウナの気持ち良さが、端的に映像化されていた。

サ道

サ道

「ととのったぁ」の発話もジャストだ。サウナと水風呂を繰り返すことによる精神の昇天は、決してハイなテンションで語られるものではない。じんわりと、でも確実に、世界と自分との境界が正しい位置に導かれていくあの感覚。それは穏やかな心持ちで発されるのです。タナカカツキによるCG描写のサイケデリック度合いは地上波向けにチューニングされていて、やや控え目。回を重ねるごとにタガを外れていくのを期待します。実在する名店でロケーションし、受付からロッカーでの着替えの描写も描き、サウナの温度・湿度、水風呂の水温などもきっちりデータとして示すなど、かゆいところも手が届く作り。これからサウナで気持ちよくなりたい方への入門としてまさにピッタリの作品だ。

サウナという場がもたらす男の裸というヴィジュアルから、“親父の背中”という主題へのスライドも見事だ。サウナで出会った見知らぬ中年(宅麻伸)と死んだ父親の背中が混濁し、時空を超えて“父”からサウナを教わっていく主人公。ようは『孤独のグルメ』のサウナ版だろう、という予想を超えて、ここにはきちんと物語がある。

主演の原田泰造ネプチューン)の小市民然とした佇まいがとても良い。往年よりも脂の抜けたルックスがむやみに美しい。クリーンな印象の衣装やピッタリ揃った長めの前髪も良い。あの前髪が浴場で乱れていくのも、このドラマの見どころだ。抑え目のナレーションのトーンも心地よい。「曲がったーことが大嫌いー、はーらーだたいぞうです!」というあの往年のギャグのテンションを思い出そう。そして、このドラマでの原田泰造を目にすれば、サウナに入ることでの精神の安定というのを、スッと感じることができるのではないだろうか。

最近のこと(2019/04/01〜)


10連休ですね。もちろんうれしいのだけども、この"変わっていってしまう"感覚に精神が疲弊してしまっている。Robag WruhmeというドイツのテクノDJの「Venq Tolep」という曲の美しさに心を慰められています。平成から令和のまたぎのお祭り騒ぎにも、なんだかすごく寂しくなってしまった(SMAPもいないし)。令和になる瞬間は、テレビで爆笑問題太田光の「れいわー」という叫び声を聞いた。実にバカバカしくて、どうでもいい感傷を無化してくれました。どうせなら平成について振り返ろうと思ったけども、膨大過ぎるというか、それはもうほとんど「わたしのすべて」であるということに気づいた。それでもノスタルジックな気持ちで、ポップカルチャー原体験を掘り返してみると、バーコードバトラーⅡとミニ四駆について辿り着いた。



とくにビークスパイダーを愛機として、むちゃんこ肉抜きして、軽量化していた。肉抜きという単語、ミニ四駆でしか使ったことないけども、機械に対して肉という表現をする違和感、ちゃんと飲み込めていたなぁ。トルクチューン派だったかレブチューン派だったかで今一度論争したいものです。さらに記憶を遡ると『仮面ライダーBLACK』(1987)と『仮面ライダーBLACK RX』(1988)があって、私の最初のヒーローはシャドームーンだ。しかし、今なお強烈に記憶の片隅に残っているのは『特捜ロボ ジャンパーソン』(1993)なのです。

どうしても動画が見つからなかったのだけども、本当にジャンパーを着ていて、それを脱ぎ捨ててから戦闘モードに入るのですよ。それがたまらなくおかしくて好きでした。すっかりブルゾンという言葉にとって変わられたジャンパー。死語として消え去ってしまいそうなところを電気グルーヴが「かっこいいジャンパー」という曲で、永久保存してくれたのだ。私はジャンパーという響きが気に入っている。




私立恵比寿中学の「スウィーテスト・多忙」という曲とMVがとにかく好きで、ずっと聞いています。佐藤優介(カメラ=万年筆)の編曲がばっちり。夕方に流れていたアニメを思い出します。西寺郷太NONA REEVES)のリリックも最高で、Sade「The Sweetest Taboo」の響きを下敷きにするというセンスに腰を抜かしました。こちらは『でかどんでん』というシングル盤のカップリング曲。もう1曲のCP「熟女になってもfeat. SUSHIBOYS」もとても良いのですが(みれいちゃんのフロウ)、どちらも3月にリリースされたニューアルバムに収録されていませんでした。

MUSiC

MUSiC

前作『エビクラシー』の超絶的な良さと比べるのは難ですが、「明日もきっと70点 feat.東雲めぐ」「踊るロクデナシ」「曇天」の序盤3曲が狂おしいほど好き。特に吉澤嘉代子がペンを揮った「曇天」はメンバーの歌唱表現力も相まって聞くといつも泣いてしまいます。必聴です。
Ghosts

Ghosts

Steve Haines And The Third Floor Orchestra

Steve Haines And The Third Floor Orchestra

scrambled eggs (スクランブルエッグ)

scrambled eggs (スクランブルエッグ)

ナイトレイン

ナイトレイン

鳥の歌~ホワイトハウス・コンサート

鳥の歌~ホワイトハウス・コンサート

The Songs Of Mann & Weil [Import]

The Songs Of Mann & Weil [Import]

Ennismore

Ennismore

この春はここらへんを愛聴していました。あと、よく聞いているのは今更ながら購入した小西康陽の作品集『素晴らしいアイデア』です。いい買い物でした、新しい地図の「72」が収録されていないのだけが口惜しい。吉村由美「V・A・C・A・T・I・O・N」、深田恭子「キミノヒトミニコイシテル」、小倉優子「オンナのコ オトコのコ」は青春時代、盤で所有するほどにやられていた。今回の作品集での再発見は三浦理恵子「日曜日はダメよ」や和田アキ子「生きる」も捨て難いが、ベストは松本伊代「有給休暇」だ。歌詞もアレンジも素晴らしいが、「良いボーカルとはこういうことだ」と思える伊代ちゃんの歌声。とてもひさしぶりにライブハウスにも足を運びました。RYUTistとayU tokiOのツーマンライブ。2組ともにこの国のポップソングの希望に満ちていた。ayU tokiOはストリングス編成で贅沢なライブでした。RYUTistにもすっかりはまってしまい、音源を聞き漁っている。ポップソング愛好家の方で未聴の方がいたら、ぜひとも「心配性」「素敵にあこがれて」「無重力ファンタジア」の3曲(全部カップリング曲)だけでもチェックして欲しい。

難しいボーカルワークを一生懸命こなしているし、みんないい子そうで好感が持てました。ちなみにわたしはともちぃ推しです。



4月から長野県、山梨県富山県、石川県、新潟県福島県宮城県山形県を駆け巡っています。山、海、川、湖・・・とにかく車窓からの風景が新鮮で、刺激を受けている。特に長野県の4月の気候は素晴らしく、すっかり気に入ってしまった。富山も好き。高岡市では藤子不二雄の聖地。古城公園や高岡大仏を拝み、「ワイの恋人はマンガや」と涙しました。ご当地サウナは、富山の「スパアルプス」と仙台の「キュア国分町」に入りました。旅の疲れを癒すにはやっぱりサウナです。「スパアルプス」の水の良さは、「しぎじ」くらい持て囃されてもいいと思う。出張先のホテルでは寂しさからか、テレビをつけっぱなしにして、普段は観ない番組をたくさん観てしまうものです。ちなみにテレビをつけていて放送していると1番うれしいのは『マツコの知らない世界』です。家で録画してまでは観ないのだけど、ビジネスホテルで観るのにちょうどいいんだよなぁ。そして、自分でも1番謎なのは堺正章が司会の『THEカラオケ☆バトル』をつい最後まで観てしまうことです。全然おもしろくないんだけども。ホテルで『モニタリング』を観ていたら、突然「春日俊彰プロポーズ大作戦」なるスペシャルが始まり、仕事そっちのけで3時間夢中で観た。若林さんもラジオで言ってましたが、あのピアノ演奏のつたなさが良かったですよね。これでもかというほどに泣きはらしてしまった。

サトミツ大活躍やクミさん役を再現VTRの女王こと芳野友美が演じているのも良かったです。『セブンルール』で観て、すっかりファンになってしまったのだ。春日結婚を受けての『オードリーのオールナイトニッポン』が神回続きで痺れている。スペシャルウィークでのかわいくて頭がいい弘中綾香さんも素敵でした。あんな娘に翻弄されたら、さぞかし楽しいのだろう。この世に蔓延る"生き辛さ"と戦うために「革命家になりたい」というパワーワード

愛するということ 新訳版

愛するということ 新訳版

弘中ちゃんが若林さんにプレゼントしていたエーリヒ・フロム『愛するということ』は私も愛読しています。フロムは『自由からの逃走』もオススメ。ラジオと言えば、『霜降り明星オールナイトニッポンZERO』『佐久間宣行のオールナイトニッポンZERO』『チョコレートナナナナイト!』もローテーションに加わりました。酒井健太さんと"やばたん"の絡み好きです。先週の『アルコ&ピース D.C.GARAGE』でのSOPHIA「街」いじりに転げるほど笑ってしまった。でも、やっぱり「黒いブーツ~oh my friend~」ですよね。はっきし言って最強。




ここ最近の出来事。4月の終わり頃に、ロロ三浦直之、EMCの面々と中野坂上デニーズで食事会をした。カレーと抹茶パフェを食べました。三浦くんの作品を観続けてきて、10年近い年月が経っていて、それなりに面識はあったのだけども、腰を据えて話すのは初めてのことでした。積もる話はあまりにもありすぎて、とても一晩では足りなかった。「すごいよかったです!!」と話しかけたいところを観劇後に三浦くんを見つめる行為で代替していたことがあって、そのことに三浦くんが気づいていてくれていた。わたしたちは"まなざし"で交感していたのだ。サンタ・マリア・ノヴェッラのポプリの香りにすっかりハマってしまい、営業車にも置くことにした。同乗する会社の人達は「何、このいい匂い!?」と腰抜かしてます。その度に私は言うのね、「サンタ・マリア・ノヴェッラだよ」と。なんだかイキっていて、めちゃくちゃダサいですね。香りブームが続いていて、お茶にもハマりたいなと思っています。手始めに、「一保堂茶舗」の極上ほうじ茶をゴクゴク飲んでいます。

一保堂茶舗 極上ほうじ茶200g袋

一保堂茶舗 極上ほうじ茶200g袋

次は夏に向けて、麦茶のちょっといいやつを飲んでみたいと思います。前回も書いたときわ台の「珈夢居」という喫茶店の虜になってしまい足繁く通っている。どの珈琲も抜群に美味しい。ここは甘い珈琲も美味しいので、ロイヤルブレンドをブラックで1杯飲んだ後、追加でウインナー珈琲も頼んでしまう。クリームと珈琲の甘味のマリアージュは脳に響きます。ウインナー珈琲はアイスでも旨い。ぜひとも足を運んで頂きたい名店だ。新しいミニベロを購入してから、休みの日は都内を走り回っている。個人的に第3自転車ブームです。カレー屋かサウナを目的地に定め、途中に気になるお店(おもに古本屋)があったら入って、たくさん寄り道をするのだ。最近は水道橋「桃の実」、幡ヶ谷「うみねこカレー」、下北沢「YOUNG」、豊島園「食堂 八」、要町「かえる食堂」などでカレーを食べました。GWは仲良くしてもらっているミワちゃんとサイクリングもした。リトルトゥースとしてここ最近の放送を聞いたからには「エミール」でシュークリームを食べようじゃないか、と所沢を目指した。西武池袋線沿線は石神井公園あたりからグッと緑が増える。「ほらほら、ここがきっとスネ夫の家のモデルだよ」など適当なことを喋りながらペダルを漕ぐ。大泉学園、東久留米、清瀬、秋津あたりのなんとも言えないNHKジュブナイル感が好きだ。『ストレンジャー・シングス』の日本版のような自転車に乗る少年たちのジュブナイルを撮るなら間違いなくあのあたりがいいと思う。「エミール」のシュークリームは現代的でありながらも優しい味がするハイブリッドなお菓子でした。シュークリームを頬張りながら航空公園へ向かう男の子2人組を見かけたけども、彼らも間違いなくリトルトゥースなんだろう。連休も折り返してしまった本日は『アベンジャーズ/エンドゲーム』を神聖な気持ちで観賞した。最初から終わりまでほとんどの時間、頬に涙がつたっていた。ありがとう、アベンジャーズ。みんなのことがだいすきだよ。この10年は彼らと共にありました。ちなみに3時間20分という上映時間に震え上がったものの、前日からカフェインを控え、水分補給も極力まで絞ることで尿意に打ち勝つことができました。



最近の読書記録。

藤富保男詩集 (現代詩文庫)

藤富保男詩集 (現代詩文庫)

E・ケストナーの人生処方箋 (1985年)

E・ケストナーの人生処方箋 (1985年)

カッレくんの冒険 (岩波少年文庫)

カッレくんの冒険 (岩波少年文庫)

空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

学校と先生

学校と先生

天国大魔境(2) (アフタヌーンKC)

天国大魔境(2) (アフタヌーンKC)

オススメしてもらった斉藤倫『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』(挿絵は高野文子)はあまりの素晴らしさにもう3回は読み直している。笹井宏之の『えーえんとくちから』を監修したのも斉藤倫であったようだ。『えーえんとくちから』と堂園昌彦『やがて秋茄子へと至る』の2冊もずっと枕元に置いていて、短歌や詩の世界の虜になっている。言葉にできないことを言葉にしていく態度にすっかり憧れているのだ。藤富保男の詩集も何が何やらわからないままに、魅せられている。橋本治の『桃尻娘シリーズ』と北村薫の『円紫さんとわたし』シリーズを交互に読み進めていて、こんな贅沢なことってあるだろうか。ちなみにどちらもカバー絵は高野文子が書いている。安心の高野文子ブランド。

ニンゲン観察バラエティ モニタリング『オードリー・春日俊彰のプロポーズ大作戦』

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クミさん。
今までたくさんの手紙をもらってきたけど、今日はじめて手紙を書きます。


昨日、家にある数々の手紙を読みかえしてみました。春日の誕生日、バレンタイン、クリスマス、一ヶ月記念、一年記念、春日が入院したとき、M-1の日。そのどれもが春日に対する気持ちであふれ、体のことを心配してくれ、最後は必ず「また、来年も同じように祝いたい」で終わっていました。


すべての手紙に2人の将来に対してのたくさんの期待が詰まっていました。しかし年々、手紙の数は減っていき、最後の手紙は5年前のことでした。手紙に変わって「結婚のことはどう考えてるの?」というメールになりました。


不安にさせて、悲しくさせて、つらい思いをさせて、ごめんなさい。結婚している友達が多くいる集まりで話に入っていけず、台所で料理をさせるふりをさせてごめんなさい。結婚で何かが変わってしまうのが、怖かったんです。クミさんのことより、自分のことしか考えてこなかったんです。 好きな人の一生を幸せにする覚悟が生まれるのに10年もかかってしまいました。


長い間、待たせてごめんね。これからも携帯をいじって、ハイボールを飲んで、寝るだけかもしれないけれど、焼き肉は絶対食べ放題かもしれないけど、誕生日プレゼントは中古かもしれないけど、ただ温泉に行くとき、たまには特急に乗りましょうか。


この先の普通の日を、一緒に、普通に過ごしたいです。

手紙の中で、2人のラブストーリーが、10年というずっしりと重い大きな時の流れが、「彼女の部屋で携帯をいじりながらハイボールを飲んで、眠りこける」という、とても"小さな"時間に解体されていく。これまで無数に繰り返されてきたそのささやかな時間こそが、何よりもいとおしいものであると、春日は確信しているのだ。食べ放題の焼き肉屋に行くこと、誕生日プレゼントに中古の家電をプレゼントしたこと・・・テレビドラマにはなりえない些細な事象かもしれないが、これらのシーンには、生きていることの喜びや切なさに満ちている。

この先の普通の日を、一緒に、普通に過ごしたいです。

まさに名文である。これを春日が言うから、また良いのだ。常識外れの超人の役割を全うしているオードリー春日が放つからこそ、"普通"という言葉は、何よりも尊く、かけがえのない音として、世界に響いた。いや、逆説的に言えば、カメラの前で超人の仮面をかぶり続けている春日だからこそ、わたしたちが見落としがちな日常のささやかな喜びを見つめ、すくいあげることができたのかもしれない。その前の「たまには特急に乗りましょうか」というラインから、同じ乗り物にって人生を進んで行くという決意のようなものが、鮮やかな直線の運動で浮かび上がってくるところも素敵だ。


手紙の素晴らしさを噛み締めている内に、『フライデー』によって春日の浮気が報道されてしまった。しかし、報道を受けての『オードリーのオールナイトニッポン』での若林による春日の落ち込みようの描写が素晴らしかった。ロケ撮影中も反省からか終始ローテーションを保っていながらも、蔵からキン骨マンとイワオのキンケシが出てきたときばかりは、テンションが上がっていたというくだりには、「坂元裕二のテレビドラマが描いていたのは、人間のこういう側面だよな」と心の中で独りごちた。人間ってみっともなくて、だからこそ愛おしい。

最近のこと(2019/03/01〜)

ここ最近のミューズは日向坂46なのです。メジャーデビューシングルの表題曲「キュン」がとてもかわいい曲でうれしい。今1番楽しみにしているテレビ番組は『ひらがな推し』で、3/17放送の「ヒット祈願駅伝」の"かとし"と"ひなのなの"の走りとお喋りにサトミツよろしく「ごめんねぇ」と涙しました。若林さんのおたけへの愛に嫉妬するかとしが大好物なので、もっと観たいものです。

オードリー史から眺める『ひらがな推し』について『EX大衆』にコラムを寄稿しました。良かったらお目通しくださいませ。本当におもしろいバラエティ番組だと思います。『EX大衆』のスタッフインタビューによりますと、『内村プロデュース』出身のディレクターが制作しているらしい。ミューズと言えば、長濱ねるさんの欅坂46卒業は、覚悟はしていたもののショックだ。ボーカリストとしての彼女にも心酔していてソロ曲「100年待てば」は私の中で永遠のクラシック。ユニット曲「バスルームトラベル」と「音楽室に片想い」は2018年、愛聴しておりました。職場の新入社員に「好きな女性芸能人とかいるんですか?」と言われて、「長濱ねる」と答えたら、「えっ、知ってるんですね・・・」と若干引かれた感じがあったので、これからは有村架純と答えようと思います。長濱ねるさんのへの鎮魂歌として、このエントリーを捧げます。

日向坂46、長濱ねる以外の最近のミューズは弘中綾香石田ゆり子で、インスタもこの2人の投稿のために登録しています。オードリー若林と弘中綾香の関係性が、SEKAI NO OWARIFukaseSaoriくらいエッチだと思います。石田ゆり子さんに憧れて、彼女が10年以上愛用しているというサンタ・マリア・ノヴェッラのポプリを購入してしまった。イタリアはフィレンツェ発祥の世界最古の薬局が作るポプリ。甘すぎずスパイシーで複雑な香りが素敵です。わざわざ東京駅の新丸ビルに入っている直営店まで匂いを嗅ぎにいったのですが、魔法使いの薬局とでも言うような店構えに圧倒されてしまい、それなりの値段なのに即決してしまいました。かねてから部屋を「タイムズスパレスタ」みたいな匂いにしたいと思っていたので、大満足です。帰宅してドアを開けた時が1番うれしいです。詰め替え用をお皿に入れて家の何ヶ所かに置いておくのが流儀だそうで、リビングと玄関と寝室に設置しました。3ヶ月くらい香りが持つそうですが、サンタ・マリア・ノヴェッラのポプリをリピートで買い足し続けられるくらいはお金を稼いでいきたいものですね。石田ゆり子さんが表紙の『&Premium』4月号にTVドラマの台詞について寄稿しています。野木亜紀子木皿泉坂元裕二の3人の脚本家の言葉について書かせて頂きました。非常に読み応えのある「言葉の力」特集でしたので、こちらもぜひ。あと、私立恵比寿中学にハマり直しています。
エビクラシー

エビクラシー

2018年は『エビクラシー』(大名盤)を本当にヘビーローテーションしました。ファミえんのライブ盤もよく聞いた。メンバー全員の喉の強さと声質の良さにほれぼれしてしまう。楽曲も強度があるものばかりだ。小林歌穂さんの歌声が心から好きです。あと、成長著しい安本さんは眩し過ぎて、観ていると「ごめんねぇ」と泣いてしまう。今年はひさしぶりにライブに行ってみたいです。最後に観たのは、調べてみたら7年前でした。ひょえー。



ひさしぶりの「最近のこと」の更新だというのに、永遠に女の子の話を続けてしまいそうである。そう「最近のこと」がすっかり消滅していました。心がとにかく忙しかったのです。しかし、私の日常はあいもかわらず続いていて、カレーを食べたり、サウナで蒸されたり、本を読んだり、ラジオを聞いたり、ヤクルトスワローズの試合を観たり、くしゃみをしたり、泣いたり、笑ったりしています。昨年の4月から入社10年目にして内勤から営業へ異動。辞めちゃうんじゃないかな、と自分で自分を心配していましたが、なんとか1年間勤め上げましたのでご報告です。来年度からは長野、山梨、新潟、富山、山形、宮城あたりを回ることになりました。各地の耳寄り情報、お待ちしております。もう心は完全に営業マンで、どれくらい染まっているかというと、ここ最近の関心は来週の送別会で最低2曲は歌わなければならないであろう3次会のカラオケの選曲だったりするのだ。「かっこいいジャンパー」と「あすなろサンシャイン」で決まりだね!かっこいい、まだ誰も着てないジャンパー、かっこいいことする時のためのジャンパー。



営業車を走らせながら聞く、ラジオと落語が何よりの心の慰め。『伊集院光 深夜の馬鹿力』『アルコ&ピース D.C.GARAGE』『爆笑問題カーボーイ』『うしろシティ 星のギガボディ』『ハライチのターン』『おぎやはぎのメガネびいき』『空気階段の踊り場』『三四郎オールナイトニッポンZERO』『オードリーのオールナイトニッポン』『山下達郎のサンデー・ソングブック』『神田松之丞 問わず語りの松之丞』(曜日順)は必ず聞くようにしています。『オードリーのオールナイトニッポン10周年全国ツアー』は抽選に外れに外れて、結局ライブビューイングで観たのですが、本当に素晴らしくて、目がずっとハートでした。




Gallipoli [輸入盤CD] (4AD0121CD)

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Tomb

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A SEAT AT THE TABLE

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thank u, next [Explicit]

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HOCHONO HOUSE<CD>

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がんばれ!メロディー

がんばれ!メロディー

今年はこの6枚のアルバムがとにかく良くて、ずっと聞いています。Spotifyを解禁してしまい、CDを買う機会が激減してしまったのですが、柴田聡子の『がんばれ!メロディー』は買いました。「涙」という曲はもう全部のことを歌おうとしているのじゃないかと思ってしまうほどに凄い。

岡田拓郎のギターの音色も素晴らしい。あと、「ラッキーカラー」を聞くといつも泣いてしまう。

急に離れることのできないふたりのために 
毎日少しずつ広がる岸辺と岸辺に住み
いつか橋をつくろう

という歌詞がもう。ちなみ2018年のベストはダントツでayU tokiO『遊撃手』です。

遊撃手

遊撃手

このアルバムに何度も慰められたり、励まされたり、ワクワクしたりしました。

「あさがお」は2018年1番聞いた楽曲です。CDだけではなく、とても大きなアナログ盤やかわいいカセットも買いました。去年買って、楽しい気持ちになったアルバムは『遊撃手』だけなのでした。その他のベストソングはアリアナ・グランデ「thank u, next」、RYUCHELL「LINK」、乃木坂46「地球が丸いなら」にしておきます。



「thank u, next」は2019年もベストソングに君臨。りゅうちぇるの曲は前山田健一によるシンセとリズムマシーンの音色がノスタルジックで泣きます。歌詞も良いです。「地球が丸いなら」は沖田修一が手掛けたMVが最高に好き。3分過ぎからセオリーを無視して、カメラに視線を送りながら歌い出す瞬間に毎回ノックアウトされます。大園桃子さんの歌声も素晴らしい。



2019年の目標は友達を作る、ということで、さっそく前から会いたいと思っていたフォロワーさんにダイレクトメッセージを送ってみた。はてな『記録』というブログを書いているmiwaさんという24歳のボーイ。

渋谷の「エリックサウスマサラダイナー」でビリヤニを食べて、デニーズで5時間くらいお話ししました。話すことはいくらでもあるような気持ちになりました。待ち合わせはとても緊張して吐きそうでしたが、会ってみてよかったなと思ったので、人見知りしてないで、色んな人に会っていきたいと思います。そうですよね!?星野源さん。



休日はあまり遠くに出かけなくなってしまい、近所の銭湯でサウナに入って、散歩をして喫茶店に入って本を読むのが1番の幸せ。喫茶店がなければ、コメダ珈琲でもミスタードーナッツでも良いのです。先週の日曜日は銭湯で朝風呂、朝サウナ。サウナ利用者は他に誰もおらず、熱々の蒸気と鮮度の高い水を独り占めできた。銭湯を出たら昼の時間になっていたので、中華屋で焼きそばを食べた。花粉が気になったけどもいい天気だったので、自転車で街をブラつく。自転車をそろそろ買いかえたい。しっかり花粉に襲われたので、ときわ台という駅から少し離れた場所にある「珈夢居」という喫茶店でひと休みする。レトロな佇まいが前からずっと気になっていた喫茶店なのだ。3月に入って山川直人の漫画をすべて読み直していたので、勇気を出して入ってみた。さぞ気難しい店主がいるのだろうと恐れていたのだけども、とても物腰の柔らかいマスターでピンク色のシャツがかわいかった。マスターが書いたものかはわらかないが、メニューに書かれた珈琲の説明文がとても素敵であった。たとえばアイスドコーヒーは

通称アイス珈琲は、灼熱の国アルジェリア生れ、
ほどよい苦味と香りを活かした独特の淹れ方で、
珈琲の粉をたっぷり使った冷たい飲みもの。
フレッシュクリームをたっぷり入れてそのままお飲み物ください。

ときたもの。なんでことない言葉の端々にセンスを感じる。1杯目はロイヤルブレンド(絶品)にしたのだけど、思わずアイスドコーヒーも追加で注文、こちらも美味しい。珈琲の種類が豊富で、モーニングもやっているし、豆の販売もしている。いいお店をずいぶん見逃していたものだ。あまりに居心地が良く、セバスチアン・ジャプリゾの『シンデレラの罠』という傑作ミステリーの新訳を一気に読んでしまった。最後に、ここ最近読んでひどく感動した本たちをシェアしておきますね。

帰って来た桃尻娘 (講談社文庫)

帰って来た桃尻娘 (講談社文庫)

回復まで

回復まで

万象の訪れ《わが思索》

万象の訪れ《わが思索》

逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)

逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)

新訳 チェーホフ短篇集

新訳 チェーホフ短篇集

いとしこいし 漫才の世界

いとしこいし 漫才の世界

やがて秋茄子へと到る

やがて秋茄子へと到る

えーえんとくちから (ちくま文庫)

えーえんとくちから (ちくま文庫)

私に付け足されるもの (文芸書)

私に付け足されるもの (文芸書)

グヤバノ・ホリデー

グヤバノ・ホリデー

杉浦茂マンガ館 (第2巻)

杉浦茂マンガ館 (第2巻)

我らコンタクティ (アフタヌーンコミックス)

我らコンタクティ (アフタヌーンコミックス)

おとうさんとぼく (岩波少年文庫)

おとうさんとぼく (岩波少年文庫)

土曜日はお楽しみ (岩波少年文庫)

土曜日はお楽しみ (岩波少年文庫)

ぼくと「ジョージ」 (岩波少年文庫)

ぼくと「ジョージ」 (岩波少年文庫)

おとうさんがいっぱい (新・名作の愛蔵版)

おとうさんがいっぱい (新・名作の愛蔵版)

チョコレート戦争 (新・名作の愛蔵版)

チョコレート戦争 (新・名作の愛蔵版)

あとは向田邦子全集と夏目漱石全集(古本屋でまとめて買っためちゃくちゃ分厚くて重たいやつ)を寝る前にチビチビ読んでいます。本当はオススメした本が1年間分溜まっているのですが、グッと堪えようと思います。



ブログで日々のことを定期的に書き記しておくと、「なんてことない毎日でも色々考えながら生きているんだな」と実感できたところがよかった。わたしたちは思考する生き物なのです。また復活させたいとは思っているのですが・・・仕事でのできごごならいくらでも書きたいことはあるのだけども、そうはいかないのが悩みどころ。とにかくコツコツと立て直していきたいと思っています。

『R-1グランプリ2019』岡野陽一のイノセンス

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2019年の『R-1グランプリ』の興奮もすっかり覚めやった中*1、敗者復活から勝ち上がった岡野陽一(元・巨匠)が披露した1本のコントが頭にこびりついて離れない。それは「鶏肉をもう一度大空に飛ばしてやりたいんだ」という奇天烈な内容で、当然のように客席からはこの日1番の悲鳴が上がった。『水曜日のダウンタウン』がかもめんたる野生爆弾くっきーを擁して「悲鳴-1グランプリ」を開催し、お笑いコンテストにおける観客の悲鳴を揶揄してみせたのには思わず快哉の声を上げてしまったものだが、岡野のコントへの"悲鳴"という反応はどこか正しいようにも感じた。何故ならあのコントには、わたしたちが目を背けているうしろめたさや違和感のようなものがゴロリと横たわっているからだ。わたしたちが当たり前のように口にする鶏肉は、かつて空を飛ぶ鳥だったという事実*2。「このチキンソテーって殺される前は空を飛んでいたんだよな・・・」そんなことをレストランで口にする人間は、たちまちこの社会から阻害されてしまうだろう。わたしたちの食事に殺戮が介入していることは、皆が頭の片隅ではわかってはいるけど、口にはしない。それがこの社会の暗黙のルールなのだ。しかし、岡野が演じるおじさんは濁った目で言う。

かわいそうだろ
人間のエゴでよ

決めたんだよ、俺は
鳥側につくよ

こんなに風船つけても飛ばないんだぞ
命って重いよな

海に刺身を返しにいくんだ

このすべての生命への隔たりのない愛は何なのだ*3。人間の社会性に囚われずに、「俺は鳥側につくよ」と言い切れるその発想は、サイコパスと言うよりも天使的イノセンスと評したい。ヴィム・ヴェンダースは天使をサラリーマン風のおじさんとして描いたが(R.I.P. ブルーノ・ガンツ)、岡野は朝からパチンコ屋に並んでいそうなおじさんを天使に仕立てあげた。ときに、「子どもにやたらと話しかけるおじさん」というモチーフを岡野は巨匠時代から好んで取り上げてきたが、もはやそんなおじさんも絶滅危惧種である。大人が子どもに話しかければ通報されない世の中だ。岡野はいつも、消え去りそうな小さな者の側に立つ。



また岡野という芸人の優れたバランス感覚が随所に見受けられるコントだ。たとえば、悲鳴が上がる内容を、ピクサーの『カールじいさんの空飛ぶ家』的なマジカルさで包み込んでみせる手腕。また、空に浮かすために少しでも軽くしようと皮を引きちぎり、「明日だな、これは」とポケットにしまうおじさんは一体何なのだ。もはや鶏を空に返すのでなく、"空に飛ばす"という行為そのものに執着している、そんな狂気を添えることで、文学や詩の領域にある愛のコントを台無しにしてみせるのである。ちなみに審査員の投票結果は友近の1票のみ。コメントでも軒並み審査員からスルーされるなか、「私はどうでしたか?」と無理矢理カットインしてきた岡野が愛おしくてたまらなかったのであります。



関連エントリー
hiko1985.hatenablog.com

*1:個人的にはマツモトクラブ、ルシファー吉岡、おいでやす小田のコントが素敵に感じましたが、粗品も松本リンスもセルライトスパ大須賀もおもしろかったです

*2:ちなみに、ニワトリは空を飛ばないだろ、というツッコミは野暮天。そもそもニワトリの祖先から飛行能力を削ぎ落とすように品種改良していったのも人間だ

*3:最も近いのは梅図かずお作品ではないだろうか