沖田修一『横道世之介』

オープニングのCGで再現された80年代の新宿駅を俯瞰で見下ろすショットから、何となく”天使”のようなものの存在を画面に感じる。次にカメラは駅の出入口に固定され、そこから街に行き交う無数の人々を捉える。その中に1人、とりわけフラフラとせわしなく動く男がいる。それが高良健吾演じる、この映画の主人公であり、飄々…