青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

最近のこと(2017/11/27~)

月半ばに体調を崩してしまい、11月はほとんどブログを更新できなかった。ブログを開始してかれこれ7年ほど経つのですが(驚)、ここまで書かなかったのは初めての経験で、ちょっと焦ってしまった。どう書けばいいのか、わからなくなるのだ。文章というものは、継続していないと、気力的にも技術的にもすぐに書けなくなっていく、そう実感した次第です。せっかくなので、病気の話でも書き記しておこう。最初は腹筋が痛む・・・という感じだったのだけども、翌日から右脇腹から背中にかけての強烈な違和感と駆け巡るような悪寒が止まらなくなる。しばらく放っておいたのだが、1週間経っても収まらないので、とりあえずネットで検索。なんでも、風邪以外での悪寒はやばいらしく、内臓の難病ばかりがヒットする。しかも、右側の内臓は違和感を覚えるころにはもう手遅れらしい。万が一だとは思いつつも、やはり最悪の想定というものはせずにはいられない。「めちゃめちゃ大事」という空耳が聞こえる。早く病院に行って、異変の真相を明らかにしたいけども、明らかになる事実を受け取るのも辛い、というジレンマに苛まれ、結局病院に足を運ぶのは土曜日になってしまった。そもそも平日に病院に行くのは難しい。内科で診察を受けると、すぐさま皮膚科に回され、診断結果は帯状疱疹でした。「あぁ、よかった」と思うのも束の間、帯状疱疹もなかなか辛いのだ。診断されるや違和感は確かな痛みに変わり、疱疹も発生。衣類が擦れるだけで痛い。1週間で7000円というやたら高値な抗ウィルス剤を処方されるも、飲み始めるのが遅かったのかなかなか効かず。結局、そこから1週間以上、神経痛と悪寒に悩まされました。原因はストレスや過労。心当たりがあるようなないような感じで、とにかく安静にしているしかないらしい。炬燵に入りながら、ひたすら本を読み、テレビを観て、ラジオを聞いて、シュウマイ食べて、ゲームをしていた。こう書くと、夢のような生活だが、いざやってみると意外と楽しくない。大好きなはずの行為が、すべて堕落と結びついてしまう。結局のところ、生活というのはメリハリがめちゃめちゃ大事なのだ。


坂元裕二の新作ドラマ『anone』が1月から始まるとのうれしい報が。広瀬すず主演で日テレ制作、『Mother』『Woman』に続く、田中裕子3部作であるらしい。現在までに発表されている脇を固める役者は、小林聡美瑛太阿部サダヲ・・・と坂元組と是枝組が混ざり合ったようなキャスティングだ。YOUにもぜひ出演して欲しい。「脚本:坂元裕二 演出:是枝裕和」という連続テレビドラマが放送される日を夢見よう。来るべき1月に向けて、坂元裕二の過去のアーカイブスを観直し中。病床に伏していたので、とにかくたくさん観た。『東京ラブストーリー』『ラストクリスマス』『Mother』『それでも、生きてゆく』『Woman』 『最高の離婚 Special 2014』・・・時間には余裕があったので『西遊記』『トップキャスター』あたりの作品も久しぶりに目を通しているのですが、やっぱり同じ人が書いている感じがしない。

西遊記DVD-BOX

西遊記DVD-BOX

トップキャスター DVD-BOX

トップキャスター DVD-BOX

過去のインタビューに目を通してみると、時代の流れに迎合して、視聴者にわかりやすいドラマを書いていこうと意識をチェンジしていた時期の作品であるらしい。事実、この2作は視聴率がかなり良い。この頃の作品をアメリカンタイプのドラマとして、それ以前のトレンディドラマや『Mother』以降の作品を”落語”のようなドラマとしているのが、興味深かった。


映画も少しだけ観た。『ブレードランナー ファイナルカット』と『マイティ―・ソー』『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』をhuluで鑑賞。しかし、『ブレードランナー2049』も『マイティ・ソー バトルロイヤル』もまだ観られていない。なんでも、ロキさんが大活躍しているらしいではないか。『ハリーポッター』シリーズのセブルス・スネイプ先生(アラン・リックマン)が亡き今、ロキたんだけが我々の希望だ。ときに、クリス・ヘムズワースは改めて超セクシーである。次のアベンジャーズは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の面々も合流するらしいが、クリス・ヘムズワースクリス・プラットが同じ画面に収まったら、なんかもう大変なことになってしまいそう。余談ですが、何週か前の『ドキュメント72時間』のシェアハウス回(傑作)に登場した、各地の映画館で『ブレードランナー ファイナルカット』を観て回っているお姉さんがとても素敵だった。「何やってるんでしょうね」と自嘲的に笑いながらも、そこには誇り高きものが漂っていた。ときに、近所のTSUTAYAが年内で閉店してしまうらしい。私自身、配信サービスを導入して以降、来店頻度はグッとどころじゃなく減ったのだけども、レンタルビデオ屋が街から無くなってしまうのはこの上なく寂しい。どうせ観やしないDVDを3本借りる恋人未満のカップルや、お泊り会の映画を選ぶテンションの上がり切った学生たち、手書きのリストを参照しながら古い名画を手にとっていく若者・・・そういう風景込みでレンタルビデオ屋というカルチャーであった。「家でNetflix、観ない?」という誘い文句はスマート過ぎて味気ないではないか。てか、そんな誘い方しているやつ本当にいるのか!?いるなら、帯状疱疹にかかり、苦しめ。



さて、体調の整った先週から振り返りたい。月曜日。来年で解散してしまうらしいチャットモンチーの音源を聞き直していた。『chatmonchy has come』がリリースされたのが大学入学の年、3rdアルバム『告白』がその4年後ということで、チャットモンチーの音楽はキャンパスライフの思い出と密接だ。特に書くようなエピソードはないのだけども。「恋の煙」のカップリングに「湯気」が、「女子たちに明日はない」に「バスロマンス」が収録されていたあたりが、バンドとして脂が乗り切っている感じで、最高にかっこよかった。

恋の煙

恋の煙

女子たちに明日はない

女子たちに明日はない

オルタナ感の強い「ヒラヒラヒラク秘密ノ扉」とかロッカバラッド「染まるよ」といったシングルも好きだし、2人編成になってからのアルバムもナイスなのだけども、やっぱりあの時期に想いを馳せてしまう。当時のカルチャー好きには、奥田民生になりたいボーイよりも、えっちゃんの彼氏になりたいボーイが溢れていた。
youtu.be
あと、Spinning Coinの1stアルバム『Permo』もよく聞いている。ネオアコだけが慰めてくれる心の痛みってのはある。
PERMO [LP] (180 GRAM, 4-PAGE LYRIC/ARTWORK INSERT) [12 inch Analog]

PERMO [LP] (180 GRAM, 4-PAGE LYRIC/ARTWORK INSERT) [12 inch Analog]

お風呂で『打撃の神髄 榎本喜八伝』を読み終える。プロ野球黎明期のレジェンド達の逸話はそれだけで楽しいが、榎本喜八のバッティング理論が、西部劇や宇宙、そして万物の創成者である神へと拡散していく出鱈目具合が最高。同時進行で描かれる、プロ選手としての全盛期を終え、下り坂に向かっていく悲哀もたまらなかった。キャサリン・ダン『異形の愛』と津原泰水「五色の舟」(『11 eleven』に収録の短編)なども、やっと読み終えた。
異形の愛

異形の愛

11 eleven

11 eleven

すべて、ロロ『父母姉僕弟君』に影響を及ぼした本ということで手にとったのだけども、とにかく素晴らしかった。あの作品の下に、こんな情景が蠢いていたのか、という意味でもロロファンにオススメ。あと、江戸川乱歩の『孤島の鬼』ファンにもぜひ。南海キャンディーズの山里さんが『孤島の鬼』をバイブルとしていたはず。



火曜日。全快を祝して、サウナへ。カプセルホテル「池袋プラザ」のサウナで気持ちよくなった。久しぶりだったので、1セット目でクラクラしてしまった。「池袋プラザ」はラブホテルや風俗店が密接しているエリアにある。外観もラブホテルに見えなくはないし、快楽に溺れていることは確かなので、何となくうしろめたい気持ちにさせられるお店である。しかし、いかにも男性専用感を漂わせながらも、女性客の利用も可能。同じ池袋の「タイムズスパ レスタ」に比べれば、とてつもなく場末感があり、くたびれてはいるが、サウナも水風呂も悪くない。いい汗がかけ、シャキっと冷える。休憩室は漫画が充実。食堂で生姜焼き定食を食べて、リクライニングシートに寝そべって、テレビで流れている音楽特番を眺めた。本当におもしろくない番組だな、と思いつつも欅坂46aikoが観られたのでよかったです。
hiko1985.hatenablog.com
2017年を代表する『夫のちんぽが入らない』が実写化とのこと。妄想キャスティングしてしまう。安藤サクラ/黒田大輔みたいなルックもありと思うのだけども、てれびのスキマさん案の門脇麦/柳楽優弥も最高。学生時代のシーンもあるので、若い役者の方がいいのか。ちんぽ役にはぜひともラブレターズ塚本直毅にお願いしたい。



水曜日。仕事後に友人と「やきとん 木々家」で飲む。『フリースタイルダンジョン』の感想戦と『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』の進捗報告。ちなみに、ゼルダはやっと四神獣を一体解放したところです。早く多様な食材をゲットして、カレーやお菓子などを作れるようになりたいものです。とにかくおもしろくて、時間が許されるなら永遠にやっていたい。気づいたら、すぐ時間が経つので、気をつけたい。絶品のハムカツとレバーをつまみに飲んだノンアルコールビールですっかりできあがったので、2時間ほどカラオケに行った。2人なのに20人くらいは入れそうなパーティールームに案内される。18人分の不在が切ない気持ちを駆り立てました。あの日クールだったMCたちはもう今じゃどこにも見当たらず、目の前にはウンコを煮詰めたような男が1人。32歳独身のウンコが原曲キーで歌う中村一義「永遠なるもの」、それはもう絶品でした。ご馳走さまです。



木曜日。本屋に行き、西村ツチカの単行本2冊と売野機子ルポルタージュ』3巻を購入。

西村ツチカ短編集 アイスバーン (ビッグコミックススペシャル)

西村ツチカ短編集 アイスバーン (ビッグコミックススペシャル)

北極百貨店のコンシェルジュさん 1 (ビッグコミックススペシャル)

北極百貨店のコンシェルジュさん 1 (ビッグコミックススペシャル)

ルポルタージュ』の3巻、本当に素晴らしいので必読です。掲載誌で打ち切りらしいけども、書下ろしで単行本は出して欲しい。漫画と言えば、この日公開されたショルダー肩美『オープンブレインコネクテッドオール』が傑作。
omocoro.jp
本物の天才である。これが伏線回収ってやつか。そして、鈴木プロデューサーのスタジオジブリ再始動宣言。

気がつくとぼくは、その絵コンテが繰り広げる世界に夢中になっていた
内容を読んで、ぼくは宮さんが引退を撤回する理由がよくわかった。『風立ちぬ』では終われない。宮さんお面目躍如は、やはり“冒険活劇ファンタジー”だった

いつもの鈴木マジックに違いないと、話半分で聞きつつも、本当ならばこんなに楽しみなことはない。『君たちはどう生きるか』というタイトルの活劇。ラスト1本とは言わずに2本、3本と観たいので、寿命を5年ほど宮崎駿に捧げたい。もしくは『ミュータントタートルズ』のシュレッダーみたいに脳みそだけで生かしたい。宮崎駿のインタビュー本なども読み漁っていて、更には宮崎駿が多大な影響を受けたというロバート・ウェストールやロアルド・ダールといった児童書作家の作品を読んでいる。

禁じられた約束 (Westall collection)

禁じられた約束 (Westall collection)

おばけ桃が行く (ロアルド・ダールコレクション 1)

おばけ桃が行く (ロアルド・ダールコレクション 1)

優れた児童書というのは読んでいるとずっと涙目になってしまうものです。『アメトーーク』の「岡山盛り上げよう芸人」がおもしろかった。千鳥と大泉洋が互いにウケを意識し合っている感じがドキドキした。大泉洋のゲラ芸は至高。あと、この的確なおもしろさの女の人誰だ、と思ったらMEGUMI(aka百合の花の咲く場所)だった。テレビ出まくっているイメージないのに、バラエティの腕が衰えていない。


金曜日。Marker StarlingのMANTLER名義のセルフカバーが最高なので、MANTLERの日本限定の編集盤を購入した。

Fortune Smiled Again

Fortune Smiled Again

あと、Father John Mistyの来日公演チケットも購入。『マスター・オブ・ゼロ』じゃ、Father John Mistyのライブチケット1枚あれば、高嶺の花の女もデートに誘えるみたいな描かれ方だったけども、日本では発売から1ヵ月以上経ってもボタン一つで簡単に買えてしまった。
youtu.be
小沢健二の新曲「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」の歌詞にぶっ飛んだ。あれがどうメロデイに乗るのか楽しみでなりません。『ミュージックステーション』で椎名林檎が「大人の掟」を英語で歌っていた。『カルテット』のロケ地巡り、したい。『ロンドンハーツ』のカズレーザー弟子入りドッキリが凄くよかった。カズ師匠のあらゆる物事の取り組み方、真摯過ぎて胸打たれる。



土曜日。妹の結婚式があった。事前に母から「本当にありきたりで平凡なゼクシィみたいな式だと思うけど、あんたつまんなそうな顔とかすんじゃないわよ」とたしなめられる。母の中では私は今でも鋭利な刃物なのだろうか。現在の私は、すべてのことに感謝してるっつーの、宇宙の力に導かれてるっつーの、と思いつつ、いざ式に行ったら、シンプルにうんざりしている自分に戦慄しました。これはまずい、泣かねばと、妹の小さい頃の映像をイメージしてヴァイブスを高めたりしていたのですけど、途中から「昨日食べたチキンカツ美味しかったニキねー」と全然関係ない思考が挿入されてしまって、そこからはもうずっと揚げ物のこと考えてしまったな。妹本人はおろか両親すら泣いてなくて、「これが”血”か」と納得しました。「おばあちゃんにも見せてあげたかったな」と亡くなった祖母を思って、少し泣いたというエピソードで私めの好感度を上げておきます。三四郎の小宮さんが「おばあちゃんが大好き過ぎて、一人暮らしできない」と言っていたの、最高。



日曜日。いつもより少し早起きして、午前中から「さやの湯処」へ。土日は混んでいて敬遠していたのだけども、昼前であれば快適に過ごせた。サウナと水風呂に関しては、平均的なスーパー銭湯なのだけども、濃い目の温泉と天井の高さが好き。その天井からいい感じに差し込む陽光に目を細めながら身体を休める幸せ。そして、「さやの湯処」とセットになっているのは「吉祥軒」である。
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雑誌に紹介されたらしく、土日は店の外まで行列ができているのだけども、並んでも食べる価値がこの店にはある。豚肉がなくなってしまったとのことで、鶏肉でニンニクの芽との炒め物を作ってもらった。そして、海老炒飯に叉焼麺。次は絶対に担々麵に挑戦したい。あと、ここは麻婆豆腐もむちゃんこ美味いのでぜひ。帰宅して、『M-1グランプリ』の敗者復活戦をテレビで。ハライチの応援に熱が入ってしまった。予選の時より断然おもしろく感じた。澤部さんはやはり最高の木偶だ。しかし、スーパーマラドーナが復活は納得。むしろ、彼らがなんで10組から漏れているのか疑問だ。天竺鼠セルライトスパもおもしろかった。西の勢いが凄くて、東は元気がない。東の最後の希望はモグライダーではないだろうか。決勝の舞台に出たら、むちゃくちゃウケるか、信じられないほどスベるかのどっちかだろう。バラエティ番組とかで正体(おもしろさ)がバレ切る前に決勝出て欲しい。ところで、ペプシコーラの桃太郎のCMの新作、怖くないですか? 戦時中の戦意高揚を促す宣伝のようで、おぞましい。私の中のCMスター小栗旬にあんなものをやらせないで欲しい。もはや戦争前夜でもないのか。『M-1グランプリ』決勝でも、戦争やら北朝鮮ネタやらが3つ、4つあって、「穏やかじゃないねぇ」となった。そんな中、「こんな戦争は嫌だ、どんな?」というハラちゃんの大喜利ボケに、「どんな戦争も嫌じゃ!」とつっこんだ川瀬名人が優勝ということでよろしいでしょうか。あと、ジャルジャルが優勝。興奮で顔がカッカして、涙目になった。ウーチャカに怒られてしまいますが、福徳の剥き出しの感情もグッときました。いや、ジャルジャルならいいか。ジャルジャルが賞レースに出ていること自体が(しかも結果を残している)、嘘みたいな話なのだ。『M-1グランプリ』は復活してからずっとおもしろい。まさかのとろサーモンの優勝も最高だ。Netflix『火花』再評価にも繋がってくれー。
hiko1985.hatenablog.com
今回の『M-1グランプリ』を林遣都波岡一喜が一緒に観ていたというエピソードに泣く。あほんだら、おめでとう。