青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

Enjoy Music Club『エンジョイスーパーライブ』in 武蔵野公会堂

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エンジョイミュージッククラブと名乗るのは伊達じゃない。「楽しんでもらおう」というホスピタリティ精神に溢れたイベントでした。まずもって、武蔵野公会堂で土曜日の17時スタート、というセッティングがどうにも琴線をノックアウトするではありませんか。長丁場だけども、着席なので安心、しかも会場の出入りは自由(飲酒は禁止なのもミソ)。21時前には終演なので、その気になれば、ライブ後に『シン・ゴジラ』だって観に行けるのだ。出演者は『FOREVER』にも参加していた方々で、中にはザ・なつやすみバンド、Homecomingsの名も連なっている。もうそんなの絶対行くよ、って感じだ。どの出演者もリラックスしたいい演奏を聞かせてくれた。とりわけHomecomingsのバンドのアンサンブルの進化には感激。リズム隊2人のコーラスワークの素晴らしさよ。バンドの核はつまるところあのコーラスだよなぁ。思い出野郎Aチームの「週末はソウルバンド」やザ・なつやすみバンド+EMC「ナイトランデブー」(mantaschoolのラップ!!)もグッとくるものがあった。余興で登場した花原史樹の渾身の「Baby Baby」の弾き語りは思わず胸を打ったし、ハイハワ原田君のおふざけもご愛嬌。「聞いてください、狩人で”あずさ2号”」と言ってゆずの「夏色」歌い出すギャグ、難しすぎます。


紅白歌合戦』や『ポップジャム』を意識したというしかもこの日のステージには何と司会者が設けられていて、ラバーガールの飛永翼と谷口奈津子(漫画家)がドレスアップして登場。何たるスペシャル感。飛永さんのウィットに富んだスムースな司会進行には美しさのようなものすら漂っていたな。EMCの人脈えげつない、と震えてしまうわけですが、この日のステージを観れば納得。メンバー3人から"愛さずにはいられない"といったヴァイブスが溢れているではありませんか。そして、大きな音で聞く事で改めて、音楽そのものの素晴らしさに思いを馳せた。「EMC?ハイプでしょ」みたいな人は少なからずいると思うのですが(正直、わたしも最初はそうでした)、耳の穴をかっぽじるべき。大胆過ぎるサンプリングセンスに着目しがちだが、フック部分のE(江本祐介)の歌メロの異様な高揚感、これは全ポップミュージックラヴァーが泣いて喜ぶような代物だ。「あれ、こんないいメロディ、今まで存在しなかったんだっけ?」と唸ります。例えば、筒美京平だとか多羅尾伴内といった大物と肩を並べても遜色のないメロディメイカ―ぶりなのです。全てのトラック制作まで兼ねる彼は、更にとびきりに秀でたボーカリストでもある。歌い出しと共に会場の空気を一発で掴んでしまう特別な響きを秘めています。なんでしょうね、あの声は。誰もが持ち合わせていた”少年期”みたいなものがギュウっと閉じ込められているような。ここまでの才能を持ったミュージシャンが、よくも今まで大々的に発見されずにきたものだ、と驚きを禁じえません。「また大袈裟な…」と思うのであれば、とりあえず『ライトブルー』をマストチェックでお願い致します。ラストに披露された「よろしくね」の往年のSMAP節に涙を浮かべたりして、ライブ終了。新作EP『SUMMER MAGIC』を即効でゲットして、ホクホク顔で帰路に着きました。そういえば、帰り道に会場近くでカメックスに遭遇したんですが、熱戦むなしく逃げられました。それだけがちょっと残念です。




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