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ayU tokiOライブ『new solution 3』

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ayU tokiOのファーストアルバム『新たなる解』のリリースを記念したイベント『new solution 3』が開催された。会場は原宿 ASTRO HALL、ゲストはミツメ。音楽による音楽の為の幸福な時間。あぁ、本当に素晴らしかった。「私は『new solution 3』を目撃したぞ!」と大声で叫んで回りたい気分だ。それくらい決定的な夜だった。リズム隊(原GEN秀樹の手数と歌心を兼ね備えたドラミングときたら!!)、フルート、ヴィオラバイオリン、サックス、トランペット、鍵盤2台、ギター2本にコーラス隊、と最大14人編成を誇る、通称アユトーキョー”アルティメット”バンド、その贅沢でありながらどこまでも甘美な演奏は、巷に溢れる安っぽい音楽へのアンチテーゼなのです。あんなにも美しく流麗な音楽を奏でながらも、活動当初のアナーキズムや歪さを微塵も失っていない事にうれしくなってしまう。いつだって思い出してしまうのが、初めてayU tokiO(ayU tokiO Teamとしてのライブは除く)名義のライブを観た日のことだ。正装した管弦隊を従えて、白い大きなヘッドフォンを装着した男が打ち込みのトラックを操作しながら、か細い声でアノラックなギターポップを奏でていた。不思議な光景とサウンドに呆気にとられながらも、「これぞ、ポップミュージックの実験の夜だ!」と感激したものだ。どのライブを観ても、ayU tokiOは大量の機材を自ら持ち込み、サウンドの試行錯誤を繰り返していた。あの数々の実験の日々が、ついに祝福される時が来たのだ。実験の夜からポップミュージックの革命の夜へ。文句なしに今年度ベストライブ。つまりあの小沢健二の『魔法的』ツアーより感動したってことだ。いつだって未来は後ろのほうからやってくるものだから。ayU tokiO、ミツメ、そしてこの日、会場で姿を見かけたスカート、Magic,Drums&Love、ザ・なつやすみバンドetc・・・といった希望の匂いのする音楽家達の事を想うと、胸が一杯になる。ポップミュージックの未来は明るいのである。



アンセムとして圧巻の佇まいをみせた「恋する団地」、「ちょっと一息」のタイムマシーンのようなポップスとしての強度や、「犬にしても」でのやなぎさわまちこの歌唱の素晴らしさ、「乙女のたしなみ」が見せる音楽の歴史が混ざり合う瞬間、世界で1番いい曲である「狐の嫁入り」(なんてって、はじまりもおわりもない)などなど、語らねばならぬポイントは多々あるのだけども、音楽について書くのは得意ではないので、口をつむごう。アユ氏がMCでも言及していましたが、このアユトーキョー”アルティメット”バンド編成でのライブが、都内独占なのは、全てのポップミュージックファンに申し訳がたたないので、懐の大きいイベンター様、どうか彼らを全国に、と願うばかりです。



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