『釣りバカ日誌〜新入社員 浜崎伝助〜』1話を観た。『男はつらいよ』と並ぶ松竹が誇る国民的プログラムピクチャーが、スピンオフドラマとして復活。映画と同様に松竹が制作を手掛け、監督も『釣りバカ日誌14 お遍路大パニック!』(2003)からファイナルまでメガフォンをとった朝原雄三が担当する。そして、最大のトピックは、映画版で西田敏行が演じたハマちゃんを濱田岳が、三國連太郎が演じたスーさんを西田敏行が演じるというウルトラCとしか言いようのないキャスティングだ。更に1話のゲストとして、西田敏行の親友であり、濱田岳の先生(『3年B組金八先生』第7シリーズ)である武田鉄矢が登板。このトライアングルには涙を禁じ得ないだろう。常々、思っていた。ズングリ体型の愛嬌顔が現在の邦画に不足している。どこを見渡してもメシ喰うな!と言わんばかりのナルシズムに溢れたスラリとしたガリマッチョばかり。勿論かっこいいのだ、美しいのだが、やっぱり私はコンプレックスをものともせずに駆け回るヒーローに会いたい。池中玄太(西田敏行主演『池中玄太80キロ』)に、片山元(武田鉄矢主演『刑事物語』)に会いたいのです。
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脚本が面白いわけではないのだ。「こうなるんだろうな」という想像通りの事しか起きない。しかし、それでいい。ハマちゃんが行列に並んで手に入れた羊羹の引換券なんてものは、絶対に風に飛ばされて失くしてしまうのだから、ならば思いきって屋上にロケーションしてやろう、という感じがいいのです。そして、「こうなるんだろう」と予想させておきながらも、いざそれが画として実行されると期待をはるかに上回る面白さを提供してくれる。それが西田敏行であり、武田鉄矢であり、濱田岳なのだ。「それじゃあなにかい?あたしが、○○の△△だってのかい?」といった西田敏行独特の節も随所に聞かれ、おそらく今作でもアドリブを決めまくっているのだろう。吹越満、伊武雅刀、きたろう、とそれに応えるだけの役者が脇を固めている。この中だと広瀬アリスの演技があまりに平均点過ぎて見劣りするのが難か。
ハマちゃんは仕事なんてしなくていいのだけども、予告を観る限り、連ドラ版はビジネス物の要素も多いのか。どこか織田裕二主演の『お金がない!』(1994)の雰囲気もあって楽しめそうだ。そうそう、信田かずおが担当する劇伴の古臭い感じも最高なのだ。絶対に観る必要はないけども、何となくテレビをつけたら流れていて欲しい。そんなテレビドラマシリーズの誕生です。