青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

『6人のライブ(仮)』vo.l3 モグライダーという漫才師


モグライダーマセキ芸能社)、ザンゼンジ人力舎)、ドドん(浅井企画)による『6人のライブ(仮)』を新宿ハイジアV-1で観てきました。いやー素晴らしかった!ここ最近観たお笑いライブでは間違いなく1番。正直、この3組でレギュラーライブが始まるって聞いた時は、「ちょっとパンチ力に欠けるなぁ」とか思っていた。浜口浜村三四郎、ドリーマーズによる『3組のライブ(仮)』という濃いのが先発であっただけに余計に。謝罪したい気持ちでいっぱいだ。このライブでの6人のバランス感はただごとではない。そのまとまりがもたらす圧倒的な“観やすさ“。何でもない事のようだけど、「観ていて疲れない」というのは実はとても重要な事だ。チームワークでもって、トークも企画のコーナーも抜群に面白い。「次世代MC候補芸人」を謳っているだけはあると言いますか、モグライダーザンゼンジ、ドドん、この3組からは「いつかブラウン管でその活躍を拝めるんじゃなかろうか」という未来と希望の匂いがするのがいい。


ネタは3組共に面白かったが、何と言ってもモグライダーだ。ここ最近のモグライダーはいつ観ても、抜群に面白い。芝さんとトモシゲさんの器用さと不器用さの対比という構造から、芝さんがトモシゲさんのどんな間違いも絶対に拾って笑いにする、というガチンコ勝負漫才に変化してから、俄然芸が色っぽくなったように思います。ハイリスクハイリターン漫才。漫才が始まる際の、虚空を見つめる芝さんの表情。戦いを始める前の男という感じで格好良い。あんな白いジャケットが普通に似合ってしまう人がいるだろうか。トモシゲさんの芸人としてしか生き方を肯定されないであろう雰囲気もたまらなくいい。相方に漫才でひたすら存在を肯定してもらっている感じがグッとくるな。会場での受け方も尋常じゃなくて、お客さんが文字通り「ヒーヒー」言っています。今年の『THE MAZNZAI』本気で狙って欲しい。決勝にさえ残れば『M-1グランプリ2008』オードリー以来の衝撃を与える事必至である。