青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

最近のこと

月曜日。6月最後の日。月末なのでちょっと多目に残業して帰宅。鯖の水煮と豆腐・みょうが・大葉を食べる。月曜日の夜ごはんは質素にいくのが通例である。お風呂で柴崎友香きょうのできごと』を読み終える。もう1度映画化して欲しい。この視線と感情の誘導の小説を映画化しえる監督というのが、山田尚子しか思い浮かばない。オフビートだし、舞台も京都だし、いいのではないだろうか。さくらももこの『ちびまる子ちゃん』5巻くらいまで読み直したんだけど、「ほのぼの劇場」(全作品いい!)を含め、どの巻も圧倒的な面白さでビックリする。

4巻とかほんと最高ですよ。エピソードの瑞々しさ、ギャグとリリシズムのバランス、絵の余白、どれも抜群。こんな才能が現在、若い漫画家で現れたら、追っかけするレベルだ。6巻の段階で、まだはまじもブー太郎も永沢君も藤木君も山根君も小杉君も山田君も大野君も杉山君出てこないのも驚いた。多分、彼らが出てきてからまた作品は違うモードに入っていくのだろうな。しかし、この初期『ちびまる子ちゃん』の素晴らしさは、もっと再評価する必要があるのでは。確かに今のさくらももこは、”業の肯定”という言葉では片づけられないレベルで、ただの成金の嫌な女だけども。鳥山明と共に何かの拍子で破産して、またその才能を発揮してくれぬものか。



火曜日。仕事後、上映ギリギリに駆けつけ、角川シネマ新宿ウェス・アンダーソングランド・ブダペスト・ホテル』の2回目を観る。「映画の日」だったので、とても混雑していた。近所のシネコンで観ようと思っていたのだけど、が気付いたら、1日1回午前中上映に切り替わっていた。映画を観終えた後、腹が減っていたので、富士そばをチャっと食べて帰宅。山田稔明『新しい青の時代』と『緑の時代』をじっくり聞きたくなって、2駅手前で降りて歩きながら帰った。『新しい青の時代』は改めて凄いアルバムだ。

バンド編成のライブが8月にあるそうなので、とても楽しみ。配信限定でリリースされている「ひそやかな魔法」という曲もi-tunesで購入して、聞き倒しているのだけど、これもまた名曲。2014年上半期はGOMES THE HITMAN山田稔明の印象が1番強いな。後、今年は現行の音楽より1000円再発シリーズをよく聞いている気がする。



水曜日。残業してくたびれたので、王将で餃子を食べて帰った。「王将」と「満州」どちらが旨いのか問題にそろそろケリをつけたい。満州の餃子ダブル定食490円というコストパフォーマンスの良さはちょっと堪え難いうれしさがある(王将のダブル定食は760円だ)。うーん、やはり甲乙つけがたし。家に帰って先週の『モヤモヤさまぁ〜ず』を観た。「よし、今日はモヤさまを観よう」という日がある。小花美穂の『こどものおもちゃ』が舞台化するようで目出度い。アニメの監督がそのまま舞台も手掛けるようだ。Youtubeを適当に観ていたら、たまのライブ動画に辿りついて「いいなー」と思った。


今はやりの「ありのまま」でいていい感じがしますね、たまの音楽聞くと。



木曜日。仕事後、タワレコによってフリーソウル1000円再発とブラジル1000円再発のシリーズから1枚ずつ買う。フリーソウルからはSergio Mendes & Brasil ' 66『Look Around』を。

ルック・アラウンド~恋のおもかげ

ルック・アラウンド~恋のおもかげ

ジャケットがあまりに良すぎる。ビートルズとかバカラックのカバーが収められたブラジル音楽とA&M的ソフトロックの幸せな融合の名盤。ハーモニーが激気持ちいいです。ブラジルはMarcos Valle『Marcos Valle(1970)』にしました。
マルコス・ヴァーリ(1970)

マルコス・ヴァーリ(1970)

Marcos Valleは少しずつ集めていくつもりだったので、主要作が1000円で一気に出たのは嬉しすぎる。Marcos Valleってまず『Samba68』を買いがちなんですが、最初に聞くなら『Previsao do tempo』とか70年代ものから入るのがいい気がする。TSUTAYAでDVDを4枚借りて帰った。セブンイレブンで「さばの塩焼き」という惣菜を買って温めて食べたら普通に旨かった。200円以下であのクオリティ。セブンイレブン怖い。ラブレターズ『YOU SPIN ME ROUD』をDVDで観た。幕間映像をじっくり見ると、塚本さんの仕草、例えば笑い方とかオレオの食べ方とか、いちいち全てが、イケメンの人のそれで、笑った。特典のベストコント集はクオリティが高くて、とてもよかった。「あの娘ぼくが笑顔見せたらどんな顔するだろう」はやはり大好きだ。「好きな子の爪と一緒に切られて、爪切りの中で暮らしたい」って発想、痺れる。


金曜日。仕事を終えた後、池袋へ。「もうやんカレー」でアボガドとベーコンとトマトのカレーを食べる。珈琲やルイボスティー飲み放題なのもたまりません。何年か前にサンシャイン通りにできたブックオフに初めて足を踏み入れてみたのだけど、なかなかの広さに驚く。恒例のGOMES THE HITMANチェックをしてみたら、なんとゴメスの名称札が!これは凄いですよ。2ndアルバム『cobblestone』1枚だけ置いてありました。私は持っているので、誰か回収して下さい。ブックオフの上にある映画館でAKBのドキュメンタリーを観た。このシリーズの結構なファンなのだ。入場特典で写真が貰えたのだけど、スクリーンの入口に立っている男性に「写真いります?チケットの前売り券と交換しませんか?」と交渉を持ちかけられたので、快く受け入れた。「もう1回観られるぜ」と喜んでいたのだけども、作品を観終えてみると、疲労感が強く、もう1回はしんどい。内容は興味深かったのですけどね。でも、やっぱり前田敦子の映っていないAKBの映画はちと寂しいな。帰宅して昨日の『とんねるずのみなさんのおかげでした』のスペシャルを観る。「全落ちオープン」と「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」の2本立てとか最高。とにもかくにも感動してしまったのは、こにわ & 長谷川恒希の「石橋貴明おぎやはぎ矢作」のモノマネ。何回も巻き戻しては再生した。矢作の本質が鳴っているような気分になった。こにわ(サンミュージック所属!)の石橋貴明は、巷に溢れる石橋貴明のモノマネとは一線を画すネクストレベルに到達している。貴さんのモノマネと言えば、往年のイメージに引きずられた傍若無人な側面をなぞるものが一般的だが、彼の演じる石橋貴明は、どこかおばさん臭さすら漂わす貴の「静」の側面を見事にトレースしている。いや、ほんと凄い。

後、好きだったのは阿佐ヶ谷姉妹の「玄関開けたらいる人」とエハラマサヒロの「赤いきつねのCMの時の武田鉄矢の勢いの良い言い方」に腹を抱えて笑った。レベル高すぎる。『アメトーーク』が「腰痛い芸人vsお腹ピーピー芸人」という目を疑うような冴えのない企画の回で驚いた。対立軸の作り方酷過ぎる。



土曜日。微妙に雨が降っている。家で『探偵はBARにいる2』をDVDで観終える頃に、雨があがったので、自転車で吉祥寺へ。途中、ブックオフに寄って、探していたチェーホフの短編集を見つけ出す事ができホクホク。ついでに『ムーミンパパの思い出』も購入。吉祥寺に着き、ココ吉・ディスクユニオンを見て回り、タイムセールになった1個108円のハラドーナッツを路上で齧りキチムへ。『うつくしきひかり×中川正子〜雨のうつくしきひかり〜』を目撃した。つくしきひかりは本当に素晴らしいライブを聞かせてくれた。チェロの関口将史さんの加わったトリオ演奏。デュオ演奏の隙間から聞こえていたであろう音が実際に鳴っているようで、一層エモーショナルに響いてくる音楽に心震えた。「セカンドライン」のピアノとスティールパンの音が重なり合う、あの瞬間。アルバムに収録されていない「合図」という楽曲も素晴らしかった。ピアノのポップスにノイズアンビエンスが当たり前のように同居しているその尊さ。中川さんとシラフさんの作る楽曲が本当に好きだ、と改めて思った。2部が始まると、何の説明もなくシラフさんがドローン演奏を黙々と10分間披露するという攻めの姿勢に大変興奮してしまいました。音も素晴らしく、後半に向けて耳馴染みがよくなって、浄化されていくような気分を味わえた。MC.sirafuの即興演奏の音源化望まれる。

2部では『たとえば、あの、雨の日に。』というスライドと朗読の催しに3人が即興で演奏をつけていくというもので、3人の演奏の素晴らしさを差し引いても、スライドショーの出来の悪さには閉口してしまった。2014年にここまで言葉が軽く、美意識だけを掻き集めたような表現にお目にかかれるとは。苦悶の声を絞り出す朗読にのせて、白い部屋で白い服着た長髪の男性が膝を抱えたり、寝そべって悶えたりしている写真を何枚も見せられ、発狂寸前。まじでこれは何なんだ?と思っていると、作品の言葉を担当した人が、「簡単に言うと、雨の日に昔好きだった彼女を思い出し、落ちる所まで落ちて、その過程で、やっぱり彼女の事が好きだ、と気付き、雨が上がり、少し希望が見えてくる、というお話なんです」という風に説明していて、「まじか」となりました。今風に言うなら「お、おう」だ。まぁ、ここまで書いたから言っちゃいますが、肝心の雨の写真自体も全くいいと思いませんでしたね、僕は。ウソしか写ってないな、と思った。雨の写真の後に、「希望のうたです」と披露された「木漏れ日のうた」の素晴らしさ。同じ「希望」という言葉でもこうも説得力が違うか、と思った。アナログ工場の問題で発売が延期されてしまった『木漏れ日のうたep』震えて待つ。終焉後にマスターをポータブルプレイヤーで流してくれました。音とか割れてて、昔のレコードみたいに聞こえたのが、またよかった。早くアナログで聞いてみたい。B面の「針を落とす(MOODMAN REMIX)」もやバすぎた。ライブ後、「かやしま」でナポリタンを食べて帰る。回りのお客は全員飲んでいたが、1人黙々とナポリタン。本当は「豆蔵」か「モンタナ」でカレーを食べたかったけど、閉店していまたので、ナポリタン。家に帰って流れ星のベストネタライブDVD『回帰』を観る。

流れ星の漫才の構成力のなさも、ここまでくると清々しく、ただただちゅうえいのギャグに「くだらねー」と笑える。『THE MANZAI2013』決勝で披露したあの「膝神」だけ、えらい練ってあるネタで、不思議でした。続けて『オードリーDVD』も観た。
オードリー DVD

オードリー DVD

2009年に出た単独のDVDで、久しぶりに観直した。まぁ、そこそこの面白さなのだけども、若林のピンネタ「野球のスイング」は傑作。



日曜日。晴れ。洗濯機を回し、干してから自転車で出掛ける。今回は久しぶりに遠出してみようと思い、目的地を川越に設定した。途中、朝霞に寄り「いち川」でロース定食を頂く。

それなりの頻度で通う名店。よく締ったさっぱり目のとんかつなのだけども、旨味が詰まっている。ヒレも絶品だが、ロースの控え目な脂もいいアクセント。衣も繊細な味付けで美味しい。みそ汁も漬物もポテトサラダも旨いぞ。初めてカウンターでなく座敷席に座ってみた。

お櫃に入ってくるたっぷりのご飯を自由によそえるので、実に食が進んだ。カウンターに座っても、とにかく女将さんが「おかわりは?」と尋ねてきてくれるので、男の子は最低でも3杯は食らわされます。とにかく「お腹いっぱいになってもらおう」という心意気がいいよね。食後、気候もそれほど悪くなかったので、快調に走る。埼玉県は自転車で走るとなかなか楽しいのだ。川越に到着し、菓子屋横丁入口付近の喫茶店で名物の「芋ソフト」を食べる。

濃厚な芋の味が旨い。私、芋のお菓子に目がない。横丁でも芋けんぴ、芋かりんとう、芋大福、芋ようかん、スイートポテトなどを少しずつお土産として買った。菓子屋横丁でその場で揚げた、おかきが1カップ100円で売っていたので、思わず購入。

米と油と塩のハーモニー。信じられない旨さでした。食べながら街並みをぶらぶら。

大学1年生の時に勉強した事で唯一覚えているのは、川越の一定地域には「小江戸」の景観を守る為に、2階建て以上の建物がなく、電信柱も地下に埋まっているという事です。「時の鐘」の高台だけが例外。喫茶店で珈琲を飲み、888個の風鈴が光って揺れていると聞いて、川越氷川神社へ。


確かに揺れていた。風が吹くと一斉に音を出す。「振動している」というのはなんだか素敵な事だ。光と水のオブジェとかもあって確かに綺麗。

しかし、となりで結婚式もできるホテル経営してるわ、そこでお御籤ケーキセットとか販売してるわで、ちょっと商魂たくまさが滲み出すぎな神社である。帰りも涼しくて走りやすかったのですが、さすがにバテた。家に帰って録画したドリームマッチ観ようと思ったらモヤさまと時間かぶってるのに気付いてなくて、6分しか録れてなかった。死ぬ。



ayU tokiOの「恋する団地」のMVがアップされた。

いや、これは本当に素晴らしい。光が丘団地を素敵に捉えている。練馬区育ちとして推していく所存しかない動画だ。ライブでたくさん聞いた大好きな曲って録音されると、だいたい「なんか違う!」ってなりがちなのですが、これは問題ないどころかより素晴らしい形でパッケージされている。信頼しかない。これぞ2014年のポップスの決定打でしょう!ミニアルバムがまもなく聞けると思うと楽しみで仕方ありません。lyrical schoolの新曲「FRESH!!!」のMVもまた最高の類のやつでした。

曲もばっちりだな。「ラップをするのは楽しいです♩」でももう決まり。