キングオブコント2013
かもめんたる優勝!断トツで1番面白かった。しかし、かもめんたる、鬼ヶ島、天竺鼠の異様な高得点とそれに反してうしろシティ、ジグザグジギー、アルコ&ピースの得点の伸びなさ、というのは「狂気=勇気→高得点」という図式が成立してしまっているように思う。キングオブコントの存在でコントシーンが活性化したのは間違いないが、この大会の為に正統派コントはどんどん淘汰されていってしまう危険性も孕んできた。『M-1グランプリ』の登場で漫才がボケの手数に偏重していったのを思い出さずにはいられない。勿論、2700の「キリンスマッシュ」や天竺鼠の「寿司」の素晴らしさの前には何も言えないわけだが、あんなんばかりの大会は嫌でしょうに。そんな中、かもめんたるの日常と地続きの狂気が蔓延している絶妙なハイブリットコントは完璧だったし、希望だ。2本共に鬼ヶ島のネタの後に披露というのも効いていたと思う。鬼ヶ島がひたすらに叫んで生み出した狂気を、緻密な会話劇で、また思いもよらぬような発想でもって作り上げてみせる、かもめんたるの技術は、鬼ヶ島の悪夢から「ハッ」と目が覚めるような体験だった。まぁ、目が覚めても悪夢のような現実なわけですが。
しかし、である。関東のお笑いファンの間でワースト3組をうしろシティ、ジグザグジギー、アルコ&ピースが飾るという結果を予想できた人がいただろうか。好みの違いは勿論あれども、この3組が東京のコントシーンを人気実力ともに引っ張っている事に異論を唱えるのは難しいのではないかしら。とは言え、確かに今回の決勝戦においてこの3組は冴えなかった。2011、2012とトップリードのファンが抱いていた感覚ってきっとこんな感じだったのだろうな。もっと面白いのですよ!この3組は!あー悔しい。