青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

生誕80周年記念『藤子・F・不二雄展』in東京タワー


東京タワーで開催されている生誕80周年記念『藤子・F・不二雄展』に行ってきた。3日間限定でドラえもんカラー点灯の東京タワーが拝める最終日に駆けつけました。青ベースで点灯。ちゃんと鈴もあるのだ。入場してまず現れるのが80体の等身大ドラえもんフィギュア。今年の春に、小田急の企画で新宿〜箱根間に100体の等身大ドラえもんが展示されているという企画があり、それをそのまま使用しているようです。厳密にいうと香港発の企画らしい。とてもよくできているので写真に収める価値ありですよ。

東京タワーの屋上に55体のドラえもんが集まっている。かっこのよろしい名刀電光丸。屋上の55体除く25体は東京タワーの各場所に散らばっているので、コンプリートするならば、結構な時間を要するだろう。その移動箇所の展示もいちいち凝っていて良い。階段には、藤子F作品に「東京タワー」が登場したシーンを切り取って展示。例えば、

のび太の「東京タワーより高く飛ぶ方法なんて」(ジャイアンに出されたクイズに悩むシーンですね。ちなみに正解は「東京タワーは飛べないので、その場でジャンプするだけ」です。)。思っていた以上に各作品に東京タワーが登場シする事に驚く。F先生は東京タワーにセンスオブワンダーを感じていたのだろう。川崎のミュージアム同様にトイレの表示もユーモラス。他にも、扉を開けようとするコロ助やドアの裏にネズミが隠れている、などの細かい演出にも痺れました。



そして、F先生のパイプ、鉛筆、カメラの展示を経て「SF(すこしふしぎ)シアター」を観賞。

プロジェクションマッピングシアターによる数分の映像なのですが、非常にクオリティが高く感動してしまった。3Dならぬ4D、すなわち四次元でございます。F先生の書斎からスタートするのですが、先生の登場シーンで思わず目頭が熱くなる。


展示も想像以上に充実していた。多数の原画に、『オバQ』『パーマン』の初期アニメの映像放送。更に、F先生とA先生が中学時代に作成した雑誌『少太陽』が帯状に展示。『漫画道』などでが概要は把握していたが、じっくり中身を観るのは初めてだったのですが、衝撃的でした。アイデア、ユーモア、絵の巧さ、そして、構図の巧さ。中学生であのレベルというのははっきり言って、ただただ天才である。原稿や原画の画一された美しさにも改めて舌を巻きましたし、藤子先生を精神論で語るのが主流だけども、技術面でももっと多大に評価していくべきだ、と強く思いました。と言っておきながら、精神論で語っちゃうんですが、無数に展示されているコマの抜き出しのパンチラインがヤバいのだ。

オバQ「ぼくはいままでこんなに幸せだったことないよ。」
のび太「みんなはバカにするし、ぼくも自分のことダメなやつだと思っていたけど、そうじゃなかった!!」

この圧倒的な肯定のヴァイブスはやっぱりF先生の真骨頂だ。



「なりきりキャラひろば」もかなりの充実度。オバQの背中に乗れたり、パーマンになれたり、ゴン助に掘られたり。個人的に激アツなのはのび太のおばぁちゃんの膝で泣ける所。断トツの1番人気は、のび太の机の引き出しから顔を出せるポイントでした。

全て写真撮影OK。これも川崎のミュージアムより出来がいい気がします。



そして、ラストには各著名人からの生誕80周年を祝ったイラストサインの展示が。A先生、芝山努監督、新旧声優陣、大長編主題歌を担当したミュージシャン(もちろん武田鉄矢も!)に加えて、豪華絢爛な漫画家陣によるF先生オマージュイラストの数々が見物!お目玉は松本大洋今日マチ子ドラえもん小畑健エスパー魔美でしょうか。個人的に興奮したのは、小田扉パーマン水木しげるやなせたかしアンパンマンドラえもんが合体したカオスなイラストが)、ちばあきお永井豪鈴木伸一矢口高雄里中満智子室山まゆみなどの巨匠もズラリ。更に、小学館からあだち充高橋留美子島本和彦藤田和日郎、青山剛晶、椎名高志、なんと秋元治、鳥山明(まさかの空気を読まない悟空のイラスト)らのサインもありました。コロコロ勢で懐かしの、のむらしんぼ樫本学ヴ沢田ユキオなども涙モノ。覚えてない、もしくは見逃しただけで、他にも豪華な人がいっぱい寄稿しておりましたよ。今後ゾクゾクと増えていく予定のようです。石黒正数はまだか!?



出口のエレベーターではキャラクターがお見送り。真ん中にF先生がいるのが泣ける。

さてさて、こちらの展示は10/6まで。入場料1500円は安いくらいですので、夏休みにでもぜひぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。