青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

SMAP『Joy!!』&SMAPシングルBEST25


SMAPが通算50枚目というメモリアルなシングル『Joy!!』を発表した。1985年生まれの私としてはSMAP(1988年結成)、ナインティナイン(1990年結成)、爆笑問題(1988年結成)、この3組には並々ならぬ愛着を抱いている。共に育ってきた、という感覚があるし、それでいていつでも憧れの存在だった。言ってしまえばヒーローみたいなものだ。尖っていた頃は、「キムタクって別に歌巧くないよね」だとか「老けたよねー」だの家族や友人が言ってこよううものなら、あからさまに不機嫌になるほど、SMAPファンである。


さて、この『Joy!!』が実にいい。この楽曲に関しては、方便凌さんのブログ(http://ryohoben.blogspot.jp/)が必読である。涼しげなトーンのオルガンがかもし出すトロピカズモ、更にジャングルビートにのせてのAメロ、Bメロの丁寧な押韻からのサビの開放感。まさにキラーチューンである。方便凌さんの記事にも

SAKEROCKceroをはじめとした、昨今の東京インディエキゾチカシーンに慣れ親しんだ耳だったら、一発で入っていけるサウンドです

とありますが、まさに。リリックも抜群だ。

無駄なことを 一緒にしようよ

というサビのラインに尽きるだろう。「無駄な事なんて1つもない」とか「全ての事がメッセージ」とか「何でもないような日々が幸せだったと思う」とかいうのは今までもありましたが、「無駄なことをしようよ」と、意味性の取り払わられた底抜けにポジティブな呼びかけは、とっても新しいのではないでしょうか。最終ラインはこう。

どうにかなるさ人生は
明るい歌でも歌っていくのさ
Joy!! Joy!!
あの頃の僕らに 
今夜だけでもいいから
朝まで Joy!! Joy!!

人生ってのはそう簡単にどうにかなるものではない。だからこそ、「どうにかなるんだ」と思わせてくれる歌が私達には必要なのです。今夜だけ、いや、3分間だけでもいいから、「どうにかなるさ」という万能感を纏わせてくれる。そんなポップミュージックの使命を、自己言及的に国民的アイドルのSMAPが歌う。作曲はおろか、作詞まで手がけた津野米咲(from赤い公園)、恐るべしである。自分のバンドの色を出してくるのでなく、SMAPが歌うべき楽曲をしっかり見据えて提出できるバランス感覚は新世代ならではか。なんでも「オリジナルスマイル」が昔から大好きで、あんな曲を作れたら、と思って製作したらしい。「オリジナルスマイル」といえば

笑顔抱きしめ 悲しみすべて
街の中から消してしまえ
晴れわたる空 昇ってゆこうよ
世界中がしあわせになれ!

と歌われる、あの震災後、より強度を持って響いてくるSMAPの初期のナンバー。私たちが今、SMAPに求めている楽曲のフィーリングはズバリこれだろう。



先日放送されたテレビ朝日の『SmaSTATION!!』にて「国民が選ぶSMAP人気シングルベスト25」というのがやっていて、おおいに興奮して、思わず自分でもベスト10を選んでみた。

1.がんばりましょう  (作曲:庄野賢一 作詞:小倉めぐみ)
2.どんないいこと  (作曲:庄野賢一 作詞:大倉浩平)
3.朝日を見に行こうよ  (作曲:安田信二 作詞:安田信二
4.KANSHAして (作曲:林田健司 作詞:戸沢暢美)
5.SHAKE  (作曲:小森田実 作詞:森浩美
6.しようよ  (作曲:馬飼野康二 作詞:森浩美
7.オリジナルスマイル  (作曲:馬飼野康二 作詞:森浩美
8.ダイナマイト  (作曲:小森田実 作詞:森浩美
9.たぶんオーライ  (作曲:庄野賢一 作詞:小倉めぐみ)
10.胸騒ぎを頼むよ  (作曲:寺田一郎 作詞:戸沢暢美)

ずっと小森田実推しだと思っていたけども、改めて選んでみると庄野賢一の楽曲が1位と2位を占めた。「がんばりましょう」は本当に飛びぬけて好きだ。イントロのオノマトペスキャットから最高にかっこいい。

サンプリングを駆使した高機能ソウルファンクにのせて

Hey Hey Hey Girl
いつの日にか また幸せになりましょう
Hey Hey Hey Boy
かっこわるい 朝からとにかく始まる

と歌われるのである。”また”というのがポイントだ。『Joy!!』の初回限定のブルースカイ盤には「Can't Stop SMAP!! 〜 50 Singles Non-Stop Mix」というシングル50曲を繋いだ30分に及ぶ山下達郎的発想の楽曲が収録されているのでマストバイでございます!