青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

ジグザグジギーというコンビ


ジグザグジギーに夢中だ。長身痩躯のイケメン池田勝、中肉中背の凡人のようでいて、いやはやどう見てもタダ者には見えない宮澤聡から成るマセキ芸能社所属の5年目コンビ。面白い芸人、好きな芸人はもちろんたくさんいますが、個人的にここまでネタに感銘を受けたのはおぎやはぎ以来かもしれない。


数多のコントがマセキ公式でYouTubeに公開されているので、ぜひチェックしてみて欲しい。とりあえず代表作と言われている「出欠」をご覧ください。

このネタがありながら、2012年の『キングオブコント』でファイナリストに残れなかったというのが信じられない。ただ出欠をとり続けるだけでのミニマルなコントながら、圧倒的な面白さが迸っている。ジグザグジギーのネタの面白さを端的に表現するにはふさわしい言葉は・・・と考えていた時に、ふとTLに流れてきたBerryz工房熊井友理奈名言botのツイートを引用したい。

同じことの繰り返しが人を退屈させないとき、その音楽にはグルーヴがある、というのが、私の基本的なグルーヴの考え方ですね

まさにこれがジグザグジギーのネタの面白さの根本であるような気がする。超絶な展開があるわけではない。しかし、圧倒的な発想と言葉のセンスで、同じことの繰り返しを退屈させない。宮澤聡の抜けがよく滋味ある声がワードを連呼して作り上げられる土台に、まぶされる池田勝のキラーフレーズの数々。それによって宮澤の連呼するワードもどんどん響きを変え、笑いを増幅させていく。とにかく池田勝の言葉のセンスがたまらないものがある。惚れ惚れするような切り替えしと強度なのだ。事務所の先輩であるナイツ土屋の進化系のよう。そして、彼らのネタは、「悪意」とか「ディスコミュニケーション」とかそういうものを笑い飛ばそう、というような意味性が排除されていて、ただただ純粋に”振り回される”という現象のみで勝負しているのが凄い。何より驚くべきは、そのネタの量産ペース。それらが集められたベストネタ集『2008-2012 BEST』が5月に発売予定だそうです。

マストバイだ。とりあえず発売するまでは、YouTubeで観られものは全てチェックしておくべき。コントの運動性よろしく、”繰り返し繰り返し”観よう。