青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

シャムキャッツ ワンマンライブin渋谷o-nest


「これから何をしようが勝手だよ」という感じで、本当にかっこいい。渋谷o-nestでのシャムキャッツのワンマンライブの感想を書いていなかった。「GET BACK」「アメリカ」「落ち着かないのさ」といった代表曲の演奏をライブで聞くとシャムキャッツの4人にしか出せない音というのがこの世に存在する事を知る。フロントマンの夏目知幸の歌には独特のリズムがあると思うのだけど、それをしっかりと身体的に理解し、より魅力的に響かせようとするバンドの演奏が泣ける。代替不能である事。「この4人でなくてはいけないのだ」みたいな、漫画『BECK』的価値観って今ちょっとかっこ悪くなってしまったのかもしれないのだけど、シャムキャッツはもう1度そこに輝きをもたらせてくれるロックバンドだ。ビートルズみたいになりたく音楽を始めた夏目知幸が最高にかっこいいバンドを組んで放つ「どう?バンドってかっこいいでしょ?」というサジェスチョンは、これからの世代にとても強く効いてくるのではないだろうか。



来場者特典として配られたメンバーによる全音源解説ブックがとても楽しい。あれを読むと音源を聞きたくなってしまい、聞くとまた読みたくなってしまうループから抜け出せない幸せ。「渚」のシングルの特別感というのをメンバー側から見る事ができてドキドキします。改めて素晴らしいシングルだった。

cero×本秀康」も、「昆虫キッズ×100%ORANGE」も最高だったけど、やっぱりこの「シャムキャッツ×小田島等」のジャケットであの音をあのタイミングでリリースされる宝物感は特別だったように思う。若者的音楽最高峰。シャムキャッツはバンドのパブリックイメージのコントロール力も抜群だ。メンバーそれぞれが選ぶ「シャムキャッツの5曲」もおもしろかった。「本当にシャムキャッツの楽曲好きなんだなぁ」というのが伝わってくる。