青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

わっしょいハウス『おばけが出現』


滅茶苦茶おもしろい。完全にツボだ。ここまでツボだと悔しくなってしまうくらい好きだった。序盤で『ドラえもん』論が展開される。

ドラえもん』の何が凄いって、スネ夫ジャイアンもパパもママも街の人、一切ドラえもんに驚かないとこなんだよ、だって猫型ロボットだよ?凄くない?

まさに!『ドラえもん』の素晴らしさの一つに、違和感へのツッコミがなさが挙げられるだろう。猫型ロボットが、野比家のルールの中にすっかりおさまって、草むしり当番とか金魚にエサやり当番なんかに組み込まれている所なんかが愛おしくてしかたない。それは『おばけが出現』にも流れている優しいテーマのようなものだ。部屋に幽霊が住みついている。しかし、そこへのツッコミは回避される。異物の完全なる受け入れ。とてつもなく優しい。しかもちょっと少女マンガチックな味付けあり。


何より、その会話のズラし方、間がまさに五反田団直系かくや、と言ったセンス。今年1番笑いました。それを表現する浅井浩介、椎橋綾那、立蔵葉子の3人も素晴らしい。もう絶対それ!という間、声、台詞回しで体現されていてうれしくなってしまう。幽霊キクちゃん役を演じた椎橋綾那さんという役者さんが素敵すぎてすっかり魅了されてしまった。なんだか居心地の悪そうな顔が本当にキュートだった。パンフレットを見てみたら、「私がもっと人付き合いをちゃんとできれば違うのかなと思いますが、そこは頑張れそうにナイです。」って書いてあって、完全に恋に落ちました。