青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

ほうほう堂@留守番

【ほうほう堂@シリーズとは?】
劇場という、区切られ閉じられた空間から飛び出して、日常と隣り合わせにある面白そうな場所にあちこち出かけて踊るシリーズ。自分たちの生活圏内の身近な場所や、旅先で出会った場所、紆余曲折で辿りついた穴場スポットなど、月に1回様々な場所で踊って、1年以上が経ちました。場所毎の、そこにしかない魅力や特徴、その日の天候や道行く人も含めて、1回1回がその時限りのスペシャルなダンスになりました。見て聞いて受け入れて流れて、動機が外にある事で、オープンなダンスのあり方を楽しんで探していければと思います。

あまりに素晴らしく心震える公演だった。天気にも恵まれ美しい日差しが差し込む庭付きの素敵な1軒屋。窓、階段、吹き抜けと視覚的な刺激にも恵まれたこの物件。素晴らしい。


留守番。つまり他人の家。変なワクワク感と手持ちぶたさと居心地の悪さ。彼女たちのダンスはそれを見事に体現していた。居心地の悪さをどんどんつめていく彼女たちの運動感があまりに感動的で。木下美紗都による金延幸子のカバーからテニスコーツ「バイババビンバ」がかかる中での庭でのダンスは、もう奇跡みたいで、世間の窮屈さ、身体の窮屈さなどあらゆるものから開放されたような軽やかでありました。


お客さんの中に小さな子どもがいて、もう1人の主役でした。かわいくて、かわいくてにやけてしまった。こういったお客さん、会話、天気、気温、あらゆる一回性の上に成り立つ公演。時の流れすら愛おしくなるような表現でした。

このテニスコーツの動画にも、ほうほう堂の公演と同様の美しさを感じる。