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ポップカルチャーととんかつ

藤井洋平『この惑星の幾星霜の喧騒も、も少したったら終わるそう」

この惑星の幾星霜の喧騒も、も少したったら終わるそう

この惑星の幾星霜の喧騒も、も少したったら終わるそう

手にとったきっかけはTwitterceroのメンバーが絶賛していたからだ。以下はレーベルかレコ屋の紹介文。

久々に何回も聴きたいワクワクする音楽に出会えました。藤井洋平を聴きたいと思い家路に着いたり、ふと歩きながら聴いて心の中で歌ったり、このネットで気楽に垂れ流されている雑食音楽が氾濫している世の中で大切にしてきた大切にしたい音楽です。本人が影響を受けたかどうかはさておきJBとMJの黒い影と岡村靖幸の愉快さと小沢健二のポップさと普遍性を感じます。すべて一人で録音している狂人ぷりと生真面目さ音のクオリティはハンパない、独特の世界感を堪能できる歌詞とビートは音楽オタクではなくどんな人にも心にも響き自然と心と体、歌って踊れます。出会えて良かったすばらしい音楽の一つになるでしょう。あなたの名盤となること間違いなし!

す、すげぇ。煽りだ。買っちゃいますわ、こんなの。タイトルを見てみる。「あなた、バカみたい!」「ママのおっぱいちゅーちゅーすってパパのスネをかじっていたい!」「17」「俺にロックのイロハを教えて」「中途半端はやめて」「ラーメン屋の息子」と実に独特の言語センスがさく裂している。日本語が跳ねている。ファンクミュージックを、醤油の匂いのするソウルに変換できている。ポスト岡村靖幸という文言には納得せざるをえないだろう。前述のceroのメンバーのアルバムへのツイート

スカムだが確かにゴスペル(祈り)で、神を近くに感じることができた。

スカムなオザケン。「あなたバカみたい!」「中途半端はやめて」なんて下世話さが祈りに昇華されているように聞こえる。しかし、この『この惑星の幾星霜の喧騒も、も少したったら終わるそう』はまだそこまで開かれたアルバムではありません。ceroの方がおっしゃる通りスカムです。まだまだ聞き手を選ぶ音だと思います。しかし、しかるべきプレイヤーと録音を手に入れた時、藤井洋平のソウルは炸裂するでしょう。