青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

中村義洋『ちょんまげぷりん』

ある日、仕事と家事に追われ忙しい毎日を送る、シングルマザーのひろ子(ともさかりえ)とその息子・友也(鈴木福)の前に、ちょんまげ姿の男が現れた。聞くと名前は、木島安兵衛(錦戸亮)、180年前の江戸から来た侍だという。

何十回も繰り返し描かれてきたモチーフだけあって、とにかく洗練されている。「侍がパティシェに」というアイデアもナイスだ。


スーパーの前にいきなり侍が普通に立ってる冒頭のカットでこの映画は信頼に値した。いきなり"いる"のがいい。いかに、日常と異者(=侍)を融解させていくかが見どころだと思うのだが、その演出がとにかく丁寧。侍が現代に調和していく様がとにかく幸せな画になっており、それがそのまま現代における幸福というものの、再定義になっていた。