青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

伊藤万理華×福島真希『はじまりか、』

昨年末に開催された個展「伊藤万理華の脳内博覧会」にて公開されたショートムービー『はじまりか、』がYouTube上で閲覧が可能となった。掛け値なしに素晴らしい8分30秒なのだ。伊藤万理華によるファンやメンバーに対するストレートな愛のメッセージをして*1…

最近のこと(2018/02/01~)

一旦書くのを緩めると、まっこと億劫になるのがこの「最近のこと」なのです。書きそびれがあまりにも膨大なので、一日ごとに振り返るスタイルは放棄して、ざっくりと備忘録を記していきたい。2月はもうオリンピック一色である。ウィンタースポーツには興味が…

小沢健二『アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)』

① 小沢健二が、極めて私的ないくつかの関係性を綴ったリリック。ひどく露悪的ではあるが、どこまでも普遍的に、切実に響くことは否定できない。もしかしたら、ポップミュージックの歌詞というものは具体的であればあるほどいいのかもしれない、というような…

ロバート・マックロスキー『ゆかいなホーマーくん』

ゼンマイ仕掛けの機械から大量に流れて出てくるドーナッツ、それをポケットに手を入れたまま片手でムシャリと頬張らんとする少年。たまらなく胸を捉えた。この表紙のイラストだけで、10冊は確保したい代物である。この『ゆかいなホーマーくん』の挿絵を担当…

坂元裕二『anone』5話

とうとう周回遅れである。つい不満のほうに筆が走ってしまうので、何度も書き直してしまうのだ。たとえば、序盤で繰り広げられた「すれ違いコント」に、ナレーションによる状況説明が挿入されていたのには、たまらなく暗澹たる想いに駆られた。"すれ違ってい…

村山籌子/村山知義『リボンときつねとゴムまりと月』

村山籌子の紡ぐ児童文学は、夫である村山知義によるイラストの魅力と不可分である。上の絵をじっくり見つめて頂きたい。このタイムレスな魅力は異常ではないだろうか。そのシュールレアリスムにはさくらももこの源流を見るよう。とにかく絵もお話も、都会的…

エズラ・ジャック・キーツ『ゆきのひ』

雪が積もった日の幼き高揚感を瑞々しく捉え切った永遠のマスターピース。足跡をつけて歩く、雪の小山を滑り降りる、木に積もった雪を落とす、寝転んで手足を動かす(Snow Angel)・・・いつもと違う白銀の街でのはしゃぎ方がここにはすべて詰まっている。と…

坂元裕二『anone』4話

私の名前はアオバ 苗字はない この世に生まれてこなかったからだ 幽霊っていうのとは少し違うけど まぁ そう思ってもらえるのが一番手っ取り早い いきなりの”幽霊”の登場である。低視聴率のテコ入れとして、急遽挿入されたであろう「3話までのダイジェスト」…

松本壮史×三浦直之『それでも告白するみどりちゃん』

『それでも告白するみどりちゃん』というなにやら画期的に新しいドラマが始まった。そのドラマは、テレビの地上波放送でなく、ローカル放送でもなく、ニコニコ動画でもGYAO! でもなく、カルチャー動画メディア「lute/ルーテ」のInstagram 上のStoriesにて展…

野木亜紀子『アンナチュラル』3話

3話についてしっかり書く余裕がないまま、4話の放送日になってしまった。無念。今回は軽いテイストでご勘弁頂きたい。3話は裁判所を舞台とした法廷ものであった。演出は塚原あゆ子から竹村謙太郎にバトンタッチ。編集のスピード感はグッと抑えられ、室内撮影…

ルドウィク・J・ケルン『すばらしいフェルディナンド』

ルドウィク・J・ケルンは日本ではあまり評価されていないのだろうか。ポーランドの児童文学作家なのだが、Wikipediaにも項目は存在しない。日本語に翻訳されている作品は3作品。その内の1冊『ぞうのドミニク』は福音館で文庫化しており現在も入手可能だが、…