青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

座二郎『RAPID COMMUTER UNDERGROUND』

サラリーマンである作者の座二郎が、その通勤時間を使って完成させた”地下鉄”の漫画である。はっ、まさか「座二郎」ってペンネームは「地下鉄の座席に"座"って漫画を書く男」みたいなイメージに加えて、『地下鉄のザジ』のもじりなのか!?という気づき。地…

山下達郎『Maniac Tour 〜PERFORMANCE 2014〜』inパルテノン多摩

結論から言えば、生涯ベスト級の感動を覚えた最高のロックンロールショー。逆光に照らされて登場した山下達郎のシルエットは神様みたいだったし、演奏を始めた彼は本当に音楽の神様だった。とまぁ、大袈裟に書き散らしてしまいたい欲望を抑えきれない。うさ…

最近のこと

腑抜けた一週間でした。水曜日、仕事後にカレーを食べてから『思い出のマーニー』を観る。想像していたよりずっとよかった。高野文子とか保坂和志とか柴崎友香といった作家が描く、時間とか記憶とか空間に関する考察が好きな人にはビビっとくるものが少なか…

トーベ・ヤンソン『ムーミンパパの思い出』

新装版 ムーミンパパの思い出 (講談社文庫)作者: トーベ・ヤンソン,小野寺百合子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/05/13メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (11件) を見るある日、風邪をひいて弱ってしまったムーミンパパは言う…

米林宏昌『思い出のマーニー』

この世には目に見えない魔法の輪がある 輪には内側と外側があって、私は外側の人間 という台詞が冒頭に配置されており、米林宏昌の「宮崎駿が描かないものに焦点を当てるのだ」という意気込みが窺える。なるほど、杏奈という今作の主人公は無表情で不機嫌。…

最近のこと

。金曜日。電車に乗っていると目的地一駅前で突然、ただならぬ腹痛と吐き気に襲われ、毛穴という毛穴から冷や汗をかく。慌てて、トイレに駆け込むも吐き気は収まらず。何かの食べ物に当たったのかもしれない。顔を歪めながら仕事をこなしている内に治ってし…

森本将平というイラストレーター

吉祥寺の「にじ画廊」に何気なく入ってみたら、2階で『本屋の二人』が展開されていた。印象的なポスターに誘われたのだ。『本屋の二人』というのは サニーボーイブックスと古書リーディングッドの古本ユニット。2つの古本屋の選書の違いや個性を反映させなが…

ayU tokiO『恋する団地』

ayU tokiOとは何者なのか、という所からはじめよう。音楽前夜社の誇ったマジカルポップユニットMAHOΩでメインソングライターとギター(結成初期にはドラム)を務め、昨年3rdアルバム『回転体』を献上したthe chef cooks meにも一時期所属。柴田聡子の『海へ…

最近のこと

金曜日。退社後、ディスクユニオンでディグに興じていたら、遠方に赴いている竹馬の友が東京に来ているというので、遊ぶ事にした。レンタカーで家の前に現れたので、音楽を聞きながら適当に走って最終的に海を見て、ファミレスでダべって帰りました。青春の…

stillichimiya『死んだらどうなる』

stillichimiyaは冒頭の「うぇるかむ」で陽気に楽しく、我々を彼らの地元・山梨に迎えていれてくれる。と思いきや、突如、挿入される事故現場のようなクラッシュ音と故人・丹波哲郎の講演のサンプリング。 生きとし生けるものの中でいずれ死ぬんだという事を…

ハイバイ『おとこたち』

岩井秀人、ネクストステージへ。この力作に応える役者陣の演技も一様に素晴らしかった。『ヒッキーシリーズ』『投げられやすい石』『て』に肩を並べること間違いなしの、ハイバイの新たな代表作の誕生に立ち会えた喜びでいっぱいだ。 4人の男性の24歳から82…

cero×SIMI LAB×PUNPEE『Erection』in代官山UNIT

代官山UNITの10周年記念アニバーサリーイベントcero×SIMI LAB×PUNPEE『Erection』 が開催された。ceroとSIMI LAB、出自の異なる両アーティストを結びつけるのは、「ビートの揺れ」に対する自覚か。 SIMI LABのパフォーマンスを初めて目撃する。OMSBの訛った…

高橋栄樹『DOCUMENTARY of AKB48 The time has come 少女たちは、今、その背中に何を想う?』

AKB48グループの1年半を追ったドキュメンタリー、と呼ぶには重要なトピックが多く抜け落ちている。狙いは絞られている。大島優子卒業、チーム組閣、コンサート中止、グループ内の上下関係、震災、握手会傷害事件・・・高橋栄樹は少女達の”涙”を収める事に執…

橋本一『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』

ザラついたフィルムのような質感が、かつて東宝の誇ったプログラムピクチャーの記憶の残痕を掻き集める。「記憶の残痕を掻き集める」のはまさに探偵の役目であり、饒舌でありながらも一度としてその名前を呼ばれる事も発する事もない”俺”(大泉洋)はその任務…

最近のこと

月曜日。6月最後の日。月末なのでちょっと多目に残業して帰宅。鯖の水煮と豆腐・みょうが・大葉を食べる。月曜日の夜ごはんは質素にいくのが通例である。お風呂で柴崎友香『きょうのできごと』を読み終える。もう1度映画化して欲しい。この視線と感情の誘導…

山田稔明『緑の時代』

ジャケットはR.E.Mの『GREEN』オマージュである。山田稔明のディスコグラフィーにはライブ会場限定発売のCD-Rというものが無数にあるらしい。この『緑の時代』は、そのCD-Rに収録されていた楽曲を中心に、書き溜められていたストックのアルバム未収録曲を編…