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青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

ロロ+EMC feat.いわきっ子 in『演劇人の文化祭LIVE』

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パルテノン多摩で開催された『演劇人の文化祭LIVE』で披露されたロロ+EMC feat.いわきっ子のパフォーマンスにとにかくもうガツーンとやられてしまった。なんとかこの感動を書き残しておきたい。しかし、その感想をこのブログに公開したとしても、それは不特定多数の人にシェアする批評としては機能しないような気がする。どうにもこうにもロロとEnjoy Music Club(そして、いわきっ子に)に過度な思い入れを抱いてしまっているからだ。だからこれはただのラブレターのようなものであって、そんなものは読みたくないという人は読まなくていいし、このラブレターがひょんなことで間違えて貴方に届いてしまったのなら、それはそれでとてもうれしいことです。


まず、お揃いの衣装を纏ったロロメンバー5人が登場し、5本のマイクスタンドの前に立つ。背中に”LOLO”と刺繍されたキュートな紺色カンフースーツはメンバーの森本華によるものだ。5本のマイクスタンド=SMAP俺たちに明日はある」であるからして、昨年、一夜限り披露された幻のSMAPトリビュートミュージカル『ひらひらの』のナンバーがかき鳴らされる。EMCの江本祐介(詞はおそらく松本壮史と三浦直之か)によって編まれた2曲のナンバーは、「SHAKE」であったり、「夜空ノムコウ」であったり、「朝日を見に行こうよ」であったりという、国民的アイドルの往年のヒットナンバーのフレーズやコードや質感を点在させた、まさに”失われた新曲”というような趣なのです。まずもってこの楽曲がむちゃんこいい。泣ける。このエントリー内で本当はあと100回くらい書きたいのだけども、くどいので1回で打ち止めにしておくが、江本祐介は紛れもない天才だ。ここ1年における、そのメロディーメイカーとして充実は、すべてのポップミュージック愛好家に発見されるのを待っている。


亀島一徳を欠きながらも、ロロの役者陣5人が集結している。ロロメンバーの横並びの立ち姿の美しさよ。圧倒的にキャッチ―なルックス、個性豊かでバラバラで、でも確かに1つの共同体なのだ、という感じ。これはもう本当にただのファン心理なわけですが、このメンバーが青春時代に偶然出会い、1つのコミュニティ(劇団)を結成し、モラトリアムなんて時期をとっくに過ぎ去った今なお、懸命にサヴァイヴし続けている、その事実だけで私は胸がいっぱいになってしまうのだ。さらに、このパフォーマンスにおけるロロメンバーには、楽曲の力によって2017年現在失われてしまったSMAPの質感がトレースされている。あの”CRAZY FIVE”が勢揃いした時の、あの得も言われぬマジカルで無敵なフィーリング。そんな風に頭の中でSMAPとロロをオーバーラップさせていたら、驚くべきことに、1曲目にして涙腺が崩壊してしまった。まずい、これは恥ずかしいぞ、と終始上向きでの鑑賞が始まります(涙がこぼれないように!)。島田桃子が担当した振り付けも見事にSMAPのグルーヴを踏襲していて、「統制のとれたダンス」というのから少しルーズに逸脱していて、フリーダムってやつを体現している。余談になりますが、ロロ男性陣における、野比のび太(三浦直之)が夢に見る、理想ののび太(亀島一徳)、理想のジャイアン(板橋駿谷)、理想のスネ夫(篠崎大悟)という藤子・F・不二雄感もまた超好きです。


『ひらひらの』においては、元SMAPの5人というのを演じてのステージだったわけだが、今回のステージはロロの板橋駿谷、望月綾乃、篠崎大悟、森本華、島田桃子として登場している。よく考えてみれば、ロロの面々が何かの役を演じるでなく、”本人自身”としてその身体を舞台上に晒すのを目にするのは初めてなのだ。パフォーマンスの途中、ロロメンバーが“あの頃”の思い出をそれぞれ連呼していくシーンが挿入される。それに耳をすませていると、舞台を観ているだけでは知りえないロロ固有の青春の一端に私たちは触れてしまう。たとえば「あぁ、板橋くんと望月さんはみんなより年上だから、他のメンバーからは”さん”づけで呼ばれているんだな」とか。そうすると、

あれから 僕たちは
何かを信じてこれたかなぁ

というフレーズが切実さをもって響いてしまうのだな。


ロロ5人がSMAPトリビュート曲を2曲披露した後、いよいよEnjoy Music Clubの3人が登場だ。自然体に緊張している感じがすごくいいぞ。「EMCのラップ道」ではロロメンバーも加わりラップをかます。森本華は板橋駿谷はラップも上手いのだ。とりわけ素晴らしかったのはEMCの3人とロロ女性陣3人が向かい合い、3組のカップルとなって歌う珠玉のメロウチューン「ナイトランデブー」だろう(個人的に1stアルバム『FOREVER』で1番好きな曲だ)。
youtu.be

柿ピーみたいになりたい
僕が柿で
君がピー

というリリックは、今聞いてしまうと、思わず坂元裕二『カルテット』6話の松たか子宮藤官九郎をオーバーラップさせてしまうだろう。とりわけ胸を打ったのが、E+島田桃子ペアでして、Eさんの照れというか島田さんとまったく視線を合わせられない感じに、「この人、ホンモノだ!!」と大変興奮いたししました。楽曲が終わると、そのペアだけが残され、島田桃子がEに向けて「がんばってね」と声をかける。ここでの島田さんの発話もリアルと虚構が揺れていてまことに素晴らしい。島田桃子が舞台を去ると、EMCの衣装を脱ぎ、江本祐介が現れる。舞台上の高まりきったエモみを引き継ぐように、あの大名曲「ライトブルー」が披露される。
youtu.be
このMVさながらに、いわきっ子達が続々と登場し、学校生活での所作をダンスへと変容させていく。その舞いは、直視できぬほどの眩しさを纏った青春の可視化だ。もうここらへんで、上向きに観ていようとも零れる涙。更に、ロロ主催の三浦直之が登場し、ライムをかます。

ベイベー
未来はいつも
100%楽しいから

ついに初披露された「100%未来」は、この度高校生活にピリオドを告げたいわきっ子たちの未来を照らすようだ。ロロ、EMC、いわきっ子、そしてこのパフォーマンスを目撃した観客のこれまでとこれからが交差して、重なり合って、音楽が鳴ることの素晴らしさ。あらゆる分断を乗り越え、混ざり合っていこうという希望の音楽だった。

アイラブユーってゆうかダンスウィズミー
ボーイミーツガールだけじゃもう足りない
ミーツミーツミーツ
出会った 君あなた
僕と私 あの鐘を鳴らそう


ロロ+EMC「ミーツミーツミーツ」


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