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青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

坂元裕二×満島ひかり×松たか子×高橋一生×松田龍平『カルテット』制作発表!!

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あぁ、こんなに素晴らしいことってあるだろうか!この度、情報が解禁されました2017年1月からのTBS火10ドラマ『カルテット』の話です。脚本は我らが坂元裕二!もう、わたくしめなどは”坂元裕二”という4つの漢字の連なりを目にするだけで、心がウキウキしてしまうのであります。『最高の離婚』(2013)、『問題のあるレストラン』(2015)、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(2016)と、1月期のドラマが続いておりましたので、あるだろうとは思い、覚悟はしていたのですが、今回発表された4人の俳優陣の相乗で、結果腰を抜かすほどに驚いた。松たか子満島ひかり高橋一生松田龍平である。ちょっと幸福の許容のキャパオーバーだ。坂元脚本でドラマを繰り広げるこの4人をちょっと想像しただけでも、涙腺が緩んでしまうではありませんか。夢のようというか、まさに”最高の4人”なのです。そんなこんなを色々考えている内に、あぁ、こんなに素晴らしいことってあるだろうか!と、冒頭の感嘆に舞い戻る。



まず、何はなくとも満島ひかりである。坂元裕二と強い絆で結ばれた女優。
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もう坂元裕二にとって、メンターとかミューズとかそういう存在(つまりは筆をとり続ける理由)なんじゃないかしら、と勝手に想像しております。彼女自身も坂元に対して「一生一緒にやっていけたらと思います」「精神的な唯一無二の仲間」と、非常に強い言葉を残している。こうなったら、観る側の我々も「一生ついていくぞ」という覚悟で、上の世代のドラマフリーク達が山田太一と結んだ幸福な関係のようなものを、坂元裕二×満島ひかりと作っていけたら、と考えたりするわけです。『おやじの背中』「ウェディング・マッチ」(2014)、ショートラジオドラマ(2015)、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(2016)と、途切れることなく交感は続いておりましたが、本格タッグを組むのは『Woman』(2013)以来。黒柳徹子の半生を演じた『トットてれび』(2016)を経て、
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更に一皮むけた感のある満島ひかりを坂元がどう描くのか、関心は尽きません。余談ですが、『カルテット』の主人公の名前が巻真紀(まき・まき)と聞き、

名字の満島は、先祖は奄美大島に多い「満(みつ)」という一文字の名字を名乗っていたが、「みつ」という名の女性が一族にいた時期に「みつ・みつ」と姓名が同じになってしまうのを避けるために「満島」と改姓したという

というWikipedeにも記載されている、『徹子の部屋』で披露したエピソードトークを想い返した。



そして、主演に松たか子。意外な事に坂元ドラマへの出演は初とのこと。しかし、坂元裕二×松たか子と言えば、デビュー曲「明日、春が来たら」があります。

そして名前呼び続けて はしゃぎあったあの日
I LOVE YOU あれは多分 永遠の前の日
明日、春が来たら 君に逢いに行こう


松たか子「明日、春が来たら」

なんたるエヴァーグリーンさ。歌唱、楽曲、アレンジ、その全てがマスターピースだ。坂元裕二はその他にも「空の鏡」「WIND SONG」「雨の色」「Hello Goodbye」「東京バード「Girl friend~Angels of our time」「ゆびさき」「a bird」etc・・・など松たか子の初期ディスコグラフィーを彩る多くの楽曲の作詞を手掛けている。

空の鏡

空の鏡

ちなみに、坂元裕二出世作と言えば『東京ラブストーリー』(1991)。主題歌である小田和正の「ラブ・ストーリーは突然に」のあの有名なイントロ「トゥクトゥン」を考案・演奏しているのは、松たか子の夫である佐橋佳幸なのである。余談ですね。松たか子満島ひかりも初共演とのこと。しかし、松たか子の舞台デビュー作である蜷川幸雄ハムレット』(1995)のオフィーリア役は、奇しくもその20年後に満島ひかりによって演じられている(演出は同じく蜷川幸雄)!この結びつき。



松田龍平の起用もこの上ない喜びである。『あまちゃん』(2013)、『ぼくのおじさん』(2016)など、役柄を広げ、俳優として脂が乗り切っている。その独特な発話は、台詞に表層以上の奥行きを与える。初参加となる坂元作品との相性は抜群なのでは。満島ひかりとの共演は『北のカナリアたち』(2012)、『トットてれび』(2016)で少なからず観る事ができる。下世話な話になるが、大ヒットした主演映画『舟を編む』(2013)の監督は満島ひかりの元夫である。また、松田龍平とセットで思い起こされるのが瑛太。『それでも、生きてゆく』(2011)という傑作をして、満島ひかり坂元裕二と共に”精神的な仲間”と評する存在。瑛太松田龍平は共演が多いだけでなく、『アヒルと鴨のコインロッカー』(2007)や『まほろ駅前多田便利軒』(2011)など、表裏一体の役柄を演じる事が多い。新たな精神的な仲間の誕生の予感に満ちているではありませんか。



そして、高橋一生!主演格の4人にとうとう登り詰めたわけであります。朗読劇『不帰の初恋、海老名SA 』(2012)、『カラシニコフ不倫海峡』(2014)の主演に起用するなど、坂元裕二からの信頼に篤い役者であり、『Woman』(2013)、『モザイクジャパン』(2014)、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(2016)など、坂元のドラマ作品においても重要な役所を常に任されている。『民王』(2015)での好演で茶の間への浸透も果たし、今その勢いは星野源と肩を並べるほど。とにもかくにも抜群に巧いカメレオン俳優、次はどんな顔を見せてくれるのでしょう。ちなみに、満島ひかりとの関係で言いますと、HNK連続テレビ小説『おひさま』(2011)が注目。育子(満島ひかり)の悲恋の相手を演じています。今作は他にも、高良健吾永山絢斗安藤サクラ田中圭黒柳徹子etc・・・と坂元・満島ファンにたまらないピースに満ちた朝ドラなのです。



次にスタッフに注目してみよう。TBSというのが何よりの驚きである。フィルモグラフィーを眺めてみても、当該きってのフジテレビっ子である坂元裕二。TBSでの仕事は『猟奇的な彼女』(2008)と『おやじの背中』の「ウェディング・マッチ」(2014)のみ。その『猟奇的な彼女』でチーフ演出を務めていた土井裕泰が『カルテット』でも総合指揮を執る模様。土井裕泰と言えば、『重版出来!』『逃げるは恥だが役に立つ』といった2016年の話題作の印象が強いわけですが、『魔女の条件』(1999)、『ストロベリー・オン・ザ・ショートケーキ』(2001)、『マンハッタンラブストーリー』(2003)といった2000年周辺の傑作群も忘れがたい。個人的にはTBSドラマの印象とイコールで結びつくような作品ばかりだ。ちなみ、土井裕泰は映画の分野でも何本か監督を務めており、その内の1本は、黒沢清が「本当に素晴らしい。間違いなく(2015年の)ベストワンでしょう」と賞賛した『映画ビリギャル』である。ビリギャルの素晴らしさは理解できていないのですが、フジテレビの並木道子にひけをとらない演出力を期待したい。


プロデューサーを務める佐野亜裕美は『ウロボロス』(2015)、『おかしの家』(2015)などで注目を集める新鋭。

素晴らしい4人の俳優陣と、坂元裕二さんとお仕事をするのを夢見てから今日まで、4年かかりました。最初は、まさか実現すると思っていませんでした。この"まさか"が、どんな化学反応を生むのか。これからどんな"まさか"が待ち受けているのか。私自身、誰よりも楽しみにしています。

という言葉にもあるように、何よりも脚本家・坂元裕二に恋をしている感じがいい。この方と満島ひかりが揃っているのであれば、坂元裕二はその作家性を損なうことなく、自由に羽ばたけるのではと期待してしまいます。



HPに記載されている概要を読んでみると、何やらラブサスペンスらしい。

ある日、4人は"偶然"出会った。
女ふたり、男ふたり、全員30代。
4人は、夢が叶わなかった人たちである。
人生のピークに辿り着くことなく、
ゆるやかな下り坂の前で立ち止まっている者たちでもある。

彼らはカルテットを組み、
軽井沢でひと冬の共同生活を送ることになった。
しかし、その"偶然"には、
大きな秘密が隠されていた――。

冬の軽井沢、男女4人の共同生活、弦楽四重奏etc・・・抜群に面白そうではないか!4人の演技合戦がもう四重奏だろう。嘘と本音が交錯し、徹底的にすれ違いながらも、でもそこには圧倒的な音楽が流れている。そんなイメージが湧く。

台本を読み、人間というのはかくも滑稽で、かくも愛しいんだなというのを非常に感じました。画面を通して、「人間ってとても愛すべき存在なんだ」とみなさんに思っていただけるとうれしいです。

という高橋一生の言葉も、この作品への期待を底上げする。坂元裕二は、とかく生き辛いこの世の中で孤独にすれ違う人々を、そのペンで描写し続ける。しかし、そんな中でも人々はテーブルを囲み温かいスープを飲み(『問題のあるレストラン』、恋の喜びは厳しい人生の痛みを忘れさせる(『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』)。坂元裕二が必至に書き記そうとしているのは、宮崎駿の言葉を借りれば

この世は生きるに値する

という、その一点であるように思う。その壮大で過酷な人間賛歌の新章の予告に、今から胸打ちふるわせる毎日なのでした。



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