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ポップカルチャーととんかつ

『おひさしぶりのジョンのサン(from名古屋)真昼のワンマン!」in 高円寺・円盤

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数えるほどしか名古屋に訪れた事のない私が勝手に考える三大”名古屋の至宝”、それは中日ドラゴンズ(荒木と井端の二遊間の頃)、コンパルのエビフライサンド、そしてジョンのサンである。ちなみに、三大から惜しくも漏れたのは味仙、ひつまぶし、K.Dハポン、金山ブラジルコーヒー、”愛知の星”こと諸星大さん、などです。



申し訳ありません。ジョンのサンのライブを観た、という事を書き記しておこうと思いつつも、どうにも言葉にならないので、余談で文字数を埋めようとしています。そう、ジョンのサンのライブを観たのだ。私の中でとても大切なバンドなのだが、2016年にもなって、やっとのことで初めてその演奏を生で聞く事ができた。久しぶりに訪れた高円寺・円盤。小さなスペースでのわずか1時間ほどのライブでしたが、本当に素晴らしい体験でした。狭いステージをメンバーがグルグルと回り、演奏楽器を入れ替えていく様は呪術的。いや、嘘です。それっぽい事を書こうとしてしまいました。呪術的どころか、とにかくカジュアル。ゆる~く、パートチェンジしていました。しかし、あの動線や歌割りの不思議さが醸し出す”シームレス”な感覚は間違いなく、ジョンのサンの大きな魅力であろう。



ジョンのサンの魅力を語るのであれば、言葉がいい、メロディがいい、声がいい(本当にメンバー全員が全員素晴らしいボーカリストであった)、と至極シンプルであるはずなのだけども、それでは何かとてつもない大きなものを語り落としているような気持ちになってしまう。例えばあの脱臼したようなバンドのグルーヴは?しかし、そこに触れ出すと、「ポップソングとは?」「芸術とは?」というあまりにも大きな問いにぶち当たってしまいそうで、躊躇してしまうのだ。とても手に負えない。だけども、そうすると、僅か数小節を彩る為に運ばれてきたラッパやヴァイオリンの”演奏できてなさ”、か細い指弾きの鍵盤の音色、ポータブルレコードプレイヤーから鳴るノイズ混じりのメロディ、そういった細部に宿るメロウネスはどこに行ってしまうのか。でも、やっぱり語りようがない。「万のスプーン、億のフォーク」(2015年の名盤『二人の先輩と一つのポリバケツのための小品』に収録)がかくも私の心を掻き毟るのは何故なのか。
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何故、フォークはスプーンよりも10,000倍も多いのか。わからないけども、好きなんだから仕方がない。



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