青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

橋本奈々未ファースト写真集『やさしい棘』

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良い。まったく、どうしてもオルタナティブなものに魅かれてしまう。橋本奈々未という人は、初めて乃木坂46を観た時から目を引く存在だった。アイドルグループの中において異物感が際立つ大人びたルックスは勿論なのだが、ぎこちなさを覚える佇まいがとても魅力的だと感じた。『やさしい棘』というタイトルに顕著だが、このファースト写真集においても”違和感”のようなものが、美しく肯定されている。この世界に対して居心地が悪そうに見える1人の女性が、圧倒的にそこに”在る”ように見えるいくつかのカットには、思わずハッとさせられた。やさしい痛みを僕におくれよ。


木村紺神戸在住』や佐々木マキ『うみべのまち』が収納された本棚の前に佇んでいたり、カフェで藤子・F・不二雄のSF短編集『気楽に殺ろうよ』を読んでいたりと、サブカル愛好家を狙い打ちした演出は蛇足に過ぎないだろう。いや、そうは言ってもやっぱりグッとは来てしまっていて、「昔、こんな娘の事を好きだったかもしれない」といったようなボンクラ発想も促してくれます。上京したばかりの都会でポーズとしてマルボロライトを吸い、まだあまり友達がいないのでTSUTAYAで『バッファロー’66』とか『トレインスポッティング』とか借りて観ているのだ。好きなミュージシャンはトム・ヨーク椎名林檎。冷たそうに見られるけど、誰にでも優しい。いやはや、いくらなんでも年齢がバレる妄想だ。そういう女の子って今だとどういう映画に涙しているのでしょうね。