青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

最近のこと

腑抜けた一週間でした。水曜日、仕事後にカレーを食べてから『思い出のマーニー』を観る。想像していたよりずっとよかった。高野文子とか保坂和志とか柴崎友香といった作家が描く、時間とか記憶とか空間に関する考察が好きな人にはビビっとくるものが少なからずあるのではと思います。感想に書き忘れていたけど、お祭りで杏奈に何があったのかを、深く聞いてこない大岩夫妻とかよかったな。そういえば、ココイチでカレーを食べると藤子キャラグッズが貰えると店頭に書いてあったので、ウキウキとカレーを食べたというのに、もらえるのは小学生までだった! ayU tokiOの『恋する団地』が飽きることなく素晴らしい。今作のマスタリングを担当したのは、マイクロスターらしく、実に納得の音像。最近では星野みちるのプロデュースなどもされているらしい。Nick Hakimの1stEPもとてもいい。

Where Will We Go, Pt. 1

Where Will We Go, Pt. 1

だいぶ前の音源だが、山下達郎の「DANCER」のトラックをそのまま使ってNicole Wrayが歌っているやつ、やっと聞いた。最高である。



木曜日。私の中では実質金曜日であり、ウィークエンド。浮かれる。とは言え、休む為の準備というのはあるので、残業してから帰宅。最寄りの駅に着いたら、雷と大雨。傘を持っていなかったので、スタバに逃げ込み、本を読んで雨が止むのを待った。レシートで100円おかわりシステムを駆使して2杯のアイス珈琲を飲みほし、『ムーミンパパの思い出』を読み終えた。ほどほどに雨が止んだので、少し濡れながら帰宅。溜まったテレビの録画を消化。西谷弘演出の『昼顔-平日午後三時の恋人たち-』の1話をやっと観た。冒頭10分の画面の充実にとことん痺れた。テレビドラマではそうそうお目にかかれない構図の凝り方。何度も挿入される自転車シーンもこだわっている。

西谷弘は上戸彩のあまりに豊満な胸をどう揺らすか、に意識的だ。『アオイホノオ』1話観、振り切れていて面白い。安田顕庵野秀明がいい。先週の『スペースダンディ』が、湯浅政明担当回でとにかくグニャっとしていた。



金曜日。猛暑です。適当な時間に起きて、『アメトーーク』の「人見知り芸人その後」を観ながら目を覚ました。オードリー若林がやはり素晴らしい。電車に乗り、多摩センターへ。京王線の車窓の風景にグッと緑が増え始め、広くて整然とした道路にニュータウンの香りが漂う。ニュータウンに無性に魅かれるのは、『平成狸合戦ポンポコ』と『耳をすませば』の影響でしょうか。ロイヤルホストでお昼を済ませ、多摩センターのブックオフ保坂和志の『この人の閾』を購入。ライブまで時間があったので、京王バスに乗って、美味しいと評判のケーキ屋さんへ。

バナナベースのモンブランとフルーツタルトを食べたが、これが実に絶品だった。バナナを使ったケーキってなんて美味しいのでしょう。「達郎にも食べさせてやりたいねぇ」と思ったが、山下さんは甘いものが苦手らしい。あまりに暑いので、Twitterで話題になっていた「理想の女子の匂い」というビオレのさらさらシート(せっけんの香り)を買って使ってみたのだけど、ベリーの香りがあまり好みではなかった。そして、いざ会場入り。今回の山下達郎のライブは、ダフ屋対策として、チケット購入者は本人確認証を提示しての入場。提示するとリストバンドを巻かれる、フェススタイル。物販が大行列だったので、CD販売所に並ぶ。直筆サイン色紙が貰えるというので購入。家宝にしよう。販売しているスタッフが年配というか、偉い感じの人達だったのだけども、達郎陣営ともなると、やはりレコード会社の重鎮なのだろうか。そんな人が物販手伝いするのか、という気もするが。さて、いざライブ開始だが、その感想は別エントリーに譲ろうと思います。終演後、物販に並ぶもお目当てのパンフレットが売り切れてしまった。パンフレット売り切れるとかあるのかーと哀しみに暮れるも、ファンクラブ限定販売の『山下達郎CM全集』のvol.1(「イチジク浣腸」最高!)とvol.2を買う事ができたので満足です。家に帰って戦利品を聞きながらソファーでダラダラしていたら、そのまま眠ってしまった。



土曜日。暑さで起床。とりあえず洗濯機を回す。お昼に近所の中華屋でオムライスを食べる。こういう店でのオムライスは『それでも、生きてゆく』の風間俊介の心持ちで食べるのだ。あまりに暑いので、お昼過ぎまで家で過ごした。爆音で山下達郎のライブ盤『JOY』を聞き、青山・伊藤のリズム隊の凄まじさに酔いしれる。お風呂にゆっくり入って、3時過ぎ、自転車で出掛ける。日差しは弱まっていない。途中休憩を挟み、上野〜浅草あたりを流していたので、予期せずして花火を観る事ができた。

隅田川の花火かしら。帰りはグルっと逆から帰る。帰宅して、シャワーを浴び、27時間テレビをずっと観ていた。「さんま・中居の今夜も眠れない」がもう15年以上やっていると知り、驚く。確かに1回目を観た時は中学生とかだった気がする。「さんま・中居の今夜も眠れない」と「明石家サンタ」を初めて観た時の衝撃はなかなか忘れられない。今年印象的だったのは、中居くんの処理スピードが速すぎて、プロセスを省略して先の事を喋ってしまい、周りと噛み合わない、という現象が何度か見られた所。あと慎吾ちゃんと剛くんが本当に仲良しな所です。慎吾ちゃんは楽しい事と驚いた事があると必ずツヨポンの顔を見るか、身体を触ります。かわいー。



日曜日。昨日3時過ぎまで起きていたので、昼頃まで寝てしまった。今日も暑い。中目黒に出かける。トラベラーズカフェでGOMES THE HITMAN山田稔明の『weekend』全曲弾き語りライブを観た。初めて観る山田さんのライブだったのですが、とてもよかった。『weekend』というアルバムのフィーリングが、学生時代の記憶をチクチクと刺激してきて、まいった。弾き語りでよりくっきりと伝わってくる楽曲の素晴らしさ。エレキ、アコギ、ウクレレと伴奏を変え披露された「光と水の関係」「長期休暇の夜」「ストロボ」「何もない日」「猫のいた暮らし」という名曲5連打に、このアルバムが現在、知る人ぞ知る名盤に留まっているのが、改めて信じられない想いだ。

weekend

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入手困難シングル『雨の夜と月の光』のカップリング曲「down the river to the sea」(名曲)もおまけで演奏してくれました。来週のバンド編成ライブが楽しみ過ぎる。来場特典のアイス珈琲とベーグルもとても美味しく、大満足でカフェを後に致しました。中目黒で適当に喫茶店に入って、柴崎友香(祝・芥川賞受賞)の短編集『ドリーマーズ』を読み終えた。
ドリーマーズ (講談社文庫)

ドリーマーズ (講談社文庫)

いやはや、凄いな、これ。何でもない事を書いているようで、実に複雑に階層が絡み合っている。むちゃ興奮した。「クラップ・ユア・ハンズ!」のポテトチップスの豊かさ。表題作の「ドリーマーズ」はいつか誰かに映像化に挑戦して欲しい。外人監督が日本を舞台にやったりしそう。中目黒のブックオフを覗いてから、副都心線で帰る。スーパーでお肉や茄子やおせんべいを買って帰り、SMAPの45分ノンストップメドレーを観ながらワシワシ食べる。しかし、SMAPよかったな。「なんで27時間起きてノンストップで踊り続けなきゃいけないの?」と無粋な事をいう人が必ずいるものだ。そこに「なんで?」を問いかけて、悦に入ってる人ってなんかもう全てにおいてセンスがないんじゃないかしら、と思う。森くんの手紙も泣けたなー。なんかちょっとバカっぽい所が凄いグッときた。



月曜日。三連休明けでクタクタ。仕事も溜まっていたので、ヘトヘトになる。帰宅して、ツナ缶とキャベツを和えたものを食べながら『HERO』の1話と3話を観た。1話の久利生さん城西署登場までの15分くらい完璧だ。脚本にリズムがある。なんせキムタクがかっこよすぎる。城西署のメンバーも新旧含めて一様に素晴らしい。3話の妙なシームレスさもよかったな。久利生さんのソウルのようなものが徐々に蔓延していくのだけども、それが表層では「食べ物」というアイテムに置き換えられているあたりが最高にクール。久利生さんのサマーボーダーシリーズも楽しい。今のところ、完璧な続編だ。