青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

バラエティDVD 心のベスト5

気分がどうしもなく落ち込んでいる時、恋人や友人が家に遊びに来た時などに観るお笑いのDVDというのを何枚か心に持っていたいものだ。個人的に購入するお笑いのDVDはほとんどが単独公演やネタ収録のものになるのだけど、そういうのではダメ。何にも考えなくてよく、誰もが笑えるやつがいい。今後あなたに訪れ来るであろうピンチとチャンスの為に、5枚のバラエティDVDをレコメンドしておきたい。


TBSというバラエティ不毛地帯に、2007年〜2010年にかけて、さまぁ〜ずが耕した豊潤な畑があった。プロデューサーに飯沼美佐子、演出に水野達也、そしてさまぁ〜ず青木裕子アナを固定しながら、『神さまぁ〜ず』『さまぁ〜ず式』『ホリさまぁ〜ず』『マルさまぁ〜ず』とコロコロと名前を変え、放送されていた深夜バラエティ番組。何と言ってもローテーションゲストである、バナナマンブラックマヨネーズおぎやはぎ有吉弘行フットボールアワー後藤、アンタッチャブル山崎ら、今やメインMCクラスの芸人の、ある意味テレビタレントとして最も脂がのっていたであろう時期のプレイヤーぶりを堪能できる点。そして、何と言っても企画の独創性とバカバカしさ。既存のゲームに絶妙なひねりといい加減さを効かせ、新しく自由なものを生み出している。上記の4番組の全ての企画を大竹一樹が担当している。個人的にはさまぁ〜ずの単独ライブ以上に大竹という男のその笑いの才能が発揮されているのではないかしら、と思っています。言ってしまえば、芸人のわちゃわちゃした感じといい、この番組こそが『内村さまぁ〜ず』以上に『内村プロデュース』の正当後継者だったのではないかしら。「言いだしっぺは勝たねば商店街」「インスタント女王様」「自演ハプニングBEST10「スカートマン決定戦」「ナオミシュラン」「思い出し笑い同窓会」「リンリンクイズ 俺たち出会い隊」など名企画をうなるほどあるが、まず1本あげるなら傑作「大竹湯〜トピア」の収録された『さまぁ〜ず式 Vol.3』だ。

さまぁ~ず式 Vol.3 [DVD]

さまぁ~ず式 Vol.3 [DVD]

「大竹湯〜トピア」というのは、趣ある旅館を使用して、大竹の考案した様々なゲームを行い紅白チームで競い合う施設でして、この回だけでお腹いっぱいになるほどの満足度。「うる覚えメイク対決」と「きな粉ダイバー」があまりに面白くて、何度観ても腹がよじれるほど笑い転げてしまいます



2本目は「ポップコーンをこぼすな!肝据わり王決定戦」と「話モリモリ!後藤HIGH&LOW」の傑作2本が収録された『マルさまぁ〜ずvol.4』をオススメしたい。

マルさまぁ?ず Vol.4 [DVD]

マルさまぁ?ず Vol.4 [DVD]

アンタッチャブル山崎とフットボールアワー後藤の名プレイヤーっぷりを堪能して欲しい。特に後藤のリアクションのモリ具合を検証する「話モリモリ!後藤HIGH&LOW」は秀逸。叫んだり、転げたり、吹き出したり、痛がったり、とかこういうプリミティブな笑いの強さに加え、心理戦まで盛り込んだ名企画だ。しかし、何と言ってもさまぁ〜ずだろう。あの永遠に観ていたい感じ。30年に及ばない短い人生における2度のピンチを、『モヤモヤさまぁ〜ず』『さまぁ〜ず×さまぁ〜ず』をひたすら観続ける事で乗り切った経験がございます。祈る、『神さまぁ〜ず』シリーズの深夜での復活!




3本目はゼロ年代以降のテレ朝バラエティの集大成番組のDVD1巻『くりぃむナントカ Vol.1』だ。

くりぃむナントカVol.1 [DVD]

くりぃむナントカVol.1 [DVD]

こちらに収録されている「第一回長渕剛ファン王選手権」は大傑作。あの長渕ソングが延々とループされ、ミニマルテクノのように聞こえ出したら、もう笑い環から抜け出せない。スポ根要素もあり、バカバカしさの中に清々しささえ感じる。この番組やラジオで見せる、有田MC、上田プレイヤーという一般のイメージと逆の編成こそ、くりぃむしちゅー本来の面白さであるような気がする。



4本目は『リアクションの殿堂』(2009)を推したい。

リアクションの殿堂 [DVD]

リアクションの殿堂 [DVD]

ダチョウ倶楽部出川哲郎がテレビでは放送できないリアクション芸に挑んでいく様を有吉弘行が見届ける、名作と呼ぶにふさわしい1本。何と言っても「世界浣腸陸上」だろう。浣腸をした後に、様々な陸上競技を漏らさずに行えるか。もはやリアクションどうこうというより企画のエグさ一発勝負だが、4人のプレイヤー達の雄姿には笑いの中に涙がまぎれる事必至。かつては軽んじられていたが、時代は流れ、昨今ではリスペクトの風潮が強い彼らだが、これを観れば、それもスッと腑に落ちるに違いない。



5本目は大傑作『千鳥の白いピアノを山の頂上に運ぶDVD』だ。

千鳥の白いピアノを山の頂上に運ぶDVD

千鳥の白いピアノを山の頂上に運ぶDVD

これはもう非関西圏の方は絶対に観ておいた方がいい。千鳥が「ロケ芸人」とたたえられている理由が全部詰まっている。「白いピアノを山の頂上に運びたい」という不明瞭な動機の元に進む約3時間の長尺ロケムービー。不明瞭さの中でただただ際立つ千鳥のロケ技術の数々に打ちのめされる事間違いなし。分厚い技の辞典のような作品だ。独特のスローテンポが肌に合わない人もいるかもしれないが、無駄が豊かへ変容して拡張していく様は実にエンターテイメントしている。買ってばら撒きたいレベルの1枚。