青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

としまえんイルミネーション『としッパ!』


この時期のとしまえんはイルミネーションを売りにしていて、いつもは17時に閉園する所を、20時まで(日によって21時まで!)営業している。「としッパ!」なんていって田原俊彦も各所でイルミネートされています。多分だけども、「としまえん」と「トシちゃん」の”とし”が掛かりつつ、「ゲロッパ」を混ぜ合わせつつ「ッパ」の響きに”光”のイメージを託している。なかなか複雑な仕掛けの広告である。それはさておき、この時期は15時以降は1600円で「入園+のりものフリー」のチケットが販売している。15時以降の入園であろうと、空いているのでジェットコースターなどは4〜5回は乗れます。飽きさえしなければ、もっと乗れるだろう。しかし、夜の遊園地に忍びこむだなんて山下達郎の歌みたいで実にロマンチックではないか。夜の遊園地のメロウメス、それはやはり冬が似合う。とてもつもなく寒いけども、夏の夜ではいささか淫靡過ぎるのだ。さて、としまえんの魅力、それはどうしても漂う廃墟感、いやディストピア感ではないだろうか。曇りの日なんかだとなおいい。基本的にお客が少ないので、稼働していない遊具も多い。地上から誰もいなくなったにも関わらず稼働し続ける遊園地を想おう。SFチックで素敵ではないか。


ときに、としまえんの「ミステリーゾーン」というライド式のオバケ屋敷は日本有数の怖さだと思う。怖いというかとにかくおぞましい。お化けや幽霊がほとんど出てこない。ひたすら江戸時代あたりの病気、自殺、差別、拷問といった人間の業をモチーフとしたロボットが稼働している。首吊り自殺をする男、磔にされた女、さらし首、布団をかぶりひたすら膝を屈伸している老婆etc・・・・

とにかく気が滅入る。中盤に登場するどこからともなく聞こえてくるお経と無数の木彫りの僧侶像なども本当に怖い。昔はライド式の「ミステリーゾーン」以外にもウォーク型のお化け屋敷もあった。あちらは都市伝説で心霊スポットとして有名だった。大好きだった「アフリカ館」はずいぶんと前に無くなってしまった。そうそう忘れてはいけないのが100年の歴史を持つメリーゴーランド「カルーセルエルドラド」だ。これに関しては、誇っていい素晴らしさだと思う。

現存する日本最古の遊戯機械とも言われていて、彫刻は木製、馬は全て手造り。ギシギシと音をたてながら回る様が美しい。


肝心のイルミネーションも想像以上の素晴らしさだった。ただ光るだけじゃなくて、電飾が動くのだ。不思議だったのが、このイルミネーション。


どう見ても「9.11」のテロを想起させる飛行機がタワーに突っ込むというモーションが光で繰り返されている。としまえんは世界に警告を発している。それはさておき、夜の遊園地で冷え切った身体は、「としまえん」に隣接する「庭の湯」で温めよう。昼頃から来て、ユナイデットシネマとしまえん(都内随一のIMAXスクリーンあり)で映画観て、15時から遊園地、19時から温泉、そして食事。なんてプランを立てたらも1日かけて最高に楽しく過ごせるのじゃないろうか。オススメです。