青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

さくら学院『デビュー3周年LIVE EVENT』

アミューズミュージカルシアターにてさくら学院の『デビュー3周年LIVE EVENT』を観た。

よ、よすぎた。真ん中の7列目とかなりの良席での観賞だった、という事を差し引いてもこの日のさくら学院ライブはすんばらしかった。少なくとも観てきた中では今年度ベストでしょう。とりわけ前半戦の素晴らしさときたら!1曲目からのその可憐さと迫力に感動しっ放しでずっと目をウルウルさせて観ておりました。何なんだ、あれはアミューズミュージカルシアターの前方の音響はもう爆音のレベルでして、トラックのリズムやギター音は潰れ、1つの塊のように聞こえるのですね。なんかそれがもうハードコアトランスみたいに聞こえてきて、音が潰れて死んでいく中で、少女達が重力を感じさせないダンスでもって地上から浮いた天国のような光景が繰り広げられる、その対比がアンビバレンスでとにかく素敵だったのだ。あのバナナ学園純情乙女組の進化版にすら思えた。

でも、耳は痛かったなー。


パフォーマンスの評価の高いアイドルグループはたくさんいて、おそらく一般的にはその中にさくら学院は入っていない。中学3年生までの成長期限定ユニットという低年齢に加えてお嬢様感漂うヴィジュアルである、仕方はあるまい。しかし、Perfumeでお馴染のMIKIIKO先生の現代芸術に域に突入している振り付け、そしてそれを体現する統制のとれたキレのある激しいダンスの数々を見て頂ければ、彼女達はれっきとしたダンスパフォーマンスアイドルであると認識を改める事となるでしょう。この日のハイライトは間違いなく「もってけ!セーラーふく」でのダンスパフォーマンス。3年前の映像と見比べても数段かっこよく仕上がっていた。チアもジャズもヒップホップもコンテンポラリーも組み込んで、少女の可愛さを最大限に引き出されているではありませんか。ハイライトで全員が肩を組み列となり回転するその運動に、わけもわからず涙腺がくすぐられる。永遠に観ていたいレベルでした。メンバーにおいてとりわけ素晴らしいのは、口を酸っぱくして何度も言うが、水野由結ちゃんのダンスでありまして、観るごとに進化していっている。成長期凄い、の一言なのですが、身体の軽やかさ、しなやかさに加えて表情での表現力まで加わって、凄まじいレベルに達しています。今、観る価値があると言える確かなエンターテイメントの1つであります。
後半戦ではメンバーが企画書を出し実現されたパフォーマンスで、アニメコンビによる「星間飛行」「はなをぶーん」やファンモン好き3人によるファンモンカバーなどなど。「Message」では初代会長も降臨し、神々しいオーラを放ち、人気曲「マシュマロ色の君と」で締め。あの曲が名曲然として響いてくるのがさくら学院マジックかもしれない。現体制での活動も後数ヶ月という事でいよいよエモーションが加速して参ります。まぁ、なかなかハードルが高いとは思いますが、刺激的な表現を求めている方々は何かの機会にぜひ!