青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

『三四郎・浜口浜村・ドリーマーズ3組のライブ(仮)』in空間リバティ


しもきた空間リバティで『三四郎・浜口浜村・ドリーマーズ3組のライブ(仮)』を観てきた。最高でした。ほんとに。至福の空間。漫才ってなんて自由で豊かで美しいのだろうと思いましたね。夢のように楽しい。いや、まぁとにかく笑い転げたのだ。キングオブコントが終了し、燃え尽きたので今は漫才に夢中なのだ。この3組。出囃子に注目してみても、三四郎が銀杏BOYZ浜口浜村はっぴいえんど、ドリーマーズがRAD WIMPSで、ドリーマーズだけ「何か違うよな〜」感が漂っていて、やたらいじられたり、それに応戦したり、とワチャワチャしている感じもとてもよかったな。3組共に男の自分から見てもかわいい。お笑い芸人を追っかけたり出待ちしたりする人の事をバカにはできんぞ、と思った。




しかし、三四郎は今何をやっても面白いんじゃないか、という脂の乗りっぷりだ。いやはや、漫才からフリートークまでひたすら笑わせてもらった。自分ってこんなにずっと笑わせられちゃうんだ、という驚きさえありました。噛もうが、パクろうが、スベろうが、テンパろうが、照れようが、自慢しようが、自虐しようが、どう転んでも面白い。「ニン」と「業」とかいう言葉を持ち出したくなるが、単純に人間として面白いという事でしょう。これが漫才というものか、と思いました。勿論技術も凄い。あのワードの選択とその出力の速さ。三四郎の漫才が今1番スピーディーでパワフルでスリリングな表現だよ!「クリスマスの過ごし方」と「女優と結婚したい」の2本。




浜口浜村の漫才はやはり楽しい、というか愛おしい。「お笑いを好きな気持ち」が具現化して頑張っているような存在なのだ。「演説」と「ダンス」の2本。10月頭にやっていた『浜口浜村の悠々自適 多方面漫才ライブ編』で下していた新ネタの内、「お宝」と「演説」を他のライブでもやっているのを観たわけですが、個人的にはこの2本以外の新ネタのが好きだったのだよな。「動物を重ねると消える」のアドリブ漫才とか浜口さん作の「かき氷」とか最後にやっていた「九つの首漫才」とか枠から外れた漫才をどんどん外のライブでも披露してしまえばいいのに(1番好きだった「九つの首漫才」は他のライブで披露していたらしい)。後、トークコーナーでの浜口さんは素晴らしい。団体芸を考えようのコーナーで、突然「みんなで団子虫になっちゃうってのはどう?」とぶっ込んだのには驚きつつ笑った。浜村さんはどんどんかっこよくなっているように見える。売れな過ぎて太宰的な退廃の美が出ている。個人的には断然スーツのほうが漫才師然としていて素敵だと思う。




ドリーマーズは面白いんだけども、「なんかちょっと違うんじゃないか」という違和感のまま強引に乗り切ってしまう感じが何だかかわいらしいと言うか何と言うか。ワードのチョイスとか間違っているような気がするんだけどもかわいい。「AV男優」と「北海道土産」の2本。「北海道土産」のネタがとても好みだった。


漫才2本、トークコーナー2本の後に、リスペクトカバーネタを1組ずつ披露。これにはテンションが上がりました。ドリーマーズはエレファントジョンの鉄板ネタをカバー。エレファントジョンの半分くらいのスピードで、エレファントジョンの巧さを再認識しました。浜口浜村はナイツのヤホージブリネタ。巧くもないが、そつなくこなしていた。本人達はおぎやはぎをカバーしたかったらしいのだけども、三四郎がやるというのでナイツになったらしい。浜浜のおぎやはぎめっちゃ観たかったなー。そして、大トリの三四郎は、おぎはやはぎでなくナイフを持って登場。漫才ですらないじゃないか!と思っていると、ジグザグジギーの「何この握力」のカバーが始まる。会場は最高潮の盛り上がりで爆笑の渦だった。小宮の池田パートが下手くそかつフリーキーにダンスや表情まで加えていて、笑い過ぎて腹がよじれるかと思った。最後は出演者全員で「何この握力、全然離さない」ダンスで大団円。この前の本音トークでも『キングオブコント2013』の話題になり、浜口さんが「友達が出てたんですよー」、三四郎も「あ、俺も友達」「こっちまで緊張して笑えなかった」など、ジグザグジギーに言及していて、腐女子よろしくホモソーシャルが大好物の私は何だかグッときていたのです。はっきり言って『キングオブコント2013 』 でおおいにすべったジグザグの「何この握力」を、これでもかと爆笑の渦に巻き込んで成仏させてあげたような感じだった。なんて楽しいネタだったのだろう。安らかに眠って下さい。たっぷり2時間、このボリュームで1200円。ドリンク代別とかもないし、コストパフォーマンスがよすぎるのです!