青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

『月刊ウォンブ』8月号 ジオラマシーンLIVE

『月刊ウォンブ』8月号に参加してきた。

こちらは大橋裕之先生のペンによるウォンブ君。会場は渋谷円山町のホテル街に佇むWOMB。とても行きづらい。前にこのエリアの入り口で、ホテルを目印にどこかのお店を目指そうとしている女子中学生3人組がいまして、その前途多難さに微笑ましくなったという思い出がります。と言ってもラブホテルの数は東京より大阪のが多く、東京で言っても渋谷区は4番目らしいです。新宿区、豊島区、台東区に次ぐそうな。そうなのか、最大のホテル街ってイメージあったな。



仕事終わりに嵯峨谷でチャーっと蕎麦を食ってから会場に向かい、厚海義朗トリオとシャンソンシゲル、そしてジオラマシーンのライブを観る事ができました。厚海義朗トリオはその名に反して「4人いる!」というSFバンドだった。ボサノヴァ、荒内さんの鍵盤が気持ちよかった。ジョアンの「3月の水」をカバーしていた。

たまに日本語が混ざる感じが「空耳アワー」ぽくてよかったです。シャンソンシゲルは初めて観たのですが、川副さんではなくて田代さんのユニットだと勘違いしていたので、驚きました。コーラジュサイケデリックを人力で鳴らしていてかっこよかった。アニコレっぽいな、と思った。イベントの最後に行われたプロレス興行も楽しかった。

ceroの高城さんのクレーム芸も面白かったな。



物販スペースに3回目の参加にして初めて突入した。和気藹々とした中にスーツで1人佇むのが怖かったのだ。しかし、どついたるねんの激ヒット物販「陽気なカツカレーTシャツ」の魔力は恐ろしいものだ。最初は「ないだろー」とか思っていたのだけども、あまりに着ている人を見かるし、たまにとてもオシャレに着こなしている人もいたりするものだから、だんだん最高にかっこいいアイテムなのではないか、という気持ちになってくる。

うん、やっぱりかっこいい。で、いざ買って着てみると全然似合わない。これは、あれだ。一時期、一世を風靡したコムデギャルソンの「PLAY」と同じ法則だ。

実にやり手である、どついたるねん。でも、僕はとんかつの研究を始めているし、まずもってカツカレーが大好きなので、買わない手はないよなぁ(後、必要なのは陽気さだ)。しかも「陽気なカツカレーTシャツ」はくだらない「PLAY」のポロシャツだとかの約10分の1のお値段で購入できるのだ。間違いなくマストバイアイテムでございます。



この日は何はともあれジオラマシーンだった。

言わずとも知れたceroのギタリスト橋本翼のソロユニット。いやー素晴らしかった。大好き。管楽器はトランペットにMC.sirafu、サックスにあだち麗三郎、リズム隊はベース厚海義朗、ドラム光永渉。そして、鍵盤は伴瀬朝彦と中川理沙(コーラス)、というこの間のSIFと同じ編成。鉄壁とはこの事か、というメンバー。中川さん(fromザ・なつやすみバンド!)のような本意気の歌い手がコーラスで添えているというのは贅の極みだな、と思った。やや頼りない(とは言えSIFの時と比べるとグッと声が出ていた)橋本さんのボーカルを支えて、よりメロディーを際立たせていた。


「ジオラマ」を冠するユニット名の通り、音が立体的なのだ。そして、青年の生活を高い所から見下ろしてスケッチするかのような俯瞰の視線がジオラマシーンの楽曲にはある。何年か前の情報で恐縮ですが、確か橋本さんのフェイバリットはThe High Llamas小沢健二やKANだったはずで、まさにそれを見事に咀嚼して吐き出したオリジナルかつ豊潤な歌モノが誕生している。歌謡曲のその源流であるソウルやジャズを抽出しつつ、J-POPとしても成立するライティングセンス。小沢健二で言う所の『犬は吠えるがキャラバンは進む』と『球体の奏でる音楽』のブレンドされた、彼が90年代にリリースするはずであったアルバムを現代的に鳴らしているような音像だ。素晴らしきかな、橋本さんのソングライティングセンス。とりわけ「海水浴の夜」は本当に素晴らしい楽曲だ。「もうジオラマシーンはこれで最後になるかもしれませんが」なんてMCで冗談めいていましたが、どうかこのメンバーで録音して欲しいものです。「はたらけ(仮)」とか「熱の星」とかも。The High Lamasなどに傾倒する橋本さん音響設計を音源で堪能したいものだ。