青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

ザ・なつやすみバンド ライブ『fantastic planet rock』


新代田FEVERにて開催された『fantastic planet rock』に遊びに行って来た。出演はザ・なつやすみバンド×ミツメ×森は生きているという、通称「インディーシーン新御三家」と言える素晴らしい3バンドだ。おそらく(旧)御三家は「cero、昆虫キッズ、シャムキャッツ」なのではないかと思われます。もしくは、森は生きている(藤子プロ)、ミツメ(手塚プロ)、ザ・なつやすみバンド(スタジオジブリ)という三大アニメスタジオを代表するバンドの集いでもある。森は生きているというバンド名は『ドラえもん』てんとう虫コミック26巻収録の「森は生きている」に由来すると言われているから「藤子プロ」、ミツメは『三つ目がとおる』で「手塚プロ」、ザ・なつやすみバンドは中川さんが『もののけ姫』のシシ神様に似ているから「スタジオジブリ」、という事ではないかと推測されます。多分ですけどね。


何にせよ、素晴らしいスリーマン、イベント全体の空気も最高。MC.sirafuが森は生きている、ミツメの演奏にも参加。東京インディーズシーン(って言うと怒られるらしいですけど、しらん)の円がまた広がりました。なんと中川理沙(ザ・なつやすみバンド)もミツメの演奏に参加。名曲「煙突」にナイスなコーラスを添えておりました。個人的に、中川さんがピアノ以外でステージに上がった時の佇まいの大ファンだ。所在ないのだけど、歌い出すとはっきりとそこに「いる」感じがするところがよい。今回もコーラスしない場面ではミツメ川辺君の横で一心不乱に何かをシェイクして、間を繋いでいた。最高。


森は生きているもミツメも、文句なしのかっこよさで、ちょっとかっこよすぎて売れるのか心配なくらいにかっこいい。暑苦しさとクールさをそれぞれ持ち合わせた対照的なルックスとヴァイブの2バンドながら、どちらも頼もしいこれからの男の子という感じがする。森は生きているはアルバム、ミツメはシングルをリリースするそう。そして、トリのザ・なつやすみバンド。なんとライブを見るのが2月以来。いやーザ・なつやすみバンド、仕上がっています。スケール感と説得力が格段にアップしている。PAceroでお馴染の得能さんだった事もあってか、その音の研ぎ澄まされ方には、ちょっと圧巻されてしまった。コーラスワークも進化していた。曰く「目指せ!『Pet Sounds』」との事ですので、大いに期待しよう。中川さんがギターに持ち替えて演奏される楽曲は、難解な進行とフォーキーなメロディにまだ少し戸惑っている所。7月にシングル(8cm短冊の上に4曲中2曲はオリジナルカラオケバージョン!)としてリリースされる「サマーゾンビー」の素晴らしさは、その一音一音に全身が震え、涙が零れそうになるほどだ。イントロの「せーの」からフックだけで構成されているような奇跡のポップナンバーだ。ジョージ・A・ロメロが「ララララ」と腐肉を撒き散らしながら歌い出すかのような、圧倒的な幸福感は正しきポップソング、そして、これこそが「J-POP」であって欲しい、と願うばかりです。MC.sirafuの作るポップソングの飽きさせる事を許さない構成力とオカズの入れ方よ。きっとアイドルのプロデュースとかさせたって絶対に超一流であろう。また、もう一方のソングライター中川理沙のポップセンスが全開に振りきれた「めくらまし!」のユーフォリア感といったら。そして、アンコールで披露された「悲しみは僕をこえて」に涙ぐむ。あのイントロの音色の連なりこそが、私にとってのザ・なつやすみバンドで、私の遅れてきた青春、すなわち青春ゾンビなのでございます。