青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

最近のこと(2013/03/01~)

今年はスイッチOTCの花粉症のクスリ飲んでいるのですが、効いている気がする。例年に比べるとかなり楽です。効く上に、眠くなったり、喉かわいたりしない。病院行かないで、このクラスの薬が手に入るのはエポックメイキングだ。間違えて2錠飲んでしまった時はかなりドープに気持ち悪くなったので、確かに効くのだと思う。どんどん効くのだと思いこむ。プラセボプラセボ。しかし、今年のやつは特に目がやれる。


先週、新宿のルミネTHEよしもとにてTHE MANZAI』のイベントで認定漫才師17組の漫才を堪能した。個人的に断トツで面白かったのはトリを務めたアルコ&ピース。舞台に登場する際の動線の練習を行い続けるという漫才のフォーマットをいじくるコントチックなメタ漫才だったのだけど、クレーバーかつ演技力と言葉のキレ味が抜群だった。「漫才師はそれぞれの円孤を持っている」というキラーフレーズだけで決まりだ。酒井演じる頭の弱いヤバ目の奴、そんな彼に優しく漫才を教える平子、という関係性に異様に奥行きがあって、連続物のコントシリーズのようだった。磁石、ウエストランドハマカーン囲碁将棋などご贔屓にしているコンビはどこも軒並み面白かった。流れ星は「山-1グランプリ」効果もあって、今年あたり売れそうだ。断トツでひどかったのがスリムクラブで、ネタを終えずに退場していった。なんでも内間が尋常じゃなく緊張していたらしい。ジャルジャルのネタの新しさにはなんとか追いついて行きたい。今回やっていたネタは、表層はベタなのに、裏で脱構築を繰り返していく、という感じでとても刺激的。ついていきたい。圧倒的なルックスの華やかさにも驚く。オーラがちょっと違った。冷静に考えると『めちゃ×2イケ』レギュラーなんだものな。



土曜日は久しぶりに街へ出て買い物をして、新文芸坐のオールナイトへ。あそこのスタッフの人の声は何年経っても変わらず吉田照美で安心致します。しかし、春の真夜中に大人たちが集まってドラえもんを暗闇で観るワクワク感よ。昔は毎年やっていたそうなのだけども、アニメのスタッフが新体制になってからはこのような旧作を上映するイベントは初だったらしい。これからもちょくちょくやって欲しいものです。しかし、もうオールナイトがしんどい年齢になって参りました。学生の頃と違って貴重な日曜日を棒に振るのも惜しいのだよな。案の定、日曜日は午後まで寝て、そこからさまぁ〜ずのDVDを観たり、中華を食ったりして過ごした。録画していた『最高の離婚』8話に痺れる。その素晴らしい脚本と演技に、「すげーすげー」と声をもらしながら見入ってしまいました。瑛太真木よう子の元恋人2人との会話が敬語というズラしが面白さを生んでいた序盤から、いよいよタメ口への振り戻しが来て、抜群にエロい。敬語→タメ口、この瞬間は人間関係の中でエロランキング上位に入る。真木よう子ジュディマリで2番目に好きな曲を当てる、という実に居酒屋クオリティーな会話の中に宿る豊かさ。絶妙だ。

デヴィッド・O・ラッセルの『世界にひとつのプレイブック』を観た。個人的にはいまいち。物語の骨格にあるカウンセラー、アメフト、スポーツ賭博に馴染がないので、ピンと来なかった。というか「共感度100%」というコピーがついていましたが、日本人はほとんどの人がピンと来ないのではないかしら。そもそも登場人物の行動原理が理解できなくて、そこありきで発生するドラマに乗っかっていく事ができない。大きい声の演技合戦が好きな人に最高の映画かもしれない。ブラッドリー・クーパージェニファー・ローレンスを追いかける前に、わざわざデニーロが出てきて、「何故走るのか」を全て台詞で説明してしまう。ラッドリーとジェニファーがダンスでもって、フィジカルとメンタルの距離を縮めていくのに対比するつもりなのだろうか。ときに予告編の感じからすると、てっきりハイライトシーンでStevie Wonderの「My Cherie Amour」でダンスするのかと思っていたのですが、「Don't You Worry 'Bout A Thing」でした。どちらも名曲には変わりないが。なんせ「Don't You Worry 'Bout A Thing」には小沢健二の「天気読み」が入ってますからね(逆)。カメラがサーっと引いていく所は興奮した。



DVDで観た沖田修一『キツツキと雨』がとても面白かった。

キツツキと雨 通常版 [DVD]

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沖田修一は脚本を書くのが上手な人だ。シーンが全部途中で終わるような感覚を持続したままどんどん繋がっていく。それが妙に気持ちいい。顔が髭で覆われていない古舘寛治が新鮮だった。『南極料理人』『キツツキと雨』を続けて沖田作品を見てみて、改めて『横道世之介』でその手腕はいよいよ突き抜けた、という印象でして、もう既に次作が楽しみ。そして、『横道世之介』は2013年ベストの可能性も高いぞ。まだ観てない人は劇場に駆け付けるべき。『横道世之介』で唯一のれなかったのが伊藤歩のパートなんですが、みなさんはどうなんでしょう。伊藤歩に魔性の女としての説得力に欠けていませんでしたか?高良健吾がどんどん好きになってきて、より隙のない世之介と言えるキャラを演じている山下敦弘の『苦役列車』を見返したくなってきた。『犬猫』『人のセックスを笑うな』という2つの傑作を撮ってから長い沈黙が続いている井口奈己がオムニバス短編に参加する、という報にむやみやたらとテンションが上がる。井口奈己の映画は好き過ぎて批判している人を見かけると殴りかかりたくなるほど、それほどに好きです。



金曜日は仕事終わりにクエンティン・タランティーノの『ジャンゴ 繋がれざる者』を観た。面白かった。後ろの席が外国の人で、とにかく笑っていたので、やっぱりタランティーノは英語がわかるほうが面白いのだろうなーと改めて思いました。映画の前にサブウェイに行ってみたらタマゴに加えてツナも復活していた。サブウェイが原点回帰している。眠る前に『アメトーーク』の「スネ夫憎めない芸人」を観る。芸人達の原作読み込みっぷりが清々しい。スネ夫のパパのアメリカのお金持ちの友人の名前が「ミリオネヤ・カネダ」の名前パッと出せたのには感心して笑ってしまった。1コマしか出てきてないのに。



土曜日、『めちゃ×2イケてる』の「ヨモギダ少年愚連隊」を楽しむ。本来は名のない所謂テレビ的に言えば「素人さん」の人生がかくも刺激的で、それでいて「いい人生です」と本人が感慨を込めて言うまでの17年間をチラリとだけども覗く事ができてよかった。構図としては、ナインティナインは完全に天使なわけなのだけども、気まぐれにちょっかいを出し続けながらも、見つめ続けてきた天使と人間のドキュメントを、単純に”絆”の話として楽しみたい。やいやい言いたくなる気持ちもわからないでもないが、ちょっとそれは野暮な気がする。しかし、岡村復活回の矢部との抱擁のシーンは何度観ても泣いてしまう。あの矢部の「大丈夫、大丈夫」と小さく優しく囁く表情にやられてしまう。



日曜日、旅先から新宿眼科画廊で開催されているグループ展『杏窪彌(アンアミン)とジャイアントパンダにのってみた』に寄る。お目当てはじゅんじゅんの『せしぼんEP』でございます。リリースの報を聞いてから、早くゲットしたくてソワソワしていたので買えてうれしい。会場では杏窪彌の曲がエンドレスでかかっていて、しばらく頭から離れなかった。杏窪彌も気になっていたけど、買い損ねたなー。

100人中96人が「相対性理論」と思うだろうけど、独自色が強くなっていったらおもしろそーだ。



家で『最高の離婚』9話を見直す。『最高の離婚』は必ず2回以上は見るようにしています。あの鍋のシーンからそれぞれが家に帰るってとこでドラマが終わってしまっても納得しちゃう。演劇だったらあそこで終わりそう。けど、まだ2話くらい残しているというのだからテレビドラマというのはサービス精神が旺盛である。一部の地域を非常にやきもきさせていた「金魚カフェの客として必ずライターの磯部涼さんがいる問題」が解決致しました。

ケチン・ダ・コチンという芸人だったらしい。単独DVDすら出しているらしいが、全然知らなかった。あと今週は『それでも町は廻っている』と『よつばと!』の新刊が読めたからシアワセ。

それでも町は廻っている 11 (ヤングキングコミックス)

それでも町は廻っている 11 (ヤングキングコミックス)

よつばと! 12 (電撃コミックス)

よつばと! 12 (電撃コミックス)

この2作品は10年代の至高だな