青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

フジロッ久(仮)LIVE in 早稲田ZONE-B


フジロッ久(仮)の最高の新曲を聞く事ができた。SEVENTEEN AGAiNのイベント『FUCK FOREVER』にて。ayU tokiOの演奏には間に合わず。会場で会う人がみな口を揃えて「素晴らしかった」とこぼしていた。なんでも、日本語楽曲がついに披露されたのだとか。タイトルは「恋する団地」とかなんとか。無茶苦茶よさそうではないか。しかし、フジロッ久(仮)の新曲も凄かった。「はたらくおっさん」でパブリックイメージが凝り固まっていたバンドのネクストステージだタイトルは「シュプレヒコール」である。シュプレヒコール=集団のデモンストレーションなどで、一斉にスローガンを唱和すること。これはもうゴリゴリに攻撃的なパンクナンバーなのかと思っていたわけですが、違った。まるで小沢健二がある日突然パンクミュージックに目覚めたかのような、スウィートで、ロマンティックな抵抗の音楽だったのです。歌詞をきちんと聞きとれたわけではないのですが、なんとなく”美しさ”について歌った曲だったように思う。ポップソングと言ってしまってもいいかもしれない。しかし、それはセルアウトなんかでは微塵もなく、今の世の中への確かなカウンターパンチであるように感じた。童話の『北風と太陽』みたいだ。改めて、あーこういう反抗の仕方、パンクのやり方もあるのだな、と感心してしまった。鍵盤の美しさと、ギター、リズム隊の暴れっぷり、そのアンビバレンツな感じがとてもいい。しかし、何より歌とメロディーがいい。元々フジロッ久(仮)はパンクバンドながらメロディーセンスに富んだバンドだったのだけど、なんだかもう「うたは自由をめざす!」(©ソウルフラワーユニオン)ってな感じなのだ。フロントマン藤原亮が音楽前夜社ジャポニカソングサンバンチで魅せるその歌心はフジロッ久(仮)の音楽にも大きな変化をもたらしていくのかもしれません。楽しみでならない。