青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

Antonio Loureiro『So』

Antonio Loureiroの2ndアルバム『So』でございます。

ソー

ソー

TLでPVのリンクが流れてきて気になったので、ワールドミュージックコーナーにて大きく展開されているタワーレコードで試聴して即購入。これがちょっと驚くほどいいのだ。

ブラジルのポピュラー音楽の中でもミナス・ジェライス州という地域のそれはちょっと独特な進化を遂げていて、愛好家も非常に多いらしい。ミナス音楽。それは、ブラジル音楽=ボサノヴァという認識で止まっている私にはそうとうに刺激的な音楽でありました。調べてみると、ブラジルという土地柄ゆえに、アフリカ音楽のリズム、ヨーロッパの教会音楽のハーモニーなど多民族の音楽が組み合わさっているのが特徴なのだそうです。そこにボサノヴァでお馴染の言葉の響きコード感、何故だか知らないけどジャズの混沌やプログレシッブロックのような超絶展開も加わっていて、それでいて所謂西洋のポピュラーミュージック然とした親しみやすさを携えているという超ハイブリットミュージックなのだ。そのミナス音楽に更なる進化を加えようとしているのがこのAntonio Loureiroというシンガーソングライターなのだそうだ。

若干26歳!そのライティングと歌心もさることながら、ピアノ、ギター、ドラム、マリンバ、ヴァイブラフォンなどを多数の楽器を操る天才マルチプイレイヤーでもあるというのだから驚きです。アルバムは多重録音を中心にブラジル音楽界の豪華ゲスト陣迎えて制作されたものなのだそうです。さすが新世代という感じに、前述したミナス音楽のハイブリット性に更に多様な音楽性の幅を加えている。テクノ、アンビエント、ノイズを通過した耳にも充分に刺激的な音響となっていると思う。とにかく楽曲がどう展開されているのか全く読めないスリリングな興奮というのを久しぶりに覚える。と同時に音色の洪水に恍惚として溺れてしまう。理解が追いつかないまま気持ちよくなっちゃう感じってかなりヤバいんですが、それでいて下品な所が一切なく高貴なまでのインテリジェンスを感じてしまうその音楽性、惚れ惚れ致します。難し過ぎてよくわからないのだけど、土地の歴史につてい言及している歌詞。そういえば、この音楽の喧騒と静寂からは街、都会を想起させる。これがブラジルのシティポップなのだろうか。まぁ、とにかく、私はAntonio Loureiroの音楽によって、切り開かれていく、どんどん世界が広がっていく感覚を取り戻したような気がするのです。必聴ではないでしょうか。