青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

GORO GOLO&ジャポニカソングサンバンチ LIVE in 新宿LOFT


これを書いている今も思い出しては、興奮でソワソワしてきてしまう。今年1番の衝撃だった!と大風呂敷を広げたい。「新宿LOFT presents ザ・ロフト飲み会」にてGORO GOLOとジャポニカソングサンバンチのライブを観たのだ。GORO GOLOは東京を中心に活動するバンドで、ちょうど10年前の2002年にUKプロジェクトからアルバム『Times New Roman』を1枚出している。プロデュースはなんと角張渉だ。当時は西荻WATTSというライブハウスを中心にシーンを築いていて、今のカクバリズムの礎もそこらへんで形成されたとかなんとか。しばらくバンドは停滞していたようなのだけど、めでたく活動再開。GORO GOLOの音楽をジャンルでカテゴライズするのは不可能に近くて(適当な言い方をすればファンキーパンクポップファストチューンだ)、列挙するのもアホらしくなるほどにあらゆるジャンルを飲みこんで凄いスピードで吐き出したら、生命に訴えかけてくるビートとメロディーが生まれた!というような感じ。すぐ始まってすぐ終わる。何回も生まれたり死んだりするわけです。祝祭と鎮魂のビートである。そうそう、「ゴッド・セイブ・ザ・ダンシングクイーン」という曲があって、本人達が「Sex PistolsABBAを演奏しているような、まさにGORO GOLOの音楽の事じゃないか!」と叫んでいて、そういった形容が許されるのであれば、僕はGORO GOLOを「小沢健二の『LIFE』の多幸感を倍速で駆け抜けるような音楽」と例えたい。

フロントマン、スガナミユウの圧倒的なパフォーマンスと顔を観てもらえれば、そんな形容にもうなずいてもらえると思う。なんであんな新宿地下の小さなライブハウスにサム・クックとか岡村靖幸みたいな男がいるのだ、という感じですよ。場をロックしてエクスプロードさせておりました。そして、鍵盤ハルカの奏でる音が凄い。鍵盤弾くならこんな音を鳴らしてみたい!と思わせてくれる快楽のツボを抑えた音色。跳ねたビートをより弾けさせてしまう。むちゃくちゃかっこよかったなぁ。そして、とにかく演者が楽しそうでそんでこちらも楽しかった。


では、そんなスガナミユウとハルカの2人が中心となって結成された音楽前夜社とは一体何ぞや、という話なのですが、HPもメンテナンス中でいまいち全容が見えてこない。何となくわかっているのはMAHOΩとジャポニカソングサンバンチという2つのユニットを中心に色々なメンバーが出入りする集団のよう。


スガナミユウはそれぞれのユニットのプロデュース、楽曲提供などを手掛けているようです。あんなパフォーマンスを行いながら、MAHOΩ、ジャポニカソングサンバンチの珠玉の楽曲制作までこなすなんて。これはもう疑う事なき天才だ。


ライブに話は戻ります。GORO GOLOがフロアを最高に盛り上げた後はジャポニカソングサンバンチの登場。池袋オルグで観た初ライブ時よりグッとバンドの方向性が定まっていた。テンションの高い演奏がスウィングしている。ジャポニカソングサンバンチって日本にかつて存在した「大衆音楽」ってやつをそのルーツまでさかのぼって丸ごと復活させてやろう、という試みなんじゃないだろうか。歌がとにかく良い。フロントマン2人の華やかさは目を見張るものがあります。その内の1人フジロッ久(仮)の藤原亮の歌の上手さときたら。彼普遍的なナンバーを歌う姿がもっと観たい。とにかく、これからもっともっと凄くなりそうな、音楽前夜社に期待なのだ。