青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

error403『うまれてしぬ』

『DIORAMA』3号に掲載されているerror403による『うまれてしぬ』がお気に入りでよく読み返している。

説明するまでもないと思いますがerror403とはtwitterでは10万人(!!)以上のフォロワーを持ち、ネットでイラストや漫画も発表している新進気鋭のアーティスト。


言葉と絵の魔術師。多くの人を魅了してやまない彼はなんと現役の武蔵野美術大学の学生らしい。所謂アルファネタツィッタラーというやつで、Favstarで確認できる彼の人気ツイート

「お前にサンを救えるか」「サンとかけて、太った金魚と解く」「その心は」「すくえない」「黙れ小僧」

肉じゃが作って友達に見せたら「おかあさんみたい!」と言ったので、ずいぶん残酷な死に方したんだなぁと思った

いや、何かこうバイーンとツイートだけ抜き出しちゃうと笑いづらいかもしれないですけど、TLにフッと流れてくる時の破壊力ったらないですからね。しかも、何が凄いってここにあげたこのツイートが飛びぬけてクオリティが高いというわけでもなく、3年間くらい同一のクオリティでつぶやき続けているって事。しかもインタビュー(http://careerhack.en-japan.com/report/detail/21)を読んでみると、「リプライをしない・フォロー返しをする」「決まった時間にポストをする」「時事ネタ、下ネタはNG」など、徹底したルールを自身に課しているよう。そうなのだ、彼のツイートはただ面白いだけでなく、美学を感じる事ができるからよいのだよなぁ。昨年開始されたセブンイレブンのネットプリンタを使用したフリーペーパー「エラ通信」に衝撃を受けた人も多いはず。

「エラ通信」というのは「erro403が下書きなしで書き殴る学級通信的読みもの」でして、セブンイレブンに行って、彼がTwitterで公開した認証コードを入力すると、20円(!)にて「エラ通信」が紙として打ち出されてくるのです。このデジタルとアナログの絶妙な繋ぎ合わせ、距離なんてものを簡単に飛び越えながら、温もり(印刷した紙は本当にホクホク)をキープする、この天才的な思いつきに「革命だ!」と興奮したものです。なんでこの発明を日経とかが取り上げないのかしら、と首を傾げるレベル。


で、『うまれてしぬ』のなのですが、まずもって無機質なようでいて温もりのある絵がいい。主人公が生まれてから死ぬまでを数ページで描くわけですが、ラストに主人公はその数ページを虫食い状態にした(↓こんな感じ)

台詞をつなげてメッセージを伝える。「確かにチッポケそのものだったかもしれない。しかし、小さい幸せに満ちていたよ」と。そのギミックにまず快感と感動を覚えると共に、人生の数ページの一部分を使って描かれる事で、「小さな幸せに満ちた人生」とい彼の実感が、もしくは「全ての事に意味がある」という真理が、文字通りと言えばいいのか、可視化されると言えばいいのか、とにかく目に見えてくるという凄味がある。「エラ通信」」同様に技法とエモーションが同レベルで出力できる、新しく素晴らしいアーティストの登場に胸が震えるばかりだ、なー。