青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

moscow club というバンド


moscow clubというバンドに夢中だ。驚くべき事にほぼ全ての音源がbandcampでフリーダウンロードできてしまう。しかし、この人達が何者なのかさっぱりわからない。「moscow club」とgogleで検索してみると、当然のようにロシア語が飛び出してくる。「moscow club バンド」とか入力することで、なんとか東京出身の4人組のバンドである事だけはわかった。ライブも東京で行っているらしい。HPは実にクールなデザインだ。日本語はほとんど発見できない。歌詞も全て英語。EPのジャケットもいちいちいかしていて、徹底したバンドイメージの統制が窺える。ここまでかっこつけられると、素直にかっこいいと思ってしまう。およそ日本人が鳴らしているとは思えない、海の向こうのインディーズシーンとの鮮やかなリンクを感じさせるサウンド。ニューウェーブ、シューゲイズ、チルウェイブ(音源にはTORO Y MOIのカバー曲などもあり)・・・印象的なシンセサイザーの音色の選択とネオアコ経由といった感じの美しいメロディーが、多彩なサウンドに統一感をもたらしている。現在の最新音源であるEP『RADIO VIETNAM e.p.』なんかはちょっと日本人っぽさも感じとれる歌謡性も登場していて、これがまたいい塩梅なのだ。海の向こうのインディーバンド群と比べても圧倒的にいい曲を書いている。

どんな生活を送っているとこんなサウンドを鳴らせるのだろう。個人的には生活に軸を置いた音楽が最近は好みだったりするのだけど、なんかこういったミュージシャンの「クールネス」の復権もまた一方で必要な気がしている。憧れたい。フリッパーズギターに憧れてボーダーシャツを求め、アニエスベーにおそるおそる足を運んでみる、みたいな現象をリスナーに作用させてしまうバンドが必要ではないだろうか。moscow clubのEPのジャケットのポスターを部屋に飾りたい(恥ずかしい)。なんなら小沢と小山田がORNGE JUCEのジャケットをコピーして持ち歩いていたようにmoscow clubのジャケットを持ち歩こうではないか、若者よ。そういう存在をフリッパーズギターから更新してもいい頃合いなのだ。riddim saunterなき今、その役割はこのmoscow clubに託されるのではないでしょうか。



追記:コメントで頂いた情報で、moscow clubのギターはあのミツメのギタリスト大竹雅生だそうです。どうりでいいバンドです。