アトリエヘリコプターにて五反田団『五反田怪団』を観賞。今年もサイコーに面白かった。ようは役者何人かの怪談話を聞くだけなんですが、なんというか旅先で夜に布団を並べて話すあの楽しさに参加しているような気分になれるのがたまらない。2部で披露される大ネタの、肉体を伴わなずして演劇作品として成立させてしまう演者の力量に圧倒される。サラっとやっているけど、あれは結構凄いと思う。
なんとこの怪談イベントは今年で6年目らしい。しかし、動員は年々減っているとか。確かに私の行った初日はビックリするほどガラガラだった。あんなにも面白いのに！こうなってくると一体何をモチベーションこのよくわからないイベントを続けているのか、って話なんですが、もしかして前田司郎が「陰惨な」とか「禍々しい」とか「おぞましい」とか「警鐘」とかいう類の言葉を音として発してみたいだけなのじゃなかろうか、という気がしてきましたよ。しかし、それはそれで素晴らしい動機だ。前田司郎の話術が僕は1番好きだ。
何の括りの中で1番なのかはよくわからないけど、とにかく1番好きなのです。脱力しながらも、言葉のチョイス、間、表情、発想力、どれもピカイチ。心酔しています。個人的に、これは高校生の頃におぎやはぎ矢作に出会った時以来の衝撃。今回披露していた彼女と温泉宿に泊まった話も秀逸過ぎてゲラゲラ笑った。怪談と恋バナ、もしくは幽霊と彼女の間でグラグラ揺れながら、展開して最終的に「宇宙人に記憶をすり替えられた」という大オチに辿り着く力量ったら。
オカルト研究家の吉田悠軌の話術も実に巧みだ。
普通に役者さんだと思っていたのだけど、本当にオカルト研究家らしい。何年か前に九龍ジョー先生の企画で『吉田ゆうきサミット』という同姓同名であるNRQの吉田悠樹（漢字は違う）が二胡を弾く中で怪談を披露するというイベントがあったらしい。くだらねー。最高！ぜひまたやって欲しいです。
