青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

神戸旅行

うつくしきひかりのワンマンライブついでに2泊3日の神戸旅行に出ておりました。東京駅から新幹線。やっとこの歳になって東京駅の構造を少し把握してきた、ような気がする。六厘舎の場所も把握。後はあのイノダ珈琲が入っているビルにどうやったらスムーズに行けるのか、です。駅弁は「牛肉どまん中」にしました。学生時代貧乏旅行過ぎて、せっかく米沢駅から電車に乗ったのに食べる事ができなかった悔しさが忘れられず、「牛肉どまん中」は見かけると買ってしまいます。



しかし、神戸というのは大阪と違って関西に来た、という感じのしない街ですね。いい意味でも悪い意味でも雑多さがない。とても住みやすそうですが。横浜と神戸があそこまで似ているのは何故なのか知りたいので、今度調べてみよう。神戸初心者なので、ベタにポートタワーもモザイクななんかにも行ってきましたよ。

わーtofubeatsの「水星」のPVの場所だー。横浜のタワーは青だけど、神戸のは赤なんですね。

北野異人館にも行く。スターバックス異人館。素敵でしたが、スタバってもともと異人館テイストです。三大夜景と言われる摩耶山にも行きたかったのですが、この季節だとなかなか暗くならないし、バスはすぐ終わってしまうし、断念。バスの路線も複雑だし、歩くにはどこも遠くて、ちょっと移動が難しかった。神戸観光を満喫するには車が必要かもしれませんね。




とにかくひたすら食べまくる旅行でした。元町駅近くの有名なお肉屋さん「森谷商店」のミンチカツ。

神戸牛の旨味と玉ねぎの甘味を堪能できて、120円。これは安い。コロッケも頼めばよかった。当然のように「ミンチ」を受け入れていましたが、「メンチ」じゃないのか?と調べてみると、関西だけが「ミンチ」と呼ぶらしい。「メンチを切る」のメンチとかぶるのを避けたためだとか。なるほど。でも、「メンチ」のが美味しそうと言うか、「ミンチ」はなんか人肉を想像してしまうと言うか、それって絶対コーエン兄弟のせい(『ファーゴ』ね)。「双平」という洋食屋でもミンチカツを食べましたが、こちらも美味。

ドビーソースなるちょっと苦みのあるデミグラスソースが初めて食べる味で驚く。夫婦2人で実に手際よく動き、満員の店内を回しているのも気持ちよかったです。
朝食に食べた「元町サントス」という喫茶店のホットケーキ。

分厚いのにごわついたり生焼けだったりせず、しっかりとフンワリ焼けていて感動。珈琲もたっぷりサイズで美味でした。
「たちばな」の明石焼き

何気なく入ったものの、庶民派老舗感たっぷりでイカしていました。明石焼きってちゃんとしたのを初めて食べたんですが、あんなに卵のようなフワトロ感なんですね。薬味の三つ葉を入れて出汁も美味しかった。
中華街の「老祥記」の豚まん。

3個で270円。行列していますが、わりとすぐに入れます。見栄えはよくないのですが、皮モチモチで肉汁たっぷり。辛子を付けて食べる!メイン広場にある屋台の神戸牛のお店は値段のわりにたいした事ないのでオススメしません。ホテルのすぐ隣に天下一品があったというのに訪れる事ができなかったのが心残りだ。





帰りの電車ではひたすら読書をしようと決めるも、いまいち硬い本は読む気がしなかったので、何か物語にのめり込めるものを、とかねてから読もうと思っていた辻村深月の『凍りのくじら』を購入。

凍りのくじら (講談社文庫)

凍りのくじら (講談社文庫)

藤子F不二雄への愛に溢れた作品と聞いていたので、おおいに期待していたわけですが、ちょっと望んでいたのとは違ったかもしれない。藤子イズムの「SF(少し不思議)」の物語への挿入がいびつなのと主人公のイケすかなさがくだらなすぎるのが気になる。「いるはずなのに、本当はいつもここにはいない気がする」みたいな言葉遊びの孤独にはうんざりなのだ。後、「ここでそんな語彙しか出てこないなんて」とか「語彙のなさが」と、とにかく語彙って言葉を連発するのが、ツッコミどころがありすぎる。とにかく頭がいいという主人公をそこまで頭がよくない人が書いている印象を持ってしまう。
「別所」と「若尾」という青年に「野比のび太」の将来の陰と陽の可能性をそれぞれに託したのは巧い、とうなりました。しかし、「ドラえもん」のイメージを託された「郁也」のエピソードの貧弱さには参る。「名声ある指揮者の隠し子が本妻の子より才能があって・・・」という手垢まみれの構造をそのまま借用しているのは、作者の長編に挑む体力のなさからくる息切れとしか思えない。とは言え700ページ超えの作品ながら気になって全部読んでしまったのだからつまらなかったわけではないと思う。でも、ですね!これであったらよしもとばななが藤子先生に捧げた『デッドエンドの思い出』や、先生が娘に最後にプレゼントした本という北村薫『スキップ』をオススメしたい。
デッドエンドの思い出 (文春文庫)

デッドエンドの思い出 (文春文庫)

スキップ (新潮文庫)

スキップ (新潮文庫)

そういえば、『凍りのくじら』は藤子F先生の人柄の素晴らしさに触れているのがよかった。家族への愛のエピソードとか大好物です。僕は就職面接で「尊敬する人は?」の問いに「藤子F不二雄先生です」と答えて落とされている人間ですから。




もう1冊買った朝倉世界一の新刊『春山町サーバンツ』はよかった。

春山町サーバンツ 1 (ビームコミックス)

春山町サーバンツ 1 (ビームコミックス)

デボネア・ドライブ』の衝撃には及ばないが、カット割、構図、設定、キャラクター描写、台詞回しとどれをとっても秀逸で、現代の作家の才能は小説より漫画に集まっていやしないか、と本気で思ってしまう。




あっという間に4時間。東京に着いたらとても肌寒くて、なんかちょっと違う街に見えた。旅行はやっぱりいい。