青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

うさぎストライプ『おかえりなさい?』&Q『地下鉄』

うさぎストライプ『おかえりなさい?』をアトリエ春風舎で観劇。

家から近いし暇なので何となく足を運ぶ。劇団名から連想される、ぬいぐるみハンターみたいなのを見せられても我慢しよう、くらいの気概で挑んだのですが楽しめました。どうにもこうにもマームとジプシーの影がちらつくのですが、比べてしまうとリフレインも役者の運動量もぬるい。しかし、よく考えてみるとうさぎストライプの運動は役者に負荷をかける手段というよりは、通底していた感情が身体に滲み出てきてしまったものであると思うので、マームのそれとはちょっと趣の異なるかもしれないという気がしてきました。とは言え語りもチェルフィッチュっぽいわけで、影響はとことん受けていると思う。しかし、ぬるい中での叙情性とかわい気(相対性理論「ミス・パラレル・ワールド」に合わせての振付ゲームのかわいさ!)は抜きんでていて、ちょっとグッときてしまった。

日々何でもないように暮らしている人の中に隠れている感情が身体に運動として現れる可笑しさと切なさ。しかし、いくらなんでも相対性理論の楽曲にひっぱられ過ぎの気がする。あの言えなかった「ただいま」と「おかえり」が「ふしぎデカルト」の中の「シミュレーション心霊現象」という言葉に回収されてしまうのは寂しい。




アトリエセンティオでQ『地下鉄』を観賞。

Qは昨年の第1回公演『油脂越し』に続いての観劇です。地下鉄の往復、家とコンビニの往復、手淫の往復、という運動が、人と人のコミュニケーションの往復に連動していって、その間に入るエメマンブラックとかリカちゃん人形などの固有名詞の配置が楽しいなぁ、とか思って見ていた。自我ってどういう往復を交わしていくかで形成されていくのかしら、とか、「名前をつける」というのは往復というより一方的で暴力的だよな(スピッツ!)とかどんどん思考が広がっていって途中から何がなんだかよくわからなくなり劇は終了。けど、結構楽しむ。マームとジプシーでお馴染の吉田聡子が全公演に出演していて、藤田演出でなくても吉田聡子は凄いのだ、というのを魅せつけている。今作ではアニメ声という新しい演技を披露。やはり彼女って隠蔽された性の匂いでいっぱいです。内海正孝も個人的に凄く好きで、ぬめり気のあるルックスと声質でなかなかに気持ち悪くて素敵だ。この2人を使えるなら、そりゃウンコだのチンコだのオナニーだのを描いてみたくなるよな、今作を観ていて本当に作者がそういうものを書きたいのかにハテナマークが点灯してきました。そういうのを使わないで、もっと面白いもの書けるような気がするのだけど。とにかく次も観てみたい。