青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

私立恵比寿中学『〜うっかり学芸会〜』in赤坂BLITZ

むちゃんこよかった。ららぽーととかラゾーナでのフリーライブにちょっと食傷気味だったのだけど、やっぱりしっかりした音響と照明で見るライブは格別である。前述のフリーライブの小さな会場ではややトゥーマッチに感じてしまう真山りかのハイテンションや廣田あいかの声量やオバーアクトが、大きい会場だと実に映える。とにかくライブのグルーヴをグイグイ引っ張っていく。他のメンバーの成長も著しい。短いフレーズで会場を的確に沸かすパフォーマーに成長した鈴木裕乃や脱退した宮崎れいなのパートをカバーする松野莉奈の低音歌唱、などグッとくるポイントは多々あったのですが、とりわけ印象的だったのは安本彩花だろう。元々ライブでもほとんど崩れる事のない正確なピッチの持ち主だったのだけど、動きも喋りもちょっとサイボーグみたいだった彼女にエモーションが宿った。声量も飛躍していたし、ピッチは崩れても構わないから感情を込めて歌うのだ、という意志が感じられる。心なしかトークも流暢になっているような。いや、ほんとにこのくらいの歳の子達ってどんどん成長していくんだなぁ、と目頭が熱くなってしまうわけですが。こんなに若いアイドルを1年以上見続けるなんていう体験は今までなかったので、本当にみんなに幸せになって欲しい!と祈っていますよ。

安本さん、成長していく過程で何かがこうパキっとうまくはまって、ぺ・ドゥナのような大女優になったりしないだろうか。



何度も書いていますが5月5日に発売のメジャーデビューシングル『仮契約のシンデレラ』は本当に名曲だ。

茶番を全力でやる事や凸凹でいびつな集団の美しさ、といった私立恵比寿中学の魅力が詰まっている最高に楽しい名詞代わりの1発。「世界に1つだけの花」とか言われるより、エビ中を見ればよっぽどそれを感じられる。カップリングの「放課後ゲタ箱ロッケンロールMX」と「揚げろ!エビフライ」はあの音響で聞くと「なるほど!こういう曲だったのか!」と膝を打ちました。発売が楽しみであります。願わくばサブドル路線みたいのはほどほどにして欲しい。