青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

楠葉宏三『ドラえもん のび太と奇跡の島 〜アニマル アドベンチャー〜』


テーマを折り込みすぎてこんがらがっている。てんとう虫コミックス17巻に収録の「モアよ、ドードーよ、永遠に」を元にしており、動物愛護に目配せするものの、かなりおざなり。そもそもあの話は『のび太の雲の王国』で既に綺麗に回収されている。のび太とパパの絆がメインテーマとなるわけだが、その象徴であるカブトムシがおざなりなに扱われている。「家族の事を思うと胸が温かい気持ちになるんだ」と胸に手を当てる仕草を全員が行うという演出の新興宗教感。これまでのドラえもん映画でワースト級である。