青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

ミツメ『mitsume』

ミツメ。とても魅力的なバンドである。

2009年結成で都内を中心に活動しているそうで、最近よく名前を目にするので1stアルバム「mitsume」を購入してみた。

mitsume

mitsume

最初に聞いた時はオーソドックスなギターロックバンドだなぁ、くらいの印象しか持たなかった。しかしよく耳をすませてみるとその印象はすぐに覆った。絶妙に絡み合うツインギターのフレーズ、リズム隊の歌心、全編に渡って響くファニーでポップなコーラスハーモニー、その全てが魅力的なボーカリストが歌うメロディーを際立たせている。このセンスのよさにはちょっと驚かされてしまう。メロディー、サウンドはネオアコとかサイケとかインディーロックとかフォークとか色々言われていますが、それらももちろん全部入っている。しかし1番重要なのはそれらとJ-POPを並列で聞いてきた世代ならではの音楽に仕上がっている点ではないだろうか。これはシャムキャッツにも感じますが、90年代育ちならではというか、奥田民生がチャート上位にいた事に感謝ですね。



歌詞も最初聞いた時はほぼ全ての曲に「君」が出てきて、これまたよくある感じかな、と思いきや実は凄い。

「三角定規持ってきて 君の家から僕の家までを はかるつもり」
「頼りない時計が欲しい 90年に戻りたい」
「夕闇はそっちだと 青く見えたりしませんか」
「なんか冷たくなってた 笑い袋を詰め替えて 時に投げよう」
「おまけの天使あと一枚だったけど リボルバーでも聞きながら 二人はなればなれ」
「死ぬまでに津軽の方に行ってみたい」
「紫と赤の間のベロア生地 シートは大体そんな色 ゴワゴワしてた」
「暖炉にあるだけ光を詰め込んで 生活する日をずっと前から考えてたんです」
「昨日から見てた映画が残ってる 空気も何か違うみたい 君は笑うかも」

強烈なひっかかりのあるラインに満ち満ちています。単語の配置もセンスいい。今の20代とかってどっかの社会学者に「あらかじめ全てを諦めている世代」とか言われていて、まぁ、それもわかるけど何かそんな簡単な言葉でカテゴライズされたくないぜ!っていう気概を感じるような感じないような微熱なムードもよいですね。


2/22発売の限定200本のシングル『Fly Me to the Mars!!!』

火星まで行っちゃうなんてやる気に満ちているぜ!と思いきや理由は、地球の夏が暑すぎるから。最高。しかもバンドサウンドでなくエレポップ、しかもカセットでの発売です!(MP3コードついてるので安心)


すでにスピッツくるりなど錚々たるバンドを例に挙げられて比較されているのを見かけます。なるほど、ミツメは歪さをポップな形に仕上げる才能の最新系だ。