青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

鬼ヶ島『恐怖学園』

鬼ヶ島『恐怖学園』を見た。

恐怖学園 [DVD]

恐怖学園 [DVD]

ライブ映像をYouTubeで漁るように見ていたので何度目かのネタも多かったが十二分に楽しめた。キングオブコメディマシンガンズの副音声も含めて立て続けに2周見てしまった。「キングオブコント2011」で披露した傑作「操り人形」はラストが変更されており。よりディープに。なんでも、あの劇中でかかる軽快なピアノ曲は「ゴッドタン」のマジ歌でお馴染の大竹マネージャーの演奏だそうです。「操り人形」とかぶるからか、ライブ「行列の先頭2010」で衝撃を受けた「悪魔のぬいぐるみ」での最高の歌とダンスがカットされていたのは残念。DVDになる公演なので鬼ヶ島にしては見やすい内容になっていると思う。「しゃべる箱」などのよりハードコアなネタ群のソフト化もお願いしたい。



鬼ヶ島を評してよく「狂気の」という枕詞を見かけるが、個人的にはいまいちピンとこない。相当に理性を働かせているグループだと思う。印象的なのは音にかなり神経をとがらせているところ。前述のコント内での使用音楽等もそうだが、何より発声のタイミングやスピード、そして響きを相当計算しているのではないか。キンコメ高橋の副音声によれば、「操り人形」での歌の「自分、自分、自分」の連呼などはリズムをコンマ単位で調整するほど練習していたそうだ。とは言え、3人にそんな完璧な発声やタイミングを表現する技術が伴っていないので、どうズラすかに注力している点がおもしろい。おおかわらの女性キャラに代表される棒読み演技やオチの無軌道な斬新さもこのズラしに起因するのはないか。これは演出だけに留まらずコントのモチーフ自体もそうで、「操り人形」「悪魔のぬいぐるみ」での人形、「性」での官能小説、「危険な遊戯」でのコックリさん(野田さん)、「韓流地獄」での韓国語とサングラス、「Go to the Hell」での傷、「即身仏」における仲介者としての野田、とほぼ全ての作品でコミュニケーションを取る際に必ずクッションがある。1つズラしているわけです。これを歪んだコミュニケーションと見るか、歪んだコミュニケーションを何とか正しい方向に持っていこうとする奮闘と見るかでこのトリオへの思い入れは変わってきそうだ。