青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

シベリア少女鉄道スピリッツ『太陽は僕の敵』

シベリア少女鉄道スピリッツ『太陽は僕の敵』を座・高円寺にて観劇。

これがもう気絶するほど楽しめなくて驚く。初のシベリア少女鉄道の舞台観劇だったのだけど、演劇に興味を持つ前から、何なら中学生の頃からシベ少の名は私に轟いておりました。前半はフリで、後半に向けてそれらを回収して爆笑の中ドンデン返しのオチをつけていくという作風もそれなりに把握してワクワクした気持ちで挑んだのですが、憧れのシベ少は本当にあんなものなのでしょうか。


覚悟はしていたものの「千夜一夜物語」をジブリとディズニーで仕上げたフリ部分のつまらなさは想像以上。あのオチであるなら内容なんでもよいのだから、別にもう少し作り込んでもバチは当たらないのではないだろうか。しかも初日だったからかわかりませんが、音響、照明の整ってなさはとてもあんな大きな劇場(椅子がフカフカ!)で公演をする劇団とは思えぬレベル。役者の動きも統制が取れておらず、ただでさえ大味のオチが活きてこなかった。間が全く役者同士で噛み合っていないので、笑いが発生しない。とは言え、噛み合った所でアンジャッシュがやり尽したような程度のものなのだけど。主演のアイドリング!の大川藍を選んだ意図は何だったのだろうか。原人みたいのが、少年に「ぼくら友達じゃん!」って言われて、「ト・モ・ダ・チ・・・」と返すやつの、あの素人がやってもそこそこ受ける鉄板パロディーですら失敗していたのには呆れる。


何よりあの構成上のオチは驚きも笑いもなくただただメタだった。作品に則して言うなら、ちゃんと頑張れてないから、舞台に光が灯らない。終演のアナウンスが鳴ると「えー」という「本当にこれで終わりなの?」という力ない声が会場から漏れ、拍手は一切起こらず終わった。こんなの初めてだ。今作と同様に演劇の大袈裟な発話、運動を逆手にとって作られた五反田団『俺のお尻から素敵なメロディー』は何の仕掛けもなくただただくだらないままに圧倒的に面白かった。五反田団ではなく先にシベリア少女鉄道を見ていたら、きっと演劇にははまらなかっただろう。よかった。とは言え、今作がたまたま出来の悪い作品だったのだと信じたい、信じよう!下北沢でレコード屋と古着屋を巡ってシベリア少女鉄道を見る、というオシャレサブカルライフを夢見ていたカジュアルハウス306の服を身に纏った中学生の私が、そう叫んで止まない。



追記:調べてみたらカジュアルハウス306経営破綻で潰れてた。