青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

オノマトペ大臣『街の踊り』


チープメロウでキャッチーなトラックがまずもって抜群だが、やはりリリックがいい。オノマトペ大臣のリリックは二極の点を自在に行き来する。昭和と平成を、地方都市と都会を、少年時代の煌きと大人の悦びを、モラトリアムの退屈と社会人生活の憂鬱を、部屋での一人遊びとクラブでの夜遊びを、リスナーとクリエイターを・・・であるからして、広く深く私たちの心を打ち抜く。

ドアの窓に映る 光を集めて
着飾り彩る あの人のいた街
I like urban.Good-bye S.U.Burban.
快速よ、夜を進め
ちょっと噛んだフリスク冷たい

「S.U.B.urban」


部活帰りの高校生 ヘッドフォンから流れる夢のメロディ
振る首に合わせ揺れる手元に 忘れられちゃったあの日のチャート式
抑制の効いた素敵な大人ぶってみてもまだまだなれないや
踊り騒ぎ疲れた夜に扇風機の風吹くマイサマータイム

「サマースペシャル」


咲いた花の美しさも うまく語れぬまま時が過ぎ
移りゆく人の中で 掻きむしる感情が積もってく
ただ少しだけこの夜が 煌めく瞬間をくれるなら
うねるベースに身を預けながら
高まる鼓動にゆらめいてたい

「FRIDAY NEW ONE」


だいたい毎日同じじゃん 22時の後悔がやってきた
他人のドラマでぼんやりと そっけなく廻る長針と短針
少なくなる残り時間と共に 熱くなってく手の平と指先
安らぐ気持ちでセットした 夜聞きたくなるMy foolish heart
23歳の23時 やっぱり全然眠たくねぇ
レッドブルかまし飛び出せば 薄汚れた星空に光が
24歳の24時 こっからがついに本番らしいぜ
虹の向こうのこと考え中 25歳、時刻は深夜1時

虹の向こう見える場所
三次元のかなた まだ遠く
四時過ぎには辿り着くはず
ご覧Dance Music Sence Of Wonder

「Sence of Wonder feat.mochilon」


仕事を抱えた僕たちは
週末の夜に無理して会った
眠気こらえた月曜の朝
走る街は君を躍らせた

何度も言葉を交わしては
心に触れて時を止めた
踊る君とまた動き出した
ただ廻る世界をこの街で眺めてた

「CITY SONG」


今の若者は不安も期待も絶望も全部飲み込んで、こんなにも軽やかに音楽鳴らしている。街にはこの歌のような若者がたくさんウキウキとメソメソと暮らしている。シティポップはここに来てまた力を持った音楽になるぞ。