青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

トークイベント『チェルフィッチュ「三月の5日間」以降』

チェルフィッチュ『3月の5日間』の再演に関連したプレイベントで「チェルフィッチュ以降」という括りで、北川陽子(快快-faifai-)、藤田貴大(マームとジプシー)、三浦直之(ロロ)、二階堂瞳子バナナ学園純情乙女組)二階堂瞳子、西尾佳織(鳥公園)、神里雄大(岡崎藝術座)という若手演出家6人が集結。ちょっと遅れて行ったので彼らがチェルフィッチュをどう捉えているのかは聞きそびれてしまったのだけど、みな一様に「今は俺が俺」というスタンスのようで、トークショーがうまく波に乗っかっていかず。そもそも皆あまり語りたがらない。そんな中、なんとかトークをグルーヴさせようとキレキレで切り込む藤田君、言いたい事を簡潔にメモして話す二階堂さん、しどろもどろになりながらも真摯に話す三浦君は非常に好感が持てました。


三浦君の話がまとまりなくて藤田君がイライラしたようにつっこむ。がんばれ、愛くるしいぞ!三浦君。興奮していくにつれ、一人称が「僕」→「俺」→「おで」になっていく所が特に愛くるしかった。「作品を見て欲しいのは、地元の友達と好きな人」と言い切る所もよかったな。創作のスタンスについて聞かれ、他の作家たちが言葉を濁す中、演劇の舞台上で「この棒はバットだ」と言った瞬間、ただの棒きれがバットに変容する様が、人が恋に落ちる時と似ていると思って、自身は「ボーイ・ミーツ・ガール」を主題にしていると堂々と語った所も素敵だ(藤田君には鼻で笑われていた)。最後のほうは鼻水が止まらなくなって何言っているのか全然わからないところもよかった。そして、次作のタイトルが『LOVE02』って。ニヒル気取ったやつより、断然この真っ直ぐさが好きだ。二階堂さんの「生まれてから昨日までに飽き飽きしているような人間なんで」という発言も凄かったな。バナナ学園は「武道館ライブ」と「海外遠征」と「週刊SPA!に載る」を目標としているらしい。