青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

狐の会というバンドについて


ふっと思い出した狐の会というバンドのこと。2005年から2006年にかけて、空気公団HARCOでお馴染のCoaRecordから3枚のシングルを伊藤ゴローのプロデュースでリリースしたものの、アルバムを作りあげる事のないまま解散してしまったバンド。レーベル、ジャケット、バンド名からして「喫茶ロック」という今やうすら寒く感じてしまうネーミングのジャンルに括られてしまいそうなのですが、そんな事はありません。ニヒリズムやパンク精神でぐちゃぐちゃにややこしく絡まってしまった、あまりに出来の悪い僕らの青春が、出来のよい音にのっかっているのです。それは、もうそのまんまBell and Sebastianなのですが、言葉は日本語。当時我々はこれを「発明だ!」ともっと騒いでよかったのではないか、という思いに駆られるほど、今聞いても滑らかに言葉がメロディーとなりサウンドにのっかっている。小さな音で鳴らされる抵抗の音楽。それはとても贅沢なもののように思えます。



タワーレコードの視聴機でたまたま見かけて以来、シングル(短編小説付き!)3枚は全て購入。すべてが名盤。管弦楽器とピアノが絡み合う和製ネオアコの最高峰。アルバムの登場を今か今かと待ち望んでいたのですが、すっかり音沙汰がありませんでした。The Carpentersのトリビュートアルバムに参加したりなどしていたようですが、気付けば公式サイトも消滅。ネットで検索してみると、もう音楽活動は続けていないようです。中心人物であった”狐さん”を見つけ出して、「ひっそりとでいいから、また音楽を続けてくれやしないか」とお願いしたい。6年前に比べて今の音楽シーンは小さな音でも、"確かな抵抗"というのを続ける事ができるんじゃいかしら、と思うのです。