青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

LIVE土井玄臣、中川理沙@中崎町common cafe

今回、大阪に駆け付けたのは土井玄臣セカンドアルバム『それでも春を待っている』のレコ発イベントがあるから。

新大阪に着いたのち、いくつかの地下鉄を乗り継いで、雰囲気のよろしい中崎町モンカフェというお店に足を踏み入れてみると、店内は美味しそうな匂いに包まれておりました。なんと、土井さんがFoodのカレーや肉じゃがを作られていたのですねぇ。これが信じられない美味しさでして。玉ねぎ使いの魔術師。あのクリーミーなカレーの味が忘れられない。土井さんは女子力が高いというか本当は女子なんだと思う。やたら女装したがってるし。





中川理沙名義のソロライブは今後なかなかお目にかかれなそうなレアなものです。そして、当然のように素晴しいライブを披露してくれました。最近体力と集中力がなくてライブに行っても「早く終わらないかなぁ」と思ってしまう事が少なくないのだけど、どんな場にもスッと馴染む中川さんの歌はずっと聞いていたい、と感じさせてくれる。そんな中川さんがフェイバリットに『家具の音楽』でもってアンビエントの始祖とされるエリック・サティを挙げているのはとても納得がいく。うつくしきひかりは年内関西でのライブを2本控えているとの事なのでぜひお近くにお住みの方はポップミュージックとしての強度を維持したまま最新のアンビエントミュージックを鳴らすうつくしきひかりのライブをぜひ体験して欲しいです。
「ともだちを待っている」

11月13日(日)
場所 大阪南船場 地下一階の四階
時間 OPEN/START 15:00
料金 前売/当日 1800円
出演 うつくしきひかり/森山ふとし/DODDODO/DJ腹八分(DJごはん&栗原ペダル)



11月14日(月)
場所 神戸 旧グッゲンハイム邸
時間 OPEN 19:30/START 20:00
料金 前売/当日 2000円
出演 うつくしきひかり/たゆたう
音響:西川文章
共催:塩屋音楽会



そして、土井さんのライブ。2ndアルバム『それでも春を待っている』がとにかく素晴らしい内容で、コンパクトながら名盤『んんん』のネクストレベルを鳴らしている。その気になればAphex Twinのような電子音アルバムやSatieのようなピアノアルバムも作れてしまうのだろう。でも、やはり歌の人だ。
http://d.hatena.ne.jp/hiko1985/20110520/p2
でも書いてあったけど(忘れてた)、闇を知っているからこその光の歌。歌い出すと空間がギュウっと締まる。そして、トークになると緩む。いや、でもトークなかったら濃密過ぎて倒れてしまうかもしれない。アルバムは「これレコード」での取り扱いになるそうで、JET SETやサンレインで(まもなく)購入できるようになるそうです。7曲入りで500円!せっかくフライングゲットできたので、皆さんに手にとってもらえるような感想を書き記したいものです。



翌日は、土井さんの「せっかく大阪に来たならショックを受けて帰ってもらいたい」というプランの元、釜ヶ崎飛田新地周辺を案内してもらう。いかに自分が世間知らずのおぼっちゃまかを思い知らされたと言いますか。お恥ずかしい話「ドヤ街」ですら言葉を聞いた事あるだけでどんなもんか知らないような状態だったので、本当に衝撃を受けてしまいました。カルチャーショックをたくさん受けて頭がボーっとした状況がここ何日か続いています。駅を降り立ちすぐに鼻をつく臭気、50円の自販機、1000円の宿、「生活保護」「結核」という文字が躍る通りにゾンビのような速度で歩く人、寝転がる人、酒を飲む人。そんな人々が集まる要塞のような職業安定所の中に曇天の空から無数の鳥が入り込んでいく、あの一連のショットが目に焼き付いて離れない。そして、職業安定所に止まる不釣り合いな黒塗りのベンツ。どうやら、あの要塞は職業安定所としては機能しておらずただの溜まり場で、実際の仕事は暴力団が斡旋しているそうだ。そして、噂には聞いていた飛田新地も、実際目の当たりにすると立ち眩みがした。画力が強すぎる。

ちなみに釜ヶ崎飛田新地もカメラ等を掲げただけで怖い人に囲まれるそうなので気をつけてください。しかし、あのような区画が、通天閣、新世界などの歓楽街と一本道路は挟んだ先にある事実。愛燐地区という呼び名の薄ら寒さ。考えさせられる。とは言え、私は余所者で、歴史に根深い問題でもあろうから何も口を出すことはできません。しかし、あのような濃い闇を見つめてきた土井玄臣がどのような光を歌うのか、そこへの興味は尽きない。