青春ゾンビ

ポップカルチャーととんかつ

大橋裕之『シティライツ』

シティライツ(1) (モーニング KC)

シティライツ(1) (モーニング KC)

大橋裕之の商業誌での週刊連載作品が単行本にまとめられた。傑作だ!夜散歩をしていて、ふとマンションとかアパートを見ていると、均等に灯りが配置されていて、「綺麗だなぁ」と思うと同時に「この1つ1つの灯りに俺と同じように人生があるのか、いや正確に言えば4巻人家族とかかもしれないから1つ1つに4つの人生が!!」と眩暈を覚えたりする。まぁ、とにかく1人1人にあかりは灯るのだ。どんなボンクラにもどんなポンコツにも。この漫画には愛すべきボンクラ達のどうしょうもない日常にささやかだけれど光が灯される瞬間が詰まっている。


どの話も素晴らしいのだけど、白眉は「部長の恋」「サマロサマ」だろうか。『音楽と漫画』で描かれた素晴らしいセッションを彷彿させるシークエンスがある上に、岡崎京子が待ち続けていたUFOや、小沢健二が歌った「神様がそばにいるような時間」が、いとも簡単に訪れる。しかし、大橋裕之はそのUFOに石を投げるし、神様には暴言を吐かせる。あぁ、なんだかとっても軽やかで、これからの私たちに必要なのはこういう表現だなぁ、と思いました。